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04 日常②
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私は無言のまま、豹変した彼女を冷静に見ていた。
このように怒鳴られることはこれまでに何度も何度もあったことなので、特に取り乱したりもしない。
両親が亡くなってしまい、唯一正当な継承権を持つ私の後見人として、数少ない近い肉親である叔父夫婦はオブライエン侯爵家へとやって来た。
その時、幼かった私には、そんな彼らを追い出すことが出来なかったし、彼が祖父の息子であることは間違いなので、親戚たちも口を出せなかった。
ジョス叔父様はお祖父様の私生児で、侯爵位の継承権は持たない。
正当継承件を持つ直系の私が居なくなってしまえば、オブライエン侯爵家は断絶する。国王陛下より与えられた爵位の条件が記された勅許状には、そう書かれているからだ。
ついこの前に社交界デビューをした私は、貴族社会で成人として認められた。あとは相応しい身分の結婚相手さえ見つかれば、叔父夫婦をこの邸から追い出すつもりだった。
そうよ……そのつもりだった、けれど。
「あの……叔母様。このお話はまた次の機会にさせてください。私は今日は疲れているので……」
それは嘘ではない。今日は本当に、色々なことがありすぎた。心の許容量一杯だった私は、小さな声で挨拶をしてから階段を上がりかけた。
「……ふん。うちのドナルドと、結婚するしかないのにさ」
吐き捨てられた言葉に私は何も言わずに、足を動かして階段を上った。
……別に驚くこともない。これが私の日常。
未来に絶望しないためには、彼らの言葉に無闇に心を動かさないようにするしかない。
社交界デビューする年齢を迎え王家への拝謁を済ませ、貴族社会での成人として認められた私は、法定相続人としての条件をようやく満たすことが出来た。
後は結婚相手さえ決まれば、終わりのない悪夢のようなこの生活から……抜け出すことが出来るのに。
このように怒鳴られることはこれまでに何度も何度もあったことなので、特に取り乱したりもしない。
両親が亡くなってしまい、唯一正当な継承権を持つ私の後見人として、数少ない近い肉親である叔父夫婦はオブライエン侯爵家へとやって来た。
その時、幼かった私には、そんな彼らを追い出すことが出来なかったし、彼が祖父の息子であることは間違いなので、親戚たちも口を出せなかった。
ジョス叔父様はお祖父様の私生児で、侯爵位の継承権は持たない。
正当継承件を持つ直系の私が居なくなってしまえば、オブライエン侯爵家は断絶する。国王陛下より与えられた爵位の条件が記された勅許状には、そう書かれているからだ。
ついこの前に社交界デビューをした私は、貴族社会で成人として認められた。あとは相応しい身分の結婚相手さえ見つかれば、叔父夫婦をこの邸から追い出すつもりだった。
そうよ……そのつもりだった、けれど。
「あの……叔母様。このお話はまた次の機会にさせてください。私は今日は疲れているので……」
それは嘘ではない。今日は本当に、色々なことがありすぎた。心の許容量一杯だった私は、小さな声で挨拶をしてから階段を上がりかけた。
「……ふん。うちのドナルドと、結婚するしかないのにさ」
吐き捨てられた言葉に私は何も言わずに、足を動かして階段を上った。
……別に驚くこともない。これが私の日常。
未来に絶望しないためには、彼らの言葉に無闇に心を動かさないようにするしかない。
社交界デビューする年齢を迎え王家への拝謁を済ませ、貴族社会での成人として認められた私は、法定相続人としての条件をようやく満たすことが出来た。
後は結婚相手さえ決まれば、終わりのない悪夢のようなこの生活から……抜け出すことが出来るのに。
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