106 / 155
本編
プレゼント
しおりを挟む
初春の日差しはあったかい。掃除しててもあくびが出るし、それがお昼ご飯食べた後なんかだと尚更。
ねむい。
「ガードルート、眠そうだな」
生理的に出た涙をこすると苦笑した麗しいリプリ団長が目に入る。
「リプリ団長。こんにちは。すみません。どうしても止まらなくて。ふわっ…すみません」
話している間もあくびが止まらない。
「気にしなくて良いよ。春は眠くなるから。むしろ眠くならない方がおかしいな」
「そう言っていただけると…でもいけませんね。仕事中なのに。気を引き締めます」
「ガードルートは真面目だから、僕も何も言わなくても済んでいるし、感謝しているよ。ところで少し相談があるんだが」
「はい?今、ここでですか?」
もうすこしでいつもなら団長の執務室でお茶の時間のはずだ。
「ああ。別に大したことではないんだが…そろそろ家内の誕生日でね、いつも同じようなプレゼントになってしまうので最近の流行っている女性が喜ぶ物を聞きたかったんだ」
愛妻家の王子様系とか乙女の夢だよね?俄然張り切ってしまう。いつもお世話になっている団長にすこしでも恩返しがしたい。
「もちろんです。ちょっと宛があるので調べてからまたご連絡しますね」
私はにっこり微笑んだ。流行りの物は知らないけど女心をくすぐるプレゼントを良く知っている人なら知っている。
私の恋人の1人、ノアさんだ。
「…リプリ団長の奥さんに?」
私は仕事終わり早速彼の部屋に遊びに来ていた。大きなベッドに座って足をブラブラさせている。ノアさんは帰ってきて着替えの途中だったのか上着を脱ぎ始めていた。
「ええっと、ノアさんは女性が好む物を良く知っているので」
「…なんだか誤解がある言い方だな。俺は何かプレゼントしたことあるのはガードルートだけだよ」
「え?そうなんですか?」
娼館のお姐さんには持っていってなかったのかな?勝手な想像しちゃった。
「なんで驚くのかわからないが、当たり前だろう。俺みたいな奴にプレゼントされても怖がらせるだけだからな」
「そんなことないです」
「…まあ、それは良いさ。リプリ団長の奥さんっていくつくらいなんだ?」
「ええっと…聞くの忘れちゃいました。それって結構重要ですか?」
「年代で欲しい物は変わっていくだろうからな。本人とは会っていないから想像するしか出来ないが大事な指標だろうな」
ノアさんは手首のシャツのボタンを外しながら答えた。
「全年齢の女性が喜ぶものってなんでしょう?」
「それは俺に聞くのか?」
「私にも欲しいものって意味ですか?」
「そうだな。全女性のなかにガードルートは含まれているからな」
「…今は私、何もいらないです」
「それは参考にならないな。…どうしてだ?」
「もう、好きな気持ちをいっぱい持っているから。物は要らないんです。気持ちだけですごく幸せだから」
「…それは可愛いが、こちら側のプレゼントをしてすこしでも喜ばせたいという気持ちもわかって欲しいな」
うーんと腕を組んだ。
「難しいですね」
「リプリ団長の気持ちはわかるな。別に感謝されたい訳じゃない。喜んだ笑顔が見たいだけなんだよ」
ノアさんはシャツを脱いだままの姿で抱きしめてくれた。筋肉で熱い。
「もう、十分なんだけどな」
そうしてもらうと胸がいっぱいで言葉にならない。
ねむい。
「ガードルート、眠そうだな」
生理的に出た涙をこすると苦笑した麗しいリプリ団長が目に入る。
「リプリ団長。こんにちは。すみません。どうしても止まらなくて。ふわっ…すみません」
話している間もあくびが止まらない。
「気にしなくて良いよ。春は眠くなるから。むしろ眠くならない方がおかしいな」
「そう言っていただけると…でもいけませんね。仕事中なのに。気を引き締めます」
「ガードルートは真面目だから、僕も何も言わなくても済んでいるし、感謝しているよ。ところで少し相談があるんだが」
「はい?今、ここでですか?」
もうすこしでいつもなら団長の執務室でお茶の時間のはずだ。
「ああ。別に大したことではないんだが…そろそろ家内の誕生日でね、いつも同じようなプレゼントになってしまうので最近の流行っている女性が喜ぶ物を聞きたかったんだ」
愛妻家の王子様系とか乙女の夢だよね?俄然張り切ってしまう。いつもお世話になっている団長にすこしでも恩返しがしたい。
「もちろんです。ちょっと宛があるので調べてからまたご連絡しますね」
私はにっこり微笑んだ。流行りの物は知らないけど女心をくすぐるプレゼントを良く知っている人なら知っている。
私の恋人の1人、ノアさんだ。
「…リプリ団長の奥さんに?」
私は仕事終わり早速彼の部屋に遊びに来ていた。大きなベッドに座って足をブラブラさせている。ノアさんは帰ってきて着替えの途中だったのか上着を脱ぎ始めていた。
「ええっと、ノアさんは女性が好む物を良く知っているので」
「…なんだか誤解がある言い方だな。俺は何かプレゼントしたことあるのはガードルートだけだよ」
「え?そうなんですか?」
娼館のお姐さんには持っていってなかったのかな?勝手な想像しちゃった。
「なんで驚くのかわからないが、当たり前だろう。俺みたいな奴にプレゼントされても怖がらせるだけだからな」
「そんなことないです」
「…まあ、それは良いさ。リプリ団長の奥さんっていくつくらいなんだ?」
「ええっと…聞くの忘れちゃいました。それって結構重要ですか?」
「年代で欲しい物は変わっていくだろうからな。本人とは会っていないから想像するしか出来ないが大事な指標だろうな」
ノアさんは手首のシャツのボタンを外しながら答えた。
「全年齢の女性が喜ぶものってなんでしょう?」
「それは俺に聞くのか?」
「私にも欲しいものって意味ですか?」
「そうだな。全女性のなかにガードルートは含まれているからな」
「…今は私、何もいらないです」
「それは参考にならないな。…どうしてだ?」
「もう、好きな気持ちをいっぱい持っているから。物は要らないんです。気持ちだけですごく幸せだから」
「…それは可愛いが、こちら側のプレゼントをしてすこしでも喜ばせたいという気持ちもわかって欲しいな」
うーんと腕を組んだ。
「難しいですね」
「リプリ団長の気持ちはわかるな。別に感謝されたい訳じゃない。喜んだ笑顔が見たいだけなんだよ」
ノアさんはシャツを脱いだままの姿で抱きしめてくれた。筋肉で熱い。
「もう、十分なんだけどな」
そうしてもらうと胸がいっぱいで言葉にならない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,354
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる