Proof

Yuki

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2章

親友

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時は現在に戻る。

森野「お前の魔族嫌いはまだ変わらんか。」
森野の隣に成実が座り、4人のボックス席の向かいに織田が座っている。
織田「当然ですよ。家族も、最初の仲間も、何人も殺されてる。この世界から魔族を根絶する。魔界とは切り離す。それが実現するまで戦うだけです。」
森野「そうか…。いつか、お前にも分かり合えるときが…」
織田「だから今日、俺は戦う。」
 織田の目付きが一層鋭くなるのと同時に、車両にいた織田の部下が、成実と森野に剣と銃口を一斉に向けた。
成実「なっ?!織田さん…」
織田「冗談ではないぞ。魔族は根絶する。森野さんと俺とではそもそもの方向性がズレているんだ。」
森野「だから俺を排して、良長がトップに立つのか。」
 森野はうつむき加減で質問をする。
織田「そうです。俺は…アンタを殺したくはない…。素直に譲ってくれませんか?」
森野「ふふっ。大きくなったな。これだけの味方をつけ、力をつけ、望むものに近づけるだけの成長をしたようだ。嬉しいよ。」
 森野に笑顔がこぼれる。
森野「だが、お前の言った通りだ。俺と良長では見ているものが違う。悪いが譲れんな。」
織田「…そうか。ありがとう、森野さん…。」
 織田がうつむいたとき、轟音が響き車内が揺れた。
 成実らが窓の外を見ると、いくつもの車両が併走している。窓から銃火器を構えた人間もちらほら見える。
成実「あれは…!【アルイコール】?!」
織田「これから2人は、賊の襲撃にあって命を落とす。かろうじて撃退した俺が、エヴィデンスのトップになる。」
森野「…そこまで…」
成実「あんた…!なにしてんだよ!敵と手を組んでまで…」
 激昂する成実の言葉を遮り、織田が声を強めて吐き捨てる。
織田「俺の敵は魔族だけだ。魔族を滅ぼせるなら、奴らとでも手を組む。」
森野「…」
織田「さあ、殺れ。」
 森野らを囲む織田軍に、殺意が満ちたとき、織田の正面側にある車両のドアが吹き飛んだ。
 織田軍の数人が巻き込まれる。
織田軍「ぐああっ!」
 ドアに押し倒される2人、よろけた隙に斬られた隊員が2人。
 ドアを吹き飛ばして現れたのは伊達だて 正史まさふみだった。
織田「…正史…」
伊達「なにやってんだよ…。」
織田「お前こそなにをやってる。今斬ったのは、エヴィデンスの隊員だぞ。お前の剣は魔族を斬るためにあるんじゃないのか?」
伊達「バカ言うなよ。俺の剣は…敵を斬る剣だ。森野さんに剣を向けるやつは……全て敵だ!」
成実(伊達隊長のあんな顔…初めてだ…)
 次の瞬間、森野と成実が消える。
織田「ちっ!」
 織田が刀を抜く。
織田「燃えろ!」
 織田の前方に炎が広がる。
 森野らが座っていた座席の1つ後ろで、森野と成実が現れる。
成実「っあぶねぇ。」
 現れた2人に、再び剣が向けられる。
 向けられると同時に、伊達から森野と成実が刀を受け取る。
織田「やめろ!三日月国近の間合いだ!」
 織田の部下が少し怯む。
森野・成実「戦闘体、展開!」
 森野と成実の身体が光に包まれる。
 次の瞬間、車体が大きく揺れ、森野らがいた側の壁が吹き飛ぶ。アルイコールの放った砲弾で車両に穴が空く。
 揺れを利用し、森野、成実、伊達は包囲を抜け、隣の車両に逃げ込む。

数車両離れたところで、森野は伊達に尋ねた。
森野「正史、どうするつもりだ?」
伊達「後ろから、伊達軍が追ってきてるはずです。この車両を前と切り離して、伊達軍と合流してください。」
森野「してください、って…」
 森野と成実が車両に入ると、伊達は連結部分を切断した。伊達はそのまま、前車両に飛び移った。
伊達「俺はケジメつけてきます。」
森野「おい!なら俺も…」
 森野が車両を移ろうとした時、伊達が刀を向けた。
伊達「森野さんは、伊沖を逃がしてください。こっち来たらその戦闘体、落としますよ。」
成実「なら俺も戦います!」
伊達「ばか言え。あれだけ、生身で戦うなと言ったのに、魔族のエネルギー使いやがって。お前は今、戦っていい立場じゃない。森野さんも、コイツを移送する立場です。よろしくお願いします。」
 車両が数メートル離れる。
森野「正史!お前も、任務しくじるなよ。」
伊達「当然ですよ。だって俺ら、」

織田軍「軍隊長、追いますか?」
織田「いや、待ち伏せの可能性もある。車両が別れたら警報が届く。様子を見よう。」
織田軍「しかし、伊達さんが来るとは。」
織田「予想通りだよ。そして、あいつは俺を止めにもう一度ここへ来る。あいつと俺は、」

伊達・織田「親友だからな。」
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