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3章
動乱
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成実らがドアに体当たりするも、固く閉じられ開けられない。
成実「遥!」
景鈴「全然ビクともしないわね。」
成実「クソ!」
景鈴「伊沖隊長!」
景鈴は、成実の身体に紋様が薄く浮かんでいるのを見て、成実の感情が昂るのを制する。
成実「っ…!はぁ…」
「うわぁぁぁっ!!」
成実「これは…さっきのやつの悲鳴…?」
悲鳴が聞こえた次の瞬間、ドアが外から吹き飛ばされた。
景鈴「きゃあっ!!」
信女「な、なに?!」
景鈴「うっ…!」
ドアから外の空気が入り込んでくる。その直後、景鈴ら柿崎隊の4人は気絶する。
成実「なんだ?!どうした?ガスか?」
成実は鼻を覆って外へ向かった。地下室の廊下には王軍の隊員が数人、倒れていた。そして、正面の部屋の扉も吹き飛んでいた。
成実がゆっくり中を覗くと、遥と数人の隊員がいた。全員気絶している。
成実「遥!」
成実は遥に駆け寄る。息はある。
重宗『盛也!畳み掛ける!』
盛也『了解!』
重宗らは、謎の男に攻撃を集中させる。しかし、男は剣とエネルギーシールドで捌ききる。
男は後ろに跳び、重宗らと距離をとろうとする。重宗らは、囲む陣形を崩さず、着いていく。
重宗『さっきから距離をとろうとする動きが多い。おそらく遠距離よりの能力なんだろう。このまま、陣形を崩すな!』
昭夫『数の有利をいかせばそのうち削れる!こっちはなるべく間合いを外して攻撃を重ねる!』
男「なるほど、戦闘面でもいいチームワークだ。…そろそろか。」
男が魔力を手に込め、地面に着けた。
男「重力」
男を中心に、ドーム状にエリアが展開される。
重宗「まずいっ!」
重宗らが逃れようとした瞬間、地に這いつくばる。
昭夫「これは…重い…っ!」
盛也「重力か…!」
男も同じように這いつくばっている。
男「この空間では、重力が10倍になっている。身動きも難しいだろ。」
重宗「っ…く!」
重宗が腕を挙げ、銃弾を放つ。しかし、真っ直ぐに飛ばず地面に向かう。
重宗「エネルギー弾に実態はない…はず…」
男「そうだな。ただし、空気にかかる重力も10倍になっている。つまり、弾丸に必要な推進力も10倍だ。」
重宗「ぐっ…!」
重宗(こんな能力を隠してたのか…!)
昭夫『でも不思議だな。こんなの、自分側に味方がいないと自分も戦えない能力だ。敵地に潜入するには向いてない。』
重宗『確かに…。てことは…』
盛也『足止めだな。』
重宗『このまま時間を稼げば、王軍が来る…。王軍の格好したやつと戦ってるのを見れば、ネムリさんを殺したのは俺らに見えるだろうな。』
男はゆっくりと立ち上がった。
男「俺は慣れてるからな…。」
盛也「立つので精一杯じゃねえか。大人しく寝てろよ。」
盛也が全身の力をふりしぼり、膝立ちまで身体を起こす。
昭夫『待て…、コイツはなんで今…この能力を使った…?』
重宗『…?』
昭夫『俺たち4人を相手取って戦えば、いくら自分が強いとはいえ手傷を負う可能性は高い。それなら最初から、動きを制限した方が確実に時間を取れる…。成実を素通りさせることもなかったはず。』
重宗『確かに…。時間を稼ぐ以外の狙いが…?』
そのとき、城を背にしていた盛也があるものを見つける。
盛也「お、おい…なん…待て!」
~王室~
国王軍「失礼します!国民が、王を出せと押し寄せています!」
シャリぜ「わかっている。ここまで聞こえてるよ。」
ケーニヒ「それで、なにがあったんだ。」
国王軍「はっ!街を襲っていた人間族は、『クロライド』の隊服を着た魔族に取り押さえられました。『クロライド』の者が言うには、王族は『アレストラ』の国民を裏切っている。王族は軍を使い、人間族を襲うようになった。そして、その報復に来た人間族が、街で暴れるのを容認している。国民を犠牲に私欲をむさぼっているんだ、と。」
ハーン「そんなの…」
国王軍「実際、街の被害はこれまでも複数あり、それが見逃されてきている。さらにある時期を境に王の政治が国民の不満を無視し、王に有利になっていっている。というのが言い分です。」
ケーニヒ「どいうことだ…。完全なデタラメじゃないか…。なぜ国民はそんなことを…」
ハーン「何が起こっているんだ…」
成実「遥!」
景鈴「全然ビクともしないわね。」
成実「クソ!」
景鈴「伊沖隊長!」
景鈴は、成実の身体に紋様が薄く浮かんでいるのを見て、成実の感情が昂るのを制する。
成実「っ…!はぁ…」
「うわぁぁぁっ!!」
成実「これは…さっきのやつの悲鳴…?」
悲鳴が聞こえた次の瞬間、ドアが外から吹き飛ばされた。
景鈴「きゃあっ!!」
信女「な、なに?!」
景鈴「うっ…!」
ドアから外の空気が入り込んでくる。その直後、景鈴ら柿崎隊の4人は気絶する。
成実「なんだ?!どうした?ガスか?」
成実は鼻を覆って外へ向かった。地下室の廊下には王軍の隊員が数人、倒れていた。そして、正面の部屋の扉も吹き飛んでいた。
成実がゆっくり中を覗くと、遥と数人の隊員がいた。全員気絶している。
成実「遥!」
成実は遥に駆け寄る。息はある。
重宗『盛也!畳み掛ける!』
盛也『了解!』
重宗らは、謎の男に攻撃を集中させる。しかし、男は剣とエネルギーシールドで捌ききる。
男は後ろに跳び、重宗らと距離をとろうとする。重宗らは、囲む陣形を崩さず、着いていく。
重宗『さっきから距離をとろうとする動きが多い。おそらく遠距離よりの能力なんだろう。このまま、陣形を崩すな!』
昭夫『数の有利をいかせばそのうち削れる!こっちはなるべく間合いを外して攻撃を重ねる!』
男「なるほど、戦闘面でもいいチームワークだ。…そろそろか。」
男が魔力を手に込め、地面に着けた。
男「重力」
男を中心に、ドーム状にエリアが展開される。
重宗「まずいっ!」
重宗らが逃れようとした瞬間、地に這いつくばる。
昭夫「これは…重い…っ!」
盛也「重力か…!」
男も同じように這いつくばっている。
男「この空間では、重力が10倍になっている。身動きも難しいだろ。」
重宗「っ…く!」
重宗が腕を挙げ、銃弾を放つ。しかし、真っ直ぐに飛ばず地面に向かう。
重宗「エネルギー弾に実態はない…はず…」
男「そうだな。ただし、空気にかかる重力も10倍になっている。つまり、弾丸に必要な推進力も10倍だ。」
重宗「ぐっ…!」
重宗(こんな能力を隠してたのか…!)
昭夫『でも不思議だな。こんなの、自分側に味方がいないと自分も戦えない能力だ。敵地に潜入するには向いてない。』
重宗『確かに…。てことは…』
盛也『足止めだな。』
重宗『このまま時間を稼げば、王軍が来る…。王軍の格好したやつと戦ってるのを見れば、ネムリさんを殺したのは俺らに見えるだろうな。』
男はゆっくりと立ち上がった。
男「俺は慣れてるからな…。」
盛也「立つので精一杯じゃねえか。大人しく寝てろよ。」
盛也が全身の力をふりしぼり、膝立ちまで身体を起こす。
昭夫『待て…、コイツはなんで今…この能力を使った…?』
重宗『…?』
昭夫『俺たち4人を相手取って戦えば、いくら自分が強いとはいえ手傷を負う可能性は高い。それなら最初から、動きを制限した方が確実に時間を取れる…。成実を素通りさせることもなかったはず。』
重宗『確かに…。時間を稼ぐ以外の狙いが…?』
そのとき、城を背にしていた盛也があるものを見つける。
盛也「お、おい…なん…待て!」
~王室~
国王軍「失礼します!国民が、王を出せと押し寄せています!」
シャリぜ「わかっている。ここまで聞こえてるよ。」
ケーニヒ「それで、なにがあったんだ。」
国王軍「はっ!街を襲っていた人間族は、『クロライド』の隊服を着た魔族に取り押さえられました。『クロライド』の者が言うには、王族は『アレストラ』の国民を裏切っている。王族は軍を使い、人間族を襲うようになった。そして、その報復に来た人間族が、街で暴れるのを容認している。国民を犠牲に私欲をむさぼっているんだ、と。」
ハーン「そんなの…」
国王軍「実際、街の被害はこれまでも複数あり、それが見逃されてきている。さらにある時期を境に王の政治が国民の不満を無視し、王に有利になっていっている。というのが言い分です。」
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