4 / 10
04 関係
しおりを挟む
たまにビキニアーマーを着た強そうな剣士の美人のお姉さんとか、黒くて長いローブを着て三つ編みの可愛い魔女っ子とかも歩いているけど、どう見ても少ない。
ぱっと見たところ、八対二以下くらいの割合。
「えー……けど、見たところ、ずっと立ってたよね? 疲れない? 俺とお茶行った方が、時間が有意義だよ。ほら、あそこの店なら、ギルド前の人通り見られるしさー」
断っても断っても諦めてくれない結構しつこい男性に当たってしまって、うんざりしつつ、私は答えた。
「けど、私。ここで自分が探している人に、あなたと一緒に居ると見られたくないです。本当にごめんなさい」
彼は私の言葉の意図を、察してくれたようだ。つまり、探している人に、他の男性との関係を誤解されたくないということは。
「え? 何それ。なんて名前のやつなの? 俺。知ってる奴かもしれないしー」
「名前は、知らないんです。けど、また会いたくて」
私の言葉は、いかにもちゃらっぽい彼の好奇心に火を点けてしまったらしい。なんか面白いことになりそうだぞと、俄然目の色が変わった。
「えっ……まじか。すげえ。待ってる奴の名前も知らないのに、朝からあてもなく長時間ここで待ってるの? 一目惚れか、なんかなの?」
「……この前に洞窟ダンジョン体験ツアーに行った時に、案内してくれたお兄さんに会いに来たんです。だから、その人以外と、お話したくないです」
私は出来るだけこの人からの興味をキッパリ断ったつもりなんだけど、何故か彼は、我慢出来ないと行った様子で吹き出した。
「ぶふっ……!! 待って待って。どういう奴、待ってるの? 髪と目の色くらい、教えてよ。そのくらいは、別に良いだろ?」
うーん。なんか、彼の反応が気になるけど。確かにそのくらいの情報なら、別に渡しても良いかもしれない。
「金髪に……赤い目でした」
私が探し人の特徴を聞いて、笑いを堪えきれなかったのか彼は大声で笑い始めた。
「はははー!! やっぱり!! それ。多分、俺の知ってる奴だ! ビーストテイマーの、シリルだと思うよ。あいつ。この前お世話になっている先輩の代理で洞窟ダンジョン体験ツアー押しつけられて、バイトして来たって言ってたもん」
「え。シリル! あのお兄さんって、名前がシリルっていうんですね。可愛い……けど、どうしてそんなに笑っているんですか……?」
知っている人に偶然声を掛けられて、やっと待ち続けた人に会えそうだと思い表情を明るくした私は、目の前の男性が楽しそうな理由がわからなかった。
かなり、親しい知り合いっぽいけど……なんで、笑ってるんだろ。
ぱっと見たところ、八対二以下くらいの割合。
「えー……けど、見たところ、ずっと立ってたよね? 疲れない? 俺とお茶行った方が、時間が有意義だよ。ほら、あそこの店なら、ギルド前の人通り見られるしさー」
断っても断っても諦めてくれない結構しつこい男性に当たってしまって、うんざりしつつ、私は答えた。
「けど、私。ここで自分が探している人に、あなたと一緒に居ると見られたくないです。本当にごめんなさい」
彼は私の言葉の意図を、察してくれたようだ。つまり、探している人に、他の男性との関係を誤解されたくないということは。
「え? 何それ。なんて名前のやつなの? 俺。知ってる奴かもしれないしー」
「名前は、知らないんです。けど、また会いたくて」
私の言葉は、いかにもちゃらっぽい彼の好奇心に火を点けてしまったらしい。なんか面白いことになりそうだぞと、俄然目の色が変わった。
「えっ……まじか。すげえ。待ってる奴の名前も知らないのに、朝からあてもなく長時間ここで待ってるの? 一目惚れか、なんかなの?」
「……この前に洞窟ダンジョン体験ツアーに行った時に、案内してくれたお兄さんに会いに来たんです。だから、その人以外と、お話したくないです」
私は出来るだけこの人からの興味をキッパリ断ったつもりなんだけど、何故か彼は、我慢出来ないと行った様子で吹き出した。
「ぶふっ……!! 待って待って。どういう奴、待ってるの? 髪と目の色くらい、教えてよ。そのくらいは、別に良いだろ?」
うーん。なんか、彼の反応が気になるけど。確かにそのくらいの情報なら、別に渡しても良いかもしれない。
「金髪に……赤い目でした」
私が探し人の特徴を聞いて、笑いを堪えきれなかったのか彼は大声で笑い始めた。
「はははー!! やっぱり!! それ。多分、俺の知ってる奴だ! ビーストテイマーの、シリルだと思うよ。あいつ。この前お世話になっている先輩の代理で洞窟ダンジョン体験ツアー押しつけられて、バイトして来たって言ってたもん」
「え。シリル! あのお兄さんって、名前がシリルっていうんですね。可愛い……けど、どうしてそんなに笑っているんですか……?」
知っている人に偶然声を掛けられて、やっと待ち続けた人に会えそうだと思い表情を明るくした私は、目の前の男性が楽しそうな理由がわからなかった。
かなり、親しい知り合いっぽいけど……なんで、笑ってるんだろ。
30
あなたにおすすめの小説
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
変態が紳士~憧れの堅物団長から「罵ってくれ」と迫られています〜
水瀬かずか
恋愛
グラシアナは王宮の女官である。このままここで勤めて一生独身でいるつもりだった。
けれど偶然にオルティス魔術騎士団長の秘密を知ってしまう。
死ぬか、結婚するか。
その選択肢を前に、必然的に婚約をすることに。
団長は満足そうに笑って言う。
「罵ってくれないか」
……お断りです。
パーキングエリアに置いていかれたマシュマロボディの彼女は、運ちゃんに拾われた話
狭山雪菜
恋愛
詩央里は彼氏と1泊2日の旅行に行くハズがくだらないケンカをしたために、パーキングエリアに置き去りにされてしまった。
パーキングエリアのフードコートで、どうするか悩んでいたら、運送会社の浩二に途中の出口に下ろすと言われ、連れて行ってもらう事にした。
しかし、2人で話していく内に趣味や彼に惹かれていって…
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。
そんな彼に見事に捕まる主人公。
そんなお話です。
ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日
プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。
春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる