Proof

Yuki

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3章

クーデター

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【エヴィデンス】司令室
森野「それで、見解を聞かせてもらおう、直江影達隊長。」
影達「はい、『アレストラ』との同盟がある人間界に攻めたとあれば、その国は魔界にて『アレストラ』より報復を承けます。そのリスクを負ってなぜ『クロライド』は攻めてきたのか、理由はいくつか考えられました。人間を攫いに来る必要があるほどの国力の低下、エネルギー不足などは、国民として潜入している隊員からの情報と一致しません。」
毛利「彼らからは国をあげて人間界への遠征が報道されていた、との情報が。そしてそれを国をあげて祝うほどの余裕があったらしい。」
影達「つまり、遠征をしてエネルギーを消費したうえで、『アレストラ』からの報復を受け止める準備ができている。」
森野「戦争でもする気か…。」
 影達「ここで、柿崎隊、および伊沖隊の通信を聞くと、話がつながります。」

成実「なんだよこれ…。」
 成実が駆けつけた隊員のもとにあった通信機からは、城外の様子が映し出されていた。
成実「『クロライド』が国民を扇動しているのか…」
 そのとき、重宗から成実へ通信が入る。
重宗『成実!やばい!とにかく、王の元へ!』
成実『は?やばいって…なにが?』
重宗『ネムリ…が…うぉっ!』
 通信が途絶える。
成実「なんだってんだよ…。」
 成実は葵を、柿崎隊の元へ寝かせ王室へ向かった。

ハーン「一体何が起こっていると言うんだ!」
 王室は混乱を極めていた。開けっ放しのドアから中を見た成実は、目を見開いた。
成実「ど、どういうことですか…」
ケーニヒ「ああ、伊沖隊長。すまない、恥ずかしいところを見られてしまったな。それが、国内で人間が暴れ、それを取り押さえたのが『クロライド』の兵士だと言う。そして、その兵士たちは国民を扇動しているんだ。王族は国民を裏切っている、とな。」
成実「そうじゃなくて…」
 成実が言いかけたとき、成実を驚かせていたモノは成実の目の前まで迫り、口を塞いだ。
ネムリ「あら、どうされたんですか?伊沖隊長。」
成実(なんで生きて…)
シャリゼ「とにかく、早くどうにかしないと…」
国王軍「失礼します!報告しますか!国民の暴動が激化し、軍を突破し王宮に向かっている街が点在、王宮前の暴動は衛兵を突破しました!」
ケーニヒ「何だと?!」
シャリゼ「ふざけるな!王に歯向かう国民などいらない!」
 シャリゼは激昂し、指を鳴らした。
「うわぁぁぁっ!」
 城の周りから悲鳴が上がる。
ケーニヒ「シャリゼ!何をした!」
シャリゼ「何って、城を守ったんですよ。」
ケーニヒ「シャリゼ…!」
伊沖(このままじゃまずい!絶対によくないことがおこってる…!ネムリ…がなにか企んでいるんだ…。この手振りほどかないと…。なんて力だ…)
ネムリ「きゃぁっ!」
 成実は強引に、口を塞ぐネムリを押しのけた。
ケーニヒ「伊沖隊長…その姿は…?」
成実「はぁ…はぁ…」
 成実の腕には黒い紋様が現れていた。
成実(くそ!生身で力を振り絞ったら…これだ…。ダメだ…まだ暴走するな…!)
成実「大丈夫です。それより…聞いてください。さっき、中庭で私たちは国王軍の姿をした者に襲われました。でも、最初に襲われたのはネムリさんで、しかも殺されたんです。それなのに…ここに…」
ネムリ「な、なんのことですか…伊沖隊長…。」
成実「それに、柿崎隊を宝物庫に呼び出し、俺らと離れるようにした!そして宝物庫でも柿崎隊は襲われている!」
ケーニヒ「ちょっと待ってくれ、伊沖隊長。私にはどちらの言うことも信じるしかない。だが、どちらも証拠がない。とにかく…」
国王軍「失礼します!報告します!柿崎隊、伊沖隊ともに拘束完了しました!あとは伊沖隊長のみです!」
成実「なっ!」
ケーニヒ「待ってくれ、伊沖隊長。街で人間が暴れている以上、君たちを城内で自由にはさせられない。命は保証する。」
成実「その国王軍に殺されかけたんだぞ!」
 成実の熱が頂点に達したとき、王室の前の廊下を、国王軍数人が吹き飛ばされ通り過ぎた。
???「ははははぁ!見つけたぞ!」
 王室に入ってきたのは
成実「お前…ヴァイツ…?!」
ヴァイツ「お?お前は。やったぜ。また戦えるのかぁ。でもまずは…」
 ヴァイツは一瞬、嬉しそうな表情を成美に向け、視線をケーニヒに向け思い切り床を蹴った。
シャリゼ「!!」
ハーン「おい!」
 ヴァイツの高速の正拳突きは、ケーニヒの直前で止められた。反射的に反応した成実は正面で受け止め、シャリゼとハーンがヴァイツを挟む形で剣を構える。
ヴァイツ「危ない危ない。これ以上進んだら腕と首が飛ぶところだった。人間、お前も速かったな。」
成実(くっ…こいつの…は電気を帯びてる…んだった…)
 生身に電気を受けた成実はその場に倒れる。
シャリゼ「てめぇ!いきなりなにしやがる!」
ヴァイツ「なにって、国民の暴動の理由も、我々の目的もひとつ、王族の失脚ですよ。」
ケーニヒ「『クロライド』か…。お前らの国が、この国を乗っ取る…と?」
ヴァイツ「そうだ。ここのやつは皆殺しだよ。ただ…」
 ヴァイツは動きを止めたまま、シャリゼに視線を移した。
ヴァイツ「お前は生かしてもいいらしい。新しい国の王として迎えるらしい。どうだ?」
シャリゼ「あ?そんな口車にのるかよ!」
ヴァイツ「考えてもみろ。このまま俺と戦って、お前達が勝ったとしても、まだ反乱分子と『クロライド』の戦闘員は流れ込んでくる。そいつらと戦って死ぬか?まあ、誰かさんが黒炎で城を囲ってしまったから時間はかかるだろうが。よしんばお前が勝ったとしてもお前についてくる国民はいない。それならば、新体制になったあとの国王として迎えられる方がいいだろう?」
ハーン「シャリゼ!聞くな!」
シャリゼ「うるせぇ!兄貴ヅラするな!」
ヴァイツ「ほら、剣を向ける相手が違うだろ?王になる道はすぐそこだ。」
 ヴァイツが言い終えたとき、シャリゼはヴァイツから剣を離し、ケーニヒに斬りかかった。
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