俺の職業、「剣」闘士じゃなくて「拳」闘士!? ~誤字ってて気付かなかったけど、剣で最弱だった俺が拳では最強だった件~

白野ケイ

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戦士:秋宮魁斗

新たな闘い

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遠くからはアレクの姿が見えず、大きな炎があるようにしか見えない。
その炎が、一瞬で魔獣の顔面まで浮き上がる。

脳天から真っ二つになった魔獣は、左右に崩れ落ち灰になった。
炎も空中で消え、アレクも地面に叩きつけられた。

「アレクさん!」

ウーラも含め、アレクの下へ駆け寄っていく。
微動だにしないアレクを心配し、アイネが慌てて回復魔法を唱えた。
体中に広がる傷を見て、更に心配が募る。

「ぐ~」

周りの緊張感とは裏腹に、拍子抜けする音がアレクの顔付近から聞こえた。

「そうだった、こいつ疲れ果てるとすぐ寝るんだよな。」

ウーラがあきれて言う。
良かった.. 涼しい顔で寝ているようだ。

ちょうどその時、全員の周りを光がまとい始めた。転移魔法:トラスフェントが解除されるようだ。

―――

視界がクリアになると、再びルデビト城にいた。
目の前には初めて見る老人がいた。
王冠を被った50代ほどの髭をはやした男。圧倒的な存在感を放っている。

「よく戻ったな兵士たちよ。私に会うのは初めてだな。この国の王、ルービット・オズだ。」

ここまでの存在感に納得した。王に初めて会うが、やはり風格が違う。内閣総理大臣とは立ち位置とか違うのかな。

アレクが目を覚ました後、上位魔獣のことや魔獣のレベルが上がっていることを王に話した。

数日後。

再び全員が城に集められた。

「集まってくれたこと、感謝する。今回話があってな。」

ルービット王が前に出て、話し始めた。

「今回、初遠征で上位魔獣に遭遇するというのは初めてのことだ。ここまで危険な敵地に全ての新人兵を送るのは危険と判断した。そこで、1軍と2軍に分け危険な任務は1軍に任せることにした。」

唐突な1軍2軍発言に全員が困惑する。

「軍はどう振り分けるんですか?」

エヴァが手を挙げて聞いた。

「その質問はもっともだ。当然危険な任務なのだから、強者が1軍になる。今回、鍛錬も合わせて新人兵でトーナメントをおこなってもらう。そこで力を示せ。」

「トーナメント?」

頭に?が浮かんだ。
今回の合格者同士で戦うってことか?

「己1人で行う鍛錬も無論必要だが、対生物の鍛錬も怠ってはならん。トーナメントで強さを示した者を1軍とする。すでに組み合わせはできておる。」

男が大きな紙を持ってくる。
試験を思い出すなぁ。

そこに書かれていた組み合わせ。

最終戦に刻まれている秋宮魁斗の文字。
対戦相手は..

「トーナメント開催は来週だ!以上!」

アルフレッドじゃねぇか..
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