6歳で死んでしまう少女は 精霊さんと共に生き延びる。

マキマキ

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雇われなかった人達

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奴隷さん達は、
解放され、仕事を斡旋された。

何人か仕事につけずに、
残っている。

身体に不調があったり、年齢がかなり歳であったり、犯罪歴があったり、職場で指導が困難だと思われた者だった。


もと侍女長だったアンナとその娘マイナ
犯罪歴になってた為と、娘は奇病

身体が大きく、凶悪な顔のジン

ヨボヨボで今にも倒れそうなおじいさんのチョウ

男を騙して詐欺を起こした妖艶な女性リアン

人と目を合わせず、不安そうな顔で耳を塞ぐ私と同じ位の女の子エイミー


仕事を見つけるって大変。
人と人との繋がりだから、平等でない。
平等にしようと法はあっても、自分のお金が絡んだ事業でしょ。
雇い主だって、出来るだけ意思疎通が楽で、自分の使い勝手が良く、信用できそうな人間を雇いたい。

雇って、将来的にどの程度稼げるか考えながら採用している。

残ってるこの人達は、働く気力もある。社会に貢献しようとする思いもある。

ポイントは安定性と将来性のリスクが大きい事だ。信頼性も社会的に低い。

でも、
雇ってみよう。

私の直感がそう言っているのだ。
雇うにあたって、お父様と一悶着あったが、

「そういえばお父様。お母様を殺して、私を殺しかけた使用人はお父様が雇い入れに許可したんですよね。」

と言うと黙った。
ーーーーーーーーーーーー

管理栄養士の時代も、色々あったな。
調理師を辞めさせろと言う、病院経営の幹部と闘ったこともあった。

前世厨房には、元料亭料理人の山さんがいた。彼の料理は一流だが、勝手に醤油の分量を変えようとしたり、調味料の配合を美味しく変えようとする人だった。

彼は自分で店を切り盛りしていたが、経営の悪化で店を閉めて、万年人手不足の病院の厨房にやって来た。

病院の料理としては、こんな食塩量や何が入っているか分からない食事は出せない。

彼とは毎日、調味料を入れる入れないで大げんか。

毎日そんな事をしていると、経営幹部から辞めさせろと言われる。

はぁ?!万年人手不足なのに辞めさせて、誰が来てくれる?!あんたが、穴を埋めてくれるんかい?!等と喧嘩する。

問題を解消できない場合は病院幹部は、委託給食に変えると言い張る。

それが目的だった。

病院としても人を雇い入れる動力が他の専門職に力を入れられる。人材に対する責任や管理が減る。献立も基準はこちらで作るが、委託業者が作るものになる。

こんな問題ばかり起こすようでは、委託にした方がいいと言うのだ。

そして、直営給食より委託給食の方がコストダウン出来るのだ。


私は、山さんを連れて病棟を歩き、説明して歩いた。

鯖アレルギーの子供の患者さん。鰹節の出汁だけで、アナフェラーキシーショックを起こし、呼吸困難になる。

腎臓病透析者。タンパク質制限、塩分制限。
状態が悪化するとどうなるか、パンパンに膨らんだ手が写る、酷い時のカルテ写真を見せる。

クローン病患者さん。腸内の炎症がひどく腸を刺激しない、負担をかけない料理がポイントになる。
そもそも、本人はかなり食べる事がしんどい事が多く、今は医療用のゼリーを食べており
、そろそろ食事を食べてみようかと話している最中だ。

そんな患者さんを一人一人山さんに紹介する。患者さんにも栄養課のメンバーだと、山さんを紹介しながら、NSTという栄養サポートチームで患者を一人一人見て病棟を回る際に後ろについて回ってもらった。

最後に私は
「貴方の、知識と技術にはとても期待しているの。

患者さんは、健常な人と比べると一般的な美味しさが毒になる時がある。

でも、美味しく食べて元気になって欲しい。

私には、美味しい料理の技術が欠けている。何度、不味いと言われたことか。
貴方の知識と技術をお借りしたい。」

と頭を下げた。

山さんは、
「必ずしも、美味しいことが人を喜ばせる事にはならない事を知りました。

今日、患者さんに
「あんたあの料亭の店主さんか。あそこの料理は美味かった。俺は美味しいものが生き甲斐でね。でも、俺は糖尿病と肝臓がイカれてしまってもう食べれんかもな。」と言われた。

俺は、前は大衆向けだったけど、今度は一人一人身体に合わせた料理を作れるように頑張ります。」

と言ってくれた。

その後、山さんは調理師として様々な提案をしてくれた。

この調味料は、あの患者さんに良いのではとか、新しい調味料や料理の提案をしてくれる。

現物を持って試食させてくれたり、計算しやすいように、レシピにグラム数を全部書いてくれている。

知るだけでなく、互いに理解する事が大切なんだと実感する。


食材にも隠し包丁を入れる事を提案してくれた。他の調理師さんは、嫌がった。

山さんは

「手間はかかるが、患者の●●さんは、隠し包丁と柔らかく煮た物ならまだ噛めるんだ。ここで俺たちが諦めたら、●●さんは、刻み食になる。確かに、時間的にも厳しい。なにか良い方法はあるか?」

皆、柔菜食と刻み食では見た目が大きく違う事を知っている。

皆んなで話し合い、最善の方法を考えてくれる。結局、どうにもならずに諦めた事もある。

隠し包丁の件は調理師さんの1人が100均で白髪ネギカッターでやれば行けると見つけてくれた。

白髪ネギカッターは以外に万能で、飾り切にも使えた。


その後、経営幹部から
「うちは、直営でまだ頑張ってみよう。
それから、NSTに調理師も正式に入ってもらおう。患者さんからお礼の言葉が来てるよ。」

と涙ぐみながら言ってくれた。
経営者も、頑張っているのだ。

限られた財源と、医療従事者人手不足。

何処の病院も食材価格が上がったり感染症が流行れば対策のために色々変えなくてはいけない。

ただでさえ、時間に追われている。人手も不足している。

それでも、自分や周囲の限界を見極めて諦めなきゃいけない時もある。


ふと、あの頃を思い出す。
いい人に巡り会えた事に感謝し、
もう戻れない事が悲しかった。
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