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皇后アナベル様
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フランが何処かに
慌てて走り去ってから
暫くすると
ドタドタと音がする。
バンっと引き戸が開けられると
「お義父様!帰りますよ!
毎回毎回徘徊して!他のオタクにご迷惑かけて!!もういい加減にしてください!ごめんなさいね!もう!」
その後ろに、フランが控えている。
この美しい、黒髪の女性が皇后様らしい。
私は、慌てて挨拶しようとすると、
上皇様は、
「嫌じゃー。嫌じゃー。ワシわ!ココにおるんじゃ!鬼じゃー!悪魔じゃ!はなせー!」
と駄々を捏ね始めた。
皇后様は、
「もういい加減にしてください!
私だって忙しいのよー!
もう限界よ!何で私が!何で私がこんな事を!
あの人は、いつも通りいいようにしてとか言って適当に投げてくる!
あんたの父親でしょ!何で私が!
どうしろって言うのよー!」
皇后様は、髪を振り乱して泣き出した。
私は皇后様の背中を
「失礼します」と言ってさすった。
そして、泣き止むまで暫くそうしていた。
皇后様が泣き止むと
「ごめんなさいね。貴方がマリーベルちゃんね。グレイからよく貴方の話を聞くわ。すぐお暇させていただくわね。」
そういうと、後ろに控える皇后様の騎士達は嫌がる上皇様を無理やり連れて帰ろうとした。
私は皇后様に
「あの。もしよければ、ここでお茶して行きませんか?こんなとこですが。上皇様も、まだいたいと言ってるようですし。」
と言うと皇后様は
「ご迷惑になるから。」
と頭を振る。
「迷惑では無いですよ。無理にとは言いません。」
嫌がる上皇様を見て、皇后様は侍女に何か話す。
「ごめんなさいね。会議も明日になったみたい。もしよろしければ、お言葉に甘えてお茶して帰っても良いかしら。」
と言った。
私は、喜んでオコタを勧めて、渋めのお茶とキッシュ、お団子やお菓子を皇后様に出す。
一緒に来ていた侍女さんや騎士さんたちも部屋に入って貰って、オコタを勧めたが断られた。
まあな。皇后様と上皇様が入ったオコタなんて恐れおおい。
それでも、寒そうなので
膝掛けとストーブの前に座布団を準備して、お茶や今日作ったお菓子や、その他のお茶菓子も出してあげた。
皇后様は、不思議そうな顔をしながらオコタに入ると、
「まあ、温かいわ!」
と目を丸くさせていた。
皇后様は、みたらし団子を見ると。
ハッとした顔をした。
私は
「上皇様と一緒に作ったんです。」
と言うと、
皇后様はエッという顔をした。
「コレをお義父様が?」
私はうなづく。
「そうだ!皆んなで一緒に作ったんだ!」
ポルカも言う。
「お義父様は、最近ボーとしている事が多いかと思うと、突然起こり出したり、徘徊しては、追い剥ぎに見ぐるみを剥がされて、溝の中でうずくまっている事もあったわ。
私の事も、「あんたは誰だったかのー」と言ったり。
「これは、どうやって着るんだったかな」と服さえも着れなくなってたの。
仕事も出来なくなってたから、驚いちゃって。」
と悲しそうな顔をした。
上皇様は、オコタが気持ちいいのか
うっつら、うっつらとして眠そうだ。
フランがブランケットをかけてあげていた。
恐らく、痴呆症かなにかだろう。
私は皇后様に提案してみる。
「もし宜しければ、上皇様が此方に来たい時は、いつでもいらしてください。私たちも、遊んでもらって楽しいですし。」
そして、複数の提案をした。
行かれない時は、
とりあえず、無理やり止めずに
馬車に乗って待ってもらうようにした。
そして、
「今日は夜遅いから明日にしよう」と伝え無理やり連れ帰らない方法を取ることにした。
実は、お年寄りの徘徊の恐ろしい所は、行方不明になる事だ。
彼らは、よく生まれ育った実家に帰ろうとする。
「帰らなきゃ。行かなきゃ。」と言う言葉を聞いた事が無いだろうか?
大抵、彼らの記憶に残る道とは全く変わってしまっていたり、既に帰りたいお家は無かったりする。
道に迷うのだ。
私が実習で行った介護施設は、徘徊しようとするお年寄りを無理に連れ帰らない方法をとっていた。
後ろにずっと雨だろうが夜だろうが付いて行く。そして、暫くして、
「●●さん。今日はもう疲れたでしょ。明日にしましょ。」
「もう暗くなったから、あの建物で休みましょうか。」
などと落ち着いた声で言うことになっていた。
施設長は言っていた。
自分にとって、家だと思っている場所、心の拠り所になっている安心できる場所に帰りたいと思っているのに、帰れないのはどれだけ辛いだろうかと。
そして、定期的に
8時 10時 12時 15時
18時 20時
大体2から3時間おきにお茶など水分を必ず取ってもらうようにした。
無理やりではなく、飲んでもらうよう促すだけだ。
実は、水分の摂取を増やすと症状が良くなる事がある。
歳をとると、おトイレが近くなったり、尿漏れを嫌がり水分摂取を減らす人も多く、摂取量自体が減っている事も多いのが現状だ。
此方に来た時は、上皇様の従事者さんや騎士さん、侍女さんも
お茶、ジュース、コーヒーなど自由に飲めるようにした。
雰囲気作りも大切だ。
皇后様が時間がある時は、上皇様と一緒に遊びに来てくれた。
慌てて走り去ってから
暫くすると
ドタドタと音がする。
バンっと引き戸が開けられると
「お義父様!帰りますよ!
毎回毎回徘徊して!他のオタクにご迷惑かけて!!もういい加減にしてください!ごめんなさいね!もう!」
その後ろに、フランが控えている。
この美しい、黒髪の女性が皇后様らしい。
私は、慌てて挨拶しようとすると、
上皇様は、
「嫌じゃー。嫌じゃー。ワシわ!ココにおるんじゃ!鬼じゃー!悪魔じゃ!はなせー!」
と駄々を捏ね始めた。
皇后様は、
「もういい加減にしてください!
私だって忙しいのよー!
もう限界よ!何で私が!何で私がこんな事を!
あの人は、いつも通りいいようにしてとか言って適当に投げてくる!
あんたの父親でしょ!何で私が!
どうしろって言うのよー!」
皇后様は、髪を振り乱して泣き出した。
私は皇后様の背中を
「失礼します」と言ってさすった。
そして、泣き止むまで暫くそうしていた。
皇后様が泣き止むと
「ごめんなさいね。貴方がマリーベルちゃんね。グレイからよく貴方の話を聞くわ。すぐお暇させていただくわね。」
そういうと、後ろに控える皇后様の騎士達は嫌がる上皇様を無理やり連れて帰ろうとした。
私は皇后様に
「あの。もしよければ、ここでお茶して行きませんか?こんなとこですが。上皇様も、まだいたいと言ってるようですし。」
と言うと皇后様は
「ご迷惑になるから。」
と頭を振る。
「迷惑では無いですよ。無理にとは言いません。」
嫌がる上皇様を見て、皇后様は侍女に何か話す。
「ごめんなさいね。会議も明日になったみたい。もしよろしければ、お言葉に甘えてお茶して帰っても良いかしら。」
と言った。
私は、喜んでオコタを勧めて、渋めのお茶とキッシュ、お団子やお菓子を皇后様に出す。
一緒に来ていた侍女さんや騎士さんたちも部屋に入って貰って、オコタを勧めたが断られた。
まあな。皇后様と上皇様が入ったオコタなんて恐れおおい。
それでも、寒そうなので
膝掛けとストーブの前に座布団を準備して、お茶や今日作ったお菓子や、その他のお茶菓子も出してあげた。
皇后様は、不思議そうな顔をしながらオコタに入ると、
「まあ、温かいわ!」
と目を丸くさせていた。
皇后様は、みたらし団子を見ると。
ハッとした顔をした。
私は
「上皇様と一緒に作ったんです。」
と言うと、
皇后様はエッという顔をした。
「コレをお義父様が?」
私はうなづく。
「そうだ!皆んなで一緒に作ったんだ!」
ポルカも言う。
「お義父様は、最近ボーとしている事が多いかと思うと、突然起こり出したり、徘徊しては、追い剥ぎに見ぐるみを剥がされて、溝の中でうずくまっている事もあったわ。
私の事も、「あんたは誰だったかのー」と言ったり。
「これは、どうやって着るんだったかな」と服さえも着れなくなってたの。
仕事も出来なくなってたから、驚いちゃって。」
と悲しそうな顔をした。
上皇様は、オコタが気持ちいいのか
うっつら、うっつらとして眠そうだ。
フランがブランケットをかけてあげていた。
恐らく、痴呆症かなにかだろう。
私は皇后様に提案してみる。
「もし宜しければ、上皇様が此方に来たい時は、いつでもいらしてください。私たちも、遊んでもらって楽しいですし。」
そして、複数の提案をした。
行かれない時は、
とりあえず、無理やり止めずに
馬車に乗って待ってもらうようにした。
そして、
「今日は夜遅いから明日にしよう」と伝え無理やり連れ帰らない方法を取ることにした。
実は、お年寄りの徘徊の恐ろしい所は、行方不明になる事だ。
彼らは、よく生まれ育った実家に帰ろうとする。
「帰らなきゃ。行かなきゃ。」と言う言葉を聞いた事が無いだろうか?
大抵、彼らの記憶に残る道とは全く変わってしまっていたり、既に帰りたいお家は無かったりする。
道に迷うのだ。
私が実習で行った介護施設は、徘徊しようとするお年寄りを無理に連れ帰らない方法をとっていた。
後ろにずっと雨だろうが夜だろうが付いて行く。そして、暫くして、
「●●さん。今日はもう疲れたでしょ。明日にしましょ。」
「もう暗くなったから、あの建物で休みましょうか。」
などと落ち着いた声で言うことになっていた。
施設長は言っていた。
自分にとって、家だと思っている場所、心の拠り所になっている安心できる場所に帰りたいと思っているのに、帰れないのはどれだけ辛いだろうかと。
そして、定期的に
8時 10時 12時 15時
18時 20時
大体2から3時間おきにお茶など水分を必ず取ってもらうようにした。
無理やりではなく、飲んでもらうよう促すだけだ。
実は、水分の摂取を増やすと症状が良くなる事がある。
歳をとると、おトイレが近くなったり、尿漏れを嫌がり水分摂取を減らす人も多く、摂取量自体が減っている事も多いのが現状だ。
此方に来た時は、上皇様の従事者さんや騎士さん、侍女さんも
お茶、ジュース、コーヒーなど自由に飲めるようにした。
雰囲気作りも大切だ。
皇后様が時間がある時は、上皇様と一緒に遊びに来てくれた。
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