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始まったはずの何かと現実の
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「……やっぱり怖い?」
どういえばいいか分からなくて沈黙していると、そう尋ねられたので慌てて首を振り否定します。
ただ、ずっとシナリオの通り進んでいると思っていたから。
わたくしが何をしても結局は変えられていないと思っていたから。
――わたくしが、ずっとお義兄さまを好きだったから。
こんな状況は想定していませんでした。
「いつ……から……」
嬉しさやら恥ずかしさやらいろいろぐちゃぐちゃで正直居たたまれないですけど、それでもそこは聞いておかなければなりません。
だって、これすらシナリオの一部である可能性があるのですから。
ゲームでヒロインがルーク様以外を選んだとしても、表には出てこないだけでルーク様の人生は続いていたはず。
はっきり設定されていたかどうかは分かりませんが何らかの理由で悪役令嬢と婚約する未来も想定されていたかもしれないのです。
もしヒロインが幼なじみを選んだ時点でそちらに誘導されるような仕組みになっていたのなら。
それはお義兄さまの本心と言えるでしょうか?
疑い続けてもキリはないけれど。
ごく短い、たとえば『後のひめごと』に入るくらいの期間で醒めるような気持ちならつけ込むわけにはいかないでしょう?
ですから、ここ半年くらいの話なら様子を見るにとどめた方がよいでしょう。
どういえばいいか分からなくて沈黙していると、そう尋ねられたので慌てて首を振り否定します。
ただ、ずっとシナリオの通り進んでいると思っていたから。
わたくしが何をしても結局は変えられていないと思っていたから。
――わたくしが、ずっとお義兄さまを好きだったから。
こんな状況は想定していませんでした。
「いつ……から……」
嬉しさやら恥ずかしさやらいろいろぐちゃぐちゃで正直居たたまれないですけど、それでもそこは聞いておかなければなりません。
だって、これすらシナリオの一部である可能性があるのですから。
ゲームでヒロインがルーク様以外を選んだとしても、表には出てこないだけでルーク様の人生は続いていたはず。
はっきり設定されていたかどうかは分かりませんが何らかの理由で悪役令嬢と婚約する未来も想定されていたかもしれないのです。
もしヒロインが幼なじみを選んだ時点でそちらに誘導されるような仕組みになっていたのなら。
それはお義兄さまの本心と言えるでしょうか?
疑い続けてもキリはないけれど。
ごく短い、たとえば『後のひめごと』に入るくらいの期間で醒めるような気持ちならつけ込むわけにはいかないでしょう?
ですから、ここ半年くらいの話なら様子を見るにとどめた方がよいでしょう。
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