3 / 4
-3-
しおりを挟む
そのように混乱した状況ではどこかが甘くなってもしょうがないでしょう? 特にこちらは敵対している訳ではありませんし……他にも漏れていましたけれど。
それに治療法探し・婿捜しの範囲は広いようですから、何もかも隠しては難しいですもの。
その辺りを適当に説明します。
「……それが分かっているならわたしと結婚する利点がないことも分かっているだろう?」
確かにお義姉さまの夫には存在を煙たがられるでしょうから、居心地が悪いでしょうし。
「そういう考えもありますわね」
客観的には苦労するだけでしょうね。……お義姉さまはおやさしそうですけれど、どう染まるかはまだ分かりませんし。
「確かに婚約破棄をふっかけたのは悪かったと思っている。だが、早々に未亡人になるよりはまだいいだろう!?」
お飾りと言われた以上子を為すことも……おそらく出来ないでしょうからいずれは子に家を継がせてとはいきませんし、将来の保証もないでしょう。不妊は女性の責任にされやすいことですし。
場合によっては追い出される可能性もあります。
出戻りと婚約破棄、どちらがましかは事情と状況と考え方にもよるでしょうけれど。
物事が進んでからの方が取り消しはよりしづらいと言いますわね。
「そういう考えもありますわね」
同じ言葉を返す。
「それでもいやならそちらから破棄でもいいし、解消でもいい。政略結婚の利点はないんだ。だから……」
「確かにわたくしどもの結婚は契約でなされるべきなのでしょうね」
わたくし達が今の立場にいられるのはそれでもかかしよりましな目印になると思われているからですもの。その役目を継続しないというなら暗黙のとはいえそれこそ契約違反です。わたくしは家を継ぐわけではありませんが。
「ですからいい加減な気持ちで恋はいたしません」
本当に政略だけでしたら病気と分かって公表されていない時点で父に報告して然るべき行動を取りますわ。
「それが罪だというならわたくしが背負います。祝福も赦しも要りません」
「こ……いやだから」
もしかしてわたくしが恋い焦がれていることをご存じなかったのかしら?
行動に移すことが足りなかったからそんな誤解をされてこんなことになっているのかしら?
「た、たとえばわたしが死んだら追い出される可能性が――」
「そうなったら修道院に参りますわ」
出来るならば縁の場所で弔いたいとは思いますけど。
「婚約破棄をされても向かいますから今行くか将来行くかの違いだけです」
今更他の方に嫁ぐつもりはありませんもの。
「だが、それでは君の幸せが……」
「願って下さいますの?」
完全な一方通行ではなくて良かったですわ。さすがに何もかもを嫌がられてまで傍にいるのは辛いですもの。
「君が不幸になるのを見たくない」
「あなたがいる限り幸せですから見ることはありませんわ」
さすがのわたくしも何十年も後まで同じ気持ちで居られると思うほどお花畑ではないですけれど、そんな先の心配が出来るならそれはそれで幸せと今は思いますもの。
それに治療法探し・婿捜しの範囲は広いようですから、何もかも隠しては難しいですもの。
その辺りを適当に説明します。
「……それが分かっているならわたしと結婚する利点がないことも分かっているだろう?」
確かにお義姉さまの夫には存在を煙たがられるでしょうから、居心地が悪いでしょうし。
「そういう考えもありますわね」
客観的には苦労するだけでしょうね。……お義姉さまはおやさしそうですけれど、どう染まるかはまだ分かりませんし。
「確かに婚約破棄をふっかけたのは悪かったと思っている。だが、早々に未亡人になるよりはまだいいだろう!?」
お飾りと言われた以上子を為すことも……おそらく出来ないでしょうからいずれは子に家を継がせてとはいきませんし、将来の保証もないでしょう。不妊は女性の責任にされやすいことですし。
場合によっては追い出される可能性もあります。
出戻りと婚約破棄、どちらがましかは事情と状況と考え方にもよるでしょうけれど。
物事が進んでからの方が取り消しはよりしづらいと言いますわね。
「そういう考えもありますわね」
同じ言葉を返す。
「それでもいやならそちらから破棄でもいいし、解消でもいい。政略結婚の利点はないんだ。だから……」
「確かにわたくしどもの結婚は契約でなされるべきなのでしょうね」
わたくし達が今の立場にいられるのはそれでもかかしよりましな目印になると思われているからですもの。その役目を継続しないというなら暗黙のとはいえそれこそ契約違反です。わたくしは家を継ぐわけではありませんが。
「ですからいい加減な気持ちで恋はいたしません」
本当に政略だけでしたら病気と分かって公表されていない時点で父に報告して然るべき行動を取りますわ。
「それが罪だというならわたくしが背負います。祝福も赦しも要りません」
「こ……いやだから」
もしかしてわたくしが恋い焦がれていることをご存じなかったのかしら?
行動に移すことが足りなかったからそんな誤解をされてこんなことになっているのかしら?
「た、たとえばわたしが死んだら追い出される可能性が――」
「そうなったら修道院に参りますわ」
出来るならば縁の場所で弔いたいとは思いますけど。
「婚約破棄をされても向かいますから今行くか将来行くかの違いだけです」
今更他の方に嫁ぐつもりはありませんもの。
「だが、それでは君の幸せが……」
「願って下さいますの?」
完全な一方通行ではなくて良かったですわ。さすがに何もかもを嫌がられてまで傍にいるのは辛いですもの。
「君が不幸になるのを見たくない」
「あなたがいる限り幸せですから見ることはありませんわ」
さすがのわたくしも何十年も後まで同じ気持ちで居られると思うほどお花畑ではないですけれど、そんな先の心配が出来るならそれはそれで幸せと今は思いますもの。
247
あなたにおすすめの小説
僕の我儘で傲慢な婚約者
雨野千潤
恋愛
僕の婚約者は我儘で傲慢だ。
一日に一度は「わたくしに五分…いいえ三分でいいから時間を頂戴」と僕の執務室に乗り込んでくる。
大事な話かと思えばどうでも良さそうなくだらない話。
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
婚約破棄をしたいそうですが、却下します
神々廻
恋愛
私は公爵令嬢で一人娘。跡取りは私だけですので婿を貰わ無ければなりません。ですので、私のお母様の親友の伯爵夫人の息子と幼い時に婚約を結びました。
ですけれど、婚約者殿は私の事がお嫌いな様でドタキャンしたり、仮病を使ったりと私の事がお嫌いなご様子。
14歳で貴族の学校に通うことになりましたが婚約者殿は私と話して下さらない。
挙句の果てには婚約破棄を望まれるし.......
私は悲しいです
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
それは立派な『不正行為』だ!
柊
恋愛
宮廷治癒師を目指すオリビア・ガーディナー。宮廷騎士団を目指す幼馴染ノエル・スコフィールドと試験前に少々ナーバスな気分になっていたところに、男たちに囲まれたエミリー・ハイドがやってくる。多人数をあっという間に治す治癒能力を持っている彼女を男たちは褒めたたえるが、オリビアは複雑な気分で……。
※小説家になろう、pixiv、カクヨムにも同じものを投稿しています。
婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる