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1章
四天王一の頭脳
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影達「へえ。柿崎隊がここまでピンチとは。」
飛び出した遥の喉元に、人型モンスターの刃が襲った次の瞬間、モンスターの腕は切り落とされていた。
遥「直江隊長…」
影達「景鈴、大丈夫か?」
影達は呑気に聞くが、当の本人はアンパートの刀で貫かれるところだ。
景鈴「くっ…!!」
アンパートは景鈴に馬乗りになり、頭上から一突きに振り下ろす。
しかし、アンパートが突いたのは地面だった。馬乗りになっていたはずの景鈴は、消えていた。
アンパート「あ?どこに…」
アンパートが消えた景鈴を探し、辺りを見渡すと、影達を発見した。
影達「お探し物はこれかい?」
影達は景鈴をお姫様抱っこしていた。
景鈴「ちょ、人のことコレって!てか離しなさいよ!」
影達「加地、頼んだよ。俺の嫁。」
景鈴を立たせ、遥の方に背中を押す。
景鈴「違うわよ!やめなさい、戦闘中にふざけるの!」
遥「隊長、基地に向かいますよ…」
アンパート「この空間は、浸入可能だが脱出は不能だ。」
影達「へぇ。んで、なんで柿崎隊はピンチなわけ?」
景鈴「この空間の能力だと思うけど、私たちのエネルギーがほとんど無くなったの。」
影達「なるほどな。」
遥「そういえば、名乗り以外になにか叫んでました…。魔族である!とか、その…アレがある!とか…」
影達「ふーん。」
アンパート「決議!好きな食べ物はヴォールベルトである!」
遥「あんな風に、自分にしか当てはまらないことを叫んでるんです…。」
影達「そしたら、相手のエネルギーを減少させる能力か…。決議!柿崎景鈴を愛している!」
景鈴『な!な…!』
影達『ふむ、変化がないな。柿崎隊は?』
遥『何も変わりません…。』
影達が実験をするうちに、アンパートが3度決議を行う。
影達「なるほどな…。1回につきエネルギーが半分になるのか。4回だから総量は16分の1か。マズイな…。」
景鈴「あんた助けに来たんじゃないの…。」
信女「きゃあ!!」
何度も決議を行われた柿崎隊のエネルギーは無に等しい。人型モンスターに岩井信女のエネルギー体が破壊されそうになる。
景鈴「信女!」
影達「決議!人間である!…あれ?エネルギー減った。」
景鈴『ちょっと!ピンチが加速してる!』
影達『大丈夫、能力はわかった。ようは決議したときに、空間の中の人数が数えられるんだ。そして、決議に当てはまる多数のほうがエネルギーを奪われるんだ。だから、多数対1人の構図の時点で、不利になるんだな。』
景鈴『分かったところで、減ったエネルギーはどうするのよ!』
影達『この空間が解けたときにエネルギーが戻ればいいんだけどな。』
遥『まるで、あいつを倒せるみたいな…』
遥が言いかけると、影達は遥に微笑みかけた。
次の瞬間、アンパートがいた場所に直江隊、岳尾 景秋がいた。
遥『え…?』
遥が戸惑ううちにアンパートが作った空間が弾けた。
遥「え?え?」
ちょうどアンパートの空間があった境界線あたりに、直江隊に囲まれたアンパートがいた。急所を貫かれている。
影達『俺の覇刀の方が上だったようだな。空間に入る前に、景秋をいつでも攻撃できる状況にしておく。そして、中に入って敵と景秋を入れ替えるんだ。脱出不能と言ってたけど、入れ替えは出来てよかった。エネルギーも戻ったし。』
アンパート「位置の入れ替え…?そんな…ばかな…撤退」
アンパートが霧散する。
影達「じゃあ、柿崎隊は隊長を基地まで。」
遥「ありがとうございました。」
直江影達はエヴィデンスの第1軍、上杉軍に所属する上杉四天王の1人。その頭脳はエヴィデンスの誰一人として張り合おうとしない逸品。
アンパートを倒すために仕込まれていた策は、これ一つでは無かったのだ。
飛び出した遥の喉元に、人型モンスターの刃が襲った次の瞬間、モンスターの腕は切り落とされていた。
遥「直江隊長…」
影達「景鈴、大丈夫か?」
影達は呑気に聞くが、当の本人はアンパートの刀で貫かれるところだ。
景鈴「くっ…!!」
アンパートは景鈴に馬乗りになり、頭上から一突きに振り下ろす。
しかし、アンパートが突いたのは地面だった。馬乗りになっていたはずの景鈴は、消えていた。
アンパート「あ?どこに…」
アンパートが消えた景鈴を探し、辺りを見渡すと、影達を発見した。
影達「お探し物はこれかい?」
影達は景鈴をお姫様抱っこしていた。
景鈴「ちょ、人のことコレって!てか離しなさいよ!」
影達「加地、頼んだよ。俺の嫁。」
景鈴を立たせ、遥の方に背中を押す。
景鈴「違うわよ!やめなさい、戦闘中にふざけるの!」
遥「隊長、基地に向かいますよ…」
アンパート「この空間は、浸入可能だが脱出は不能だ。」
影達「へぇ。んで、なんで柿崎隊はピンチなわけ?」
景鈴「この空間の能力だと思うけど、私たちのエネルギーがほとんど無くなったの。」
影達「なるほどな。」
遥「そういえば、名乗り以外になにか叫んでました…。魔族である!とか、その…アレがある!とか…」
影達「ふーん。」
アンパート「決議!好きな食べ物はヴォールベルトである!」
遥「あんな風に、自分にしか当てはまらないことを叫んでるんです…。」
影達「そしたら、相手のエネルギーを減少させる能力か…。決議!柿崎景鈴を愛している!」
景鈴『な!な…!』
影達『ふむ、変化がないな。柿崎隊は?』
遥『何も変わりません…。』
影達が実験をするうちに、アンパートが3度決議を行う。
影達「なるほどな…。1回につきエネルギーが半分になるのか。4回だから総量は16分の1か。マズイな…。」
景鈴「あんた助けに来たんじゃないの…。」
信女「きゃあ!!」
何度も決議を行われた柿崎隊のエネルギーは無に等しい。人型モンスターに岩井信女のエネルギー体が破壊されそうになる。
景鈴「信女!」
影達「決議!人間である!…あれ?エネルギー減った。」
景鈴『ちょっと!ピンチが加速してる!』
影達『大丈夫、能力はわかった。ようは決議したときに、空間の中の人数が数えられるんだ。そして、決議に当てはまる多数のほうがエネルギーを奪われるんだ。だから、多数対1人の構図の時点で、不利になるんだな。』
景鈴『分かったところで、減ったエネルギーはどうするのよ!』
影達『この空間が解けたときにエネルギーが戻ればいいんだけどな。』
遥『まるで、あいつを倒せるみたいな…』
遥が言いかけると、影達は遥に微笑みかけた。
次の瞬間、アンパートがいた場所に直江隊、岳尾 景秋がいた。
遥『え…?』
遥が戸惑ううちにアンパートが作った空間が弾けた。
遥「え?え?」
ちょうどアンパートの空間があった境界線あたりに、直江隊に囲まれたアンパートがいた。急所を貫かれている。
影達『俺の覇刀の方が上だったようだな。空間に入る前に、景秋をいつでも攻撃できる状況にしておく。そして、中に入って敵と景秋を入れ替えるんだ。脱出不能と言ってたけど、入れ替えは出来てよかった。エネルギーも戻ったし。』
アンパート「位置の入れ替え…?そんな…ばかな…撤退」
アンパートが霧散する。
影達「じゃあ、柿崎隊は隊長を基地まで。」
遥「ありがとうございました。」
直江影達はエヴィデンスの第1軍、上杉軍に所属する上杉四天王の1人。その頭脳はエヴィデンスの誰一人として張り合おうとしない逸品。
アンパートを倒すために仕込まれていた策は、これ一つでは無かったのだ。
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