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本編

揺らぐ

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「ガードルート、辛くないか」
私は横座りでソファに座ったノアさんの膝に乗っている。来たてからずっとキスされているから唇が腫れぼったくなってきてる。
「はあっ、ええと、大丈夫です」
ちゅ、ともう一度唇にキスをすると、ちょっと顔を離した。
「無理するな。遠征帰りだからな、盛ってすまない」
「ん、遠征から帰ると…したくなります?」
「戦いの後はどうしてもな、それにガードルートと一緒だといつもしたいな」
にやっと格好良い顔で笑う。とろける蜂蜜色の目が艶かしい。

「心配です…」
「ん、何が」
不思議そうな顔をして笑う。
「ノアさん…一番危険なんでしょう?」
「ああ、そんなことか」
「そんなことなんて」
ちゅ、ちゅと合間にキスを繰り返しながら会話を進める。
「心配するな。仲間でも引くくらい、俺は強いみたいだから」
「そうなんですか?」
「ああ」
頷いて笑う。男臭い表情に胸がドキドキする。
「ノアさん、…すき」
ビックリしたように目を見開くと微笑みながらキスを繰り返してくれる。
「俺も好きだ。ガードルート。誰よりも愛している」

「他の皆は…どうですか?」
んー、とノアさんは考えるようにすると、首を傾げながら答える。
「ミッキーはああ見えて実力者だな。若手でも5本の指に入るんじゃないか。ヴィンセントはまぁ、参謀だから直接戦いには参加しないが、騎士学校の時にはかなり強いと聞いたことがあるから、そうなんだろう。あとの2人の双子は、真っ新な状態だから伸びしろはあるな」
「…心配です」
ノアさんは苦笑した。
「騎士なんて聞こえは良いけど、ただの兵隊だからな、仕方ないよ。…ガードルートは騎士と結婚したかったんだろう?」
「そういう訳じゃないです…結果的にそうだっただけで…皆が魅力的すぎるんです」
「そうか」
ノアさんは苦笑しながら私の髪や耳元にキスを落としていく。

「ノアさん」
「なんだ」
「怪我しないでください」
「難題だな。俺は切り込み隊長だぞ」
「それでも、です」
「…じゃあ無傷で帰ってきたら…どうする?」

「私の出来るなんでも…ええっと、やっぱりご相談に乗ります」
にこ、と笑うと蜂蜜の目で甘く見つめてくれた。
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