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13 ダンスの誘い②
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あの時、クラウディアは私とイーサンが一緒に居るところを見ていたと思う。けれど、私のことを睨んでいた。まるで、憎んでいるように激しい眼差しで。
彼女を傷つけるための行為をしたという誤解ならば、それは既に解けているはずだ。
……いいえ。そもそも、クラウディアは誤解なんて、していなかったのかもしれないと思う。
私がオルランド様に気に入られたことが、それがすべての彼女の憎しみの元凶であるならば、それはもう……解決することは、困難だと思う。
悲しいけれど、彼女とはこれまでの仲に終わってしまうだろう。
「……レティシア嬢」
一瞬、聞き間違いかと思った。私はイーサンと視線を合わせていて、彼の唇は動いていなかったから。
けれど、向かい合っていたイーサンの視線は、私の背後の人物へと移動していた。だから、これは聞き間違いでもなんでもない。
そこに、誰かが居るのだ。
「え……?」
戸惑いながらも私が振り返れば、そこにはオルランド様が居た。
彼は黒色の髪と青い瞳を持ち、爽やかで整った顔には優しそうな笑み。第三王子ではあるけれど、軍属に居て鍛えられた長身で、今は婚約者は居ず、彼の妃の座を狙う貴族令嬢は多い……そんな人。
だから、私本人だって、不思議だった。こんな人が、得る物の少ない私へと、声を掛けてくるなんて。
ひと目見れば、彼が王族であるということは、誰しも理解出来る。
特別の装いである赤いマントは金糸で豪華に紋章が刺繍され、オルランド様が王族の一人であることを示しているからだ。
「レティシア嬢……もし、良かったら、踊って貰えますか」
そう言って彼が手を差し出したので、私はここでどうすべきか困った。
だって、イーサンのおかげで、ようやく奇異の目に晒されることもなくなってきたというのに……けれど、王族からのダンスの誘いを断ることなんて、出来るはずもない。
どうしよう。
「申し訳ありません。レティシア様は先ほど……足を痛められたのです。ですので、殿下とのダンスは難しいかと」
私が返事に困っていると思ったのか、イーサンが代わりに答えてくれた。
「……君は?」
「私はイーサン・アイズナー。ゴールセン王に仕えております」
まあ、イーサンは……隣国ゴールセン王国の国王に仕える騎士の一人だったのね。
私には必要ないことと、彼ら三人が何処からやって来たのか、これまでずっと聞いていなかった。ゴールセン王国は、非常に強力な武力を持つ大国なのだ。
彼らが存在することによって、周辺国の治安は保たれている。そんな中でも、イーサンはゴールセン王から特別扱いを受けているのね。
「ああ。君はゴールセンの騎士なのか。レティシア嬢とは……どういった関係なのだろうか? 出来れば、僕は彼女と話したいのだが」
ここで私は、心配そうに視線を送るイーサンに頷いた。私の今後を考えて、ここで自分が勝手なことは言えないと思って居るのよね。
……優しい人。
「……オルランド殿下。ごきげんよう。素敵な夜ですね。こちらのイーサンは私の知り合いで、社交界デビュー直後で不安なので、今夜はエスコートをお願いしておりました。彼が言った言葉は本当です。先ほど踊っている時に、足を痛めてしまって……せっかくのお誘いをお受けできず、申し訳ございません」
「そうか。ならば、君とのダンスは諦めよう……少し、ここで話をしても?」
オルランド様がわざわざ会話の許可を口にし、それを断ることなんて許されない私はイーサンと一度目を合わせてから、無言のままで頷いた。
彼女を傷つけるための行為をしたという誤解ならば、それは既に解けているはずだ。
……いいえ。そもそも、クラウディアは誤解なんて、していなかったのかもしれないと思う。
私がオルランド様に気に入られたことが、それがすべての彼女の憎しみの元凶であるならば、それはもう……解決することは、困難だと思う。
悲しいけれど、彼女とはこれまでの仲に終わってしまうだろう。
「……レティシア嬢」
一瞬、聞き間違いかと思った。私はイーサンと視線を合わせていて、彼の唇は動いていなかったから。
けれど、向かい合っていたイーサンの視線は、私の背後の人物へと移動していた。だから、これは聞き間違いでもなんでもない。
そこに、誰かが居るのだ。
「え……?」
戸惑いながらも私が振り返れば、そこにはオルランド様が居た。
彼は黒色の髪と青い瞳を持ち、爽やかで整った顔には優しそうな笑み。第三王子ではあるけれど、軍属に居て鍛えられた長身で、今は婚約者は居ず、彼の妃の座を狙う貴族令嬢は多い……そんな人。
だから、私本人だって、不思議だった。こんな人が、得る物の少ない私へと、声を掛けてくるなんて。
ひと目見れば、彼が王族であるということは、誰しも理解出来る。
特別の装いである赤いマントは金糸で豪華に紋章が刺繍され、オルランド様が王族の一人であることを示しているからだ。
「レティシア嬢……もし、良かったら、踊って貰えますか」
そう言って彼が手を差し出したので、私はここでどうすべきか困った。
だって、イーサンのおかげで、ようやく奇異の目に晒されることもなくなってきたというのに……けれど、王族からのダンスの誘いを断ることなんて、出来るはずもない。
どうしよう。
「申し訳ありません。レティシア様は先ほど……足を痛められたのです。ですので、殿下とのダンスは難しいかと」
私が返事に困っていると思ったのか、イーサンが代わりに答えてくれた。
「……君は?」
「私はイーサン・アイズナー。ゴールセン王に仕えております」
まあ、イーサンは……隣国ゴールセン王国の国王に仕える騎士の一人だったのね。
私には必要ないことと、彼ら三人が何処からやって来たのか、これまでずっと聞いていなかった。ゴールセン王国は、非常に強力な武力を持つ大国なのだ。
彼らが存在することによって、周辺国の治安は保たれている。そんな中でも、イーサンはゴールセン王から特別扱いを受けているのね。
「ああ。君はゴールセンの騎士なのか。レティシア嬢とは……どういった関係なのだろうか? 出来れば、僕は彼女と話したいのだが」
ここで私は、心配そうに視線を送るイーサンに頷いた。私の今後を考えて、ここで自分が勝手なことは言えないと思って居るのよね。
……優しい人。
「……オルランド殿下。ごきげんよう。素敵な夜ですね。こちらのイーサンは私の知り合いで、社交界デビュー直後で不安なので、今夜はエスコートをお願いしておりました。彼が言った言葉は本当です。先ほど踊っている時に、足を痛めてしまって……せっかくのお誘いをお受けできず、申し訳ございません」
「そうか。ならば、君とのダンスは諦めよう……少し、ここで話をしても?」
オルランド様がわざわざ会話の許可を口にし、それを断ることなんて許されない私はイーサンと一度目を合わせてから、無言のままで頷いた。
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