花は風と共に散る【美醜逆転】

待鳥園子

文字の大きさ
90 / 155
本編

作戦決行

しおりを挟む
私は上層階にある応接室の一つに居て、ごくり、と息を飲んだ。
例のランスロット・デュロイさんからいよいよ呼び出しの手紙が届いたのだ。
「やぁ、すまないな。待たせてしまった」
「いえ。大丈夫です。なんの御用でしょうか?」
約束の時間より少し遅めに来たランスロットさんに微笑む。
「いや、君が何か困っていることはないかと思ってな…」
「えっと、特にはありません」
「嘘はつかなくて良い」
「ついていません」
「…それではそういうことにしておこう」

「えっと、用はそれだけですか?」
私は手早くその場を去る準備を始めた。
「いや…ちょっと待ってくれ。違うんだ…そうではなく。その…」
「何ですか?」
言い淀むランスロットさんにいらいらとしてしまう。
「…君が望むのなら結婚してやっても良い」

は?

「僕のような人間と結婚するのは君も気遅れすることもあるだろうが、大丈夫だ。僕がきちんと周りに話をつける。どうだ。ガードルート」
「ごめんなさい」
無理です。と言わなかったのは私のささやかな礼儀だ。言いにくそうに口籠られても正直、ぜんぜんときめかないし。

「なぜだ…」
「なぜって言われましても、もう私結婚を前提にしてお付き合いしている人が居ます」
「…だからなんだ!なんであんな奴らが良くて僕が駄目なんだ!僕の方が容姿も役職だって上だ!何が不満なんだ!」
いやだから、容姿役職は置いておいてもそういう意味のわからないこと言う性格とかもぜんぶ無理。
「…ごめんなさい」

ランスロットさんは立ち上がり、私の胸ぐらを掴み上げると右手を振り上げた。

チャキっと音がしてランスロットさんの首元にナイフが突きつけられる。
「そこまでです。デュロイ副団長」
「…ミッキー・ハーディングか。なぜここに」
「恋人を男と2人にすると思いましたか」
「くそっ」
私から乱暴に手を離すとランスロットさんは呻いた。

「デュロイ副団長、困りましたね。あなたのように役職のある男性が軽率にすることではない」
影に隠れていたヴィンセントさんが出てくる。ノアさんが私を抱き上げてランスロットさんを睨んだ。

「…何が望みだ」
「おや、話の早いことだ。察しの良い人は好きですよ」
「お前に好かれたくはない」
「奇遇ですね。同感だ」
ヴィンセントさんは笑顔を崩さない。

「簡単ですよ。ある令嬢をあなたが誘惑してくれたら良い。それでこの1件は手を打つことにしましょう。
しおりを挟む
感想 145

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

美醜逆転の世界でレンタル彼氏をしてみた

普通
恋愛
ある男が死に、転生した。そしてその転生した世界が美醜逆転世界だった。男はそれを知ると一儲けするためにレンタル彼氏をし始めるのであった。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

処理中です...