BL小説家ですが、ライバル視している私小説家に迫られています

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BL小説家ですが、ライバル視している私小説家に迫られています4

 食事は普通に自分で食べる倍くらいの時間を要した。どうにか食べ終えるとお茶を飲ませてもらった。歯磨きも、穂積にしてもらった。
 そして、次は風呂だ。

「体も全部俺が洗ってあげますから、任せてくださいね」
「……」

 自分では体を洗えないので、これも穂積にしてもらうことになるのだが。
 不安なのか期待なのかよくわからない感情が渦を巻き、緊張で動悸が激しい。顔が熱くてしかたがないし穂積の顔を見れない。

「久見さん、ギプスは外して入ります?」
「そう、だな」

 包帯を外し、簡易ギプスと湿布を外してもらう。Tシャツもできるだけ肘を動かさないように脱がしてもらった。ズボンもパンツも靴下も、すべて脱がされると、穂積も全裸になって一緒に浴室へ入った。
 ギプスがないと、腕をほんの少し動かすのも痛そうで怖い。肘を直角に保つよう、両肘を両手で抱えるようにして固定する。
 穂積が買ってきた風呂用介護椅子は背もたれや肘掛けのない、座面だけのタイプだった。そこにすわるよう促され、髪を洗われる。
 湯加減はどうですかだの痒いところはないですかだの、まるで散髪屋のようだった。穂積の指の力加減も心地よく、緊張が少しだけ解れた。
 頭を洗い終えると立ち上がるように指示され、背後に穂積が立った。目の前には下半身まで映る鏡。少し解れたはずの緊張が再び押し寄せる。
 彼は泡タイプのボディソープを手のひらにたっぷり乗せると、首から腕にかけて丁寧に撫でていく。それから背中も泡を広げると体を密着させてきた。
 そして両手で胸に泡を広げる。優しく全体を撫でさすられ、乳首を摘ままれた。

「ん……っ」

 思わず肩を揺らし、声を漏らしてしまった。
 背後で穂積がにやけた気配を感じた。
 両方の乳首を押し潰され、捏ねまわされる。

「……久見さん、乳首好きですよね」
「べつに……っ」
「そう? でも、この前舐めたときも感じてましたよね。よく覚えてますよ。乳首で感じてる久見さん、可愛いなあって思って」

 この前とは、この家に泊まったときのことか。たしかに舐められた。風呂上がりにセックスまがいのことをして……と思いだしたら、身体の熱が上がった。

「ほら、もう、ちょっと弄っただけなのにコリコリになってる」
「ん、ぁ」

 尖って硬くなってしまった先端を爪の先でカリッと弄られ、身体が勝手に反応する。

「ぁ、っ、そこは、もういいから……っ」
「よくないですよ。よく洗わないと。それに、あとで自分で弄りたくなっても、弄れないんだから。俺がじっくり弄っておきます」
「なに、言って…、んっ」

 乳首の刺激に、体がもじもじしてしまう。背中には厚い胸板が密着していて、身じろぎするたびにぬるぬると擦れ、意識してしまう。湯気の中でも曇らない鏡に目を向けると、穂積に見つめられていた。欲に満ちた獣のようなまなざし。ぞくりと腰に震えが走った。
 私も真っ赤な顔に目を潤ませて、いやらしい顔をしている。乳首を弄られているだけだというのに、中心は緩く勃ちあがっている。

「ん……ふ…っ」

 宣言通りじっくり乳首を弄られ、より一層震えた声を上げると、ようやく解放された。彼の両手は腹を撫でまわし、尻を揉み、内股を擦る。それから袋と中心を握った。
 やんわりと刺激され、腰が揺れてしまう。
 風呂に入る時点で、これを覚悟していたし、期待していた。だからほんの数回、軽く扱かれただけでそこはたちまち硬くなってしまった。
 腰には俺と同じほどに昂っている穂積のものが当たっている。耳元にかかる吐息が熱い。

「あ……ぁ……、穂積く、ん……っ」

 呼吸を乱し、甘えた声で名を呼ぶと、刺激する手が止まった。

「一緒にしましょうか…」

 穂積がいったん身を離し、介護椅子に座った。そしてその上に跨ぐように対面で座らされる。私の腕は、肘を抱えて輪になっている状態で、そのまま穂積の頭からスポッと通して首にかけた。私の胸と彼の顔がつくほど近い。
 シャワーの湯は流したままで、私の腰の辺りにかかっている。

「動きにくくないか?」
「最高です」

 穂積の手が互いの猛りを一緒に握り、ゆるゆると動かしはじめた。
 彼の硬い猛りが、ゴツゴツと私のものと擦れる。節ばった大きな手に包まれているのも気持ちがいい。
 甘い快感が腰に満ち、気持ちよくてたまらなくなる。腰を揺らして夢中で快感を追っていると、腰を支えていた彼の片手がするりと尻を撫で、後ろのすぼまりに触れてきた。ハッと息を呑んだ。

「っ、え、ちょ」
「ここも綺麗にしないと」

 指先が入り口の表面を撫でる。その感触に私は焦った。

「ま、待て。穂積くん…っ」
「綺麗にするだけですよ」
「い、挿れるなよ……?」
「大丈夫。あなたが怪我しているあいだは、無理はしません。俺のはまだ挿れません。指で、中を綺麗にするだけです。洗うの、俺に任せてくれるんでしょう?」
「いや。中を洗う必要はないだろう…っ?」

 顔を強張らせる私に、穂積は欲を滲ませながらも優しげに笑う。

「あー、久見さんは中まで洗わない派ですか? 体の洗い方って各家庭の食文化と同じで、癖とか習慣とか、人によっていろいろありますよね」
「いや待て。中まで洗うことがさも普通のような言い方をするな。丸め込もうとするな……っ」
「大丈夫ですって。もっと気持ちよくするだけだから」

 表面をなぞっていた指先が、ぬぷりと中に入ってきた。

「あ、あ……っ」
「大丈夫。最初は違和感あるけど、すぐ慣れます」

 指は第一関節ほど入ってきて動きを止めた。萎えかけた中心を握る手が動きを速め、意識をそちらへ向かわせる。すぐに快感が戻ってきた。
 そうしながら穂積が背を丸め、私の乳首を口に含む。チュクチュクと音を立てて舐めて、甘噛みし、吸いつかれる。

「は、あ、ぁ……っ」

 快感にぼんやりしはじめたところ、後ろに入れられた指が動きはじめた。慎重に、グニグニと蠢きながら中へと進んでくる。痛みはないが、違和感がすごい。しかし挿れられた直後ほどの違和感はなくなっているかもしれない。
 やがて指が腹側の粘膜を擦りはじめた。
 やばい。そこか。
 私はうろたえた。
 散々小説で書いてきたが、実際に経験したことのない場所。
 そんなことあるかと半信半疑に思っていたが、そこを擦られると、確かに体が熱くなり、快感が滲み出てくるようだった。

「ぁ……は、あ……」

 もっと快感を得たくて、尻から力が抜ける。すると差し込まれる指が二本に増えた。二本の指はまとまって奥まで入っていった。尻にあたる手の感じから、付け根まで挿れられたようだ。それはゆっくりと引いていき、すべて抜ける前にまた奥へと挿れられる。
 ゆっくりとした抜き差しは次第に速度を速め、前立腺を何度も擦っていく。
 ずちゅ。
 ぐちゅ。
 穿たれるたびに、卑猥な水音がそこから溢れる。快感が増し、喘ぎ声を止められなくなる。

「ん、あ、あ、っ……はあ…っ」
「気持ちいい?」
「ん…っ、いい……っ、あ、あっ」

 中を貫く指の動きは、セックスの動きを想像させるものだった。私のそこを穂積の猛りが貫いたとき、こうして動くのだと教え込もうとしている動き。

「俺のはもっと気持ちいいですよ……怪我が治ったらね…」

 色っぽく囁かれ、前からも後ろからも快感を送られる。極めつけに乳首をきつく吸われ、その刺激で限界を超えた。

「あ……もう、イ…っ」
「俺も…っ」
「――っ」

 穂積の手の中に欲望を吐きだすと、肩で息をして放心する。遅れて穂積も吐精した。

「久見さん……」

 顔を寄せられ、自然と唇を重ねた。大きく息をついていたから唇は開いていて、その隙間に彼の舌が入り込んできた。
 口内を舐められ、舌を甘く吸われる。穂積とは何度かキスをしてきたが、舌を深く絡めるようなものは、これが初めてだった。
 気持ちいいキスだった。
 
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