分岐ルート(仮)

魂の暇つぶし

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宿主の物語。

心配なままで

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「死にたいのか!テメェら!」
「ヒイィィィ!?すいません!」
人間だけだろう、権力に遊ばれる存在は。
「すいませんじゃねぇだろ!働け働け働け」
「わ、わかりましたぁぁぁ!」
「待て!このブラック社長!」
「だ、誰だ貴様!」
「私の名前は...」
バッサァ!ッとマントをなびかせる音が響く。
「ホワイトマン!」
「な、何!ホワイトマンだと?」
「あぁそうだ!覚悟しろ!」
「グァァァ!」
色々あり...
「ありがとう!ホワイトマン!」
「当然のことさ!はははははははは!」


               完


「な、何よ!この映画!」
「あぁ、いつのまにか終わってたな。」
天城と張華がいるのは、映画館。
「これはアレだ、違うものを観よう。」
「嫌よ!もうお腹いっぱい!」
「そうだな、映画は、もういい。」
何故、二人きりでこんなところにいるのかと言うと...
って、こんなところに、タイムホールが!
 


昨日
「昨晩まで続いた大雪による被害は甚大であり、復旧までもうしばらく時間が必要になるということです。」
テレビで流れる、淡々としたその声は停電している最中なら、聞くことはなかっただろう
「ここら辺は、復旧しているけど、やっぱり都市部から離れると、こうなのね。」
張華は、家電量販店に、あるテレビを見ながら言った。
「まだ、水は止まっているけどな。」
天城が両手いっぱいに、水の入ったペットボトルを持ちながら言った。
「そうね、水道が寒さで凍って、それがなかなか溶けないらしいわね。」
「氷点下に慣れていない街の末路か...」
「まぁ段々溶けているらしいし、水の復旧も、あとちょっとの辛抱ね。」
「てかよ、なんでそんな時に、こんなところ来てんだよ。」
「仕方ないでしょ、あの雪のせいで、外にあった、洗濯機が凍って使い物にならなくなったからよ!」
「そうですか。じゃあ俺はあのマッサージチェアでくつろいでおくな!」
「ちょっとアンタも一緒に決めなさいよ!」
「すまん、俺は疲れというものには、逆らえないんだ。」
「何よそれ?」
「コレあげるから!」
「?ナニコレ?」


「で、映画のチケットをあげたのに、なんであげたやつと一緒に行くかな?」
「仕方ないでしょ!あの時は、莉子もいなかったんだし!」
「他に友達い...グハァ!?」
「それ以上言ったらコロス!」
「すいません」













突然だが君たちは、誰が敵だかわかっているか?
話の進むスピードが速すぎて理解不能だ?
文章が伝わりにくいだ?

さぁ頑張れ君たちよ
とりあえずこれはあれだ
わたしが飽きるまで続くぞ。
あっ!ちなみに本当の敵のヒントだけ言うと...














































「う、なんか急に頭痛が!」
「大丈夫?」
「あ、うん大丈夫だ」
「回復はっや」
「それよりなんか食ってから帰るか?」
「えぇそういえば、最近、話題のクロワッサン店が近くに...」
「却下だ」
「なんでよ!」
選ばれたのは、蕎麦でした。














「ププ!」
笑っている。
「プププ」
小さな子供が、
「ギャハハハハハ!」
そこがただの道だったらまだ、不審がられるだけだった。
「あー!笑った。ねーまだー?」
だけどそこは裸足で立っている少年は、いない問いかけをする。
「えーまだなの⁉︎」
何も聞こえていないのに、子供は不機嫌な声で言った。
すると
「誰だテメェ?」
「ん?」
そこに気配を感じた者が来た。
「誰だ?って顔だな、そうだなまずは俺の名前を言うのが、先だ。」
少年は、静かにだが、力強く言う。
「俺は神海 流。いや、...」
「何のようで?」
「決まってんだろ?お前を倒すんだよ!」
神海は目的に向かって突撃をしていく。
「私は、異形の分裂体特に名前はありませーん!」
だがその目的は、笑ったまま、自己紹介をした。
「律儀にありがとよ!」
神海の手が、異形の肩を触る。
「一斉にくらえ、海が襲う全てを...」
その瞬間、異形の顔が体が全てが潰れていく。
だが、叫び声も上げずに凝縮された存在が、くたばっているはずも無く。
「ヒャァァァァァァァァァ!」
もはや、ただの赤色をした球体が叫び声を上げる。
「やっぱりな。」
だが少年は驚きはしない。
手を挙げて指パッチン。
パシャッア!球体が飛び散り、海に混ざる。
ゆっくりと少年は、海を触る。
すると、パッとその海が消える。
ただ、下まで果てしない高さの空間が出来上がる。
「俺は一回殺された、だが。」
濁った海が消えたことにより、異形の消滅が完了。
「だったら良かったんですけどね?」
「...はぁ死ぬはずがねぇよな。」
異形が生きていた。その姿は、デコボコに歪んでいたが。
その背中から、無数の輪が飛び出し、それが神海を囲む。
「どーん!」
輪から放出されたのは、光線。
「残念だ、だが、まだまだ甘いな、俺を1回目に殺した男は、あの攻撃を、
それだけを言い残して、神海は、笑いながら光線に飲み込まれていった。
最後に、海の塊を放出させてから。

異形の言葉は簡単だった。
「その存在、気になりますね。」
そう言い、新しくできた海を蹴って陸へ向かっていった。












もうちょっとで、草木も眠るぐらいの時間に、天城と張華は、二人で歩いていた。
「良いのかな、こんな時間まで遊んで?」
「良いんじゃねぇか?明日、日曜日だし。」
(そう言うことじゃないんだけど...)
「ん?どうした?」
「なんでもないわよ。」
あまり人のそう言う気持ちに気付きにくい性格の天城にはよくわからなかった。
「これは、朝に帰るのは無理だな。
家までの、電車はもうないし、歩いて帰るには、遠すぎるし。」
「誰が悪いのかしら。」
「誰だろうな?」
「アンタでしょ!映画何本観たと思っているのよ!5本よ?5本!」
「いや~あのクソ映画観たら、その後にみる映画が、本当に面白くてよ~」
「だからって、5本も観る?普通。」
「すまんすまん!」
天城は、機嫌がいいのか、大声で笑いながら謝った。
「は~っでどうするのよ?」
「それは...あまり使いたくなかったけど。」
「?」
天城は、携帯を取り出して、誰かに電話をかけた。
「ありがとう夏季姉、いや、それはいい、本当にいいって!気持ちだけありがたく貰っておくから!本当にいいって..........」
それが天城の電話での会話の終わりだった。
それまでにいろいろ言っていたが、何を言っているかは、分からなかった。
「完了、はぁぁぁ疲れた...」
天城は、死んだような見た目で、張華に言った。
「誰に電話してたのよ?」
「追々わかるよ。」
天城が歩いていく。
「何がよ~?」
張華はそれについていくだけだった。
「ここか。」
「え、ここって...」
来たのは、馬鹿でかいホテルなどではなく、
「家?」
「あぁさっき電話をしていた人の家だ。近くにあるのを知っていたからな。」
「へぇ」
ピンポーンと天城はインターホンを押す。
するとすぐに扉が開き一人の女性が出た。
「久しぶり、夏季姉さん。」
「お久しぶりです。禅さん。」
その夏季という女性はニッコリと笑顔で、天城に言った。
「おや、まさかそちらが...」
「あぁ、張華だ。」
「張華です。今晩は...」
張華は戸惑いながら挨拶をする。
「ふふ、今晩は。」
それに笑顔で返す。
「部屋は用意しています。どうぞごゆっくり!」
「ありがとう。夏季姉。」
「いえいえ、禅さんのためなら!」
感謝をしているつもりが、全然顔色が良くない顔の天城。
「ご夕飯は?」
「ごめん食べてきた。」
「そうですか...」
そんな、ちょっと悲しそうな、顔を見て、張華は
「私、もらっていいですか?」
「え!はい!」
張華は天城を睨んで、(一緒に食べるわよね?)
そんな無言の圧力をかけてきた。
「ハイハイ、すまん俺も一緒に食べる。」
「分かりました!すぐ用意してきますね!」
夏季は嬉しそうに、台所があるであろう場所に向かっていった。
「余計なことを...」
「何よ、アンタも見損なったわ?」
「あ?」
「折角親切にしてくレている人に、あんな態度は失礼よ!」
「失礼なのはわかるが、夏季姉の本性はヤバいからな。」
「本性?」
「いや、本性じゃないな裏って言ったらいいのかな?」
そんな話をしていると...
「出来ましたよ~!」
台所から、そんな声が来た。
「覚悟を決めるか...」
天城は若干猫背になりながら、向かっていき、張華もそれについていった。
「どうぞ、天城さん!」
テーブルに出たのは、フレンチトースト。
「私も失礼します。」
それが三人前。
「「「いただきます」」」
三人がそろって合掌。
味はとても良いものだった、それこそ、店で出してもいいぐらいに、だが、天城だけ、この後の展開に恐怖していた。
その恐怖は、張華の疑問によって、進む。
「あの?」
「はい?なんでしょう?」
「なんで、その、夏季さんの机にそんな、ワインのボトルが何本もあるのですか?」
「これですか?いや~久しぶりに天城さんの顔を見たら、嬉しくなってしまいまして~!」
「へ?」
「ワインが本当に美味しく感じて、止まらなくなって!」
スーッとまるで水でも飲むように、次さらに次へと、ボトルを空にしていく。
「え~と、それぐらいにしておいたほうが?」
「いーえまだまだいけますよ!」
「えー」
「張華、だからいっただろう?」
天城は頭を抱えながらそう言った。
「もうちょっとでくるぞ?」
「チョット、何がくるのよ!?」
「もう、わかるよ。」
天城が諦めた様子で、言っていると。
「ウィー!ぜ~ん!」
完全に出来上がった、夏季が天城に向かって、大ジャンプ。
「ウワァァァァァァァァァ!」
それに大激突、床に倒れる。
「ぜ~ん!おねえちゃんは寂しかったんだぞ~!」
夏季は、天城に両手床ドン。もはや逃げ道などない。
「ちょっと、やめてぇぇ!」
もはや、乙女のように、目の前の敵に恐怖していた。
「ちょっと、やめてください!」
そこに助け舟が。
「助けて!張華!」
だが、運良く助けられてもそれが海賊船なら、意味はなし。
「ヒック!」
「へ?」
「天城をいじめるのは私よ~!」
張華も何故か酔っ払っていた。
「お前まさか酒飲んで⁉︎」
「あの子は、飲んでないよ?」
おぼろな口調で、床ドン夏季は告げた。
「だったら何で...まさか⁉︎」
まさかの、飲んでなくてもお酒の匂いだけで酔いまくるそういうキャラだった。
「「ぜ~ん(あまき)かくご~!!」」
敵2体、一体だけでも逃げられなかったのに、増えたら、逃げられないどころじゃない...
「ちょ!誰かぁあああああ!」
そんな叫びが響き渡る。
すると、
(うるさいですねぇ?って、どんな状態ですか⁉︎)
聞いたことのある後輩声がした。
(宿主のピンチ!私が止めた方がいいのでしょうか?)
天城はもう襲われる直前である。
(やるしかないですね!天城さん!手を前に)
そんな声を聴いて、天城は恐怖で体が震えながらも夏季達の前に、なんか挨拶をするみたいに、手を前に向ける。
(それは、草木も眠る天使の歌)
天城の手から、歌が流れる。
見た目超シュール。
だが、効果的面、二人は静かに眠った。
「危なかった~」
安堵した天城は、自分の内側にいる者に問いかける。
「アヲイ、ありがとう。」
だが、返事はない。
「てか、お前本当にいたんだな、俺の中に。」
天城は苦笑いで言った。
「とりあえず、二人とも運ぶか。」
まず、ソファに寝かす。
「う~ん、あんひゃのひみゃふは、わふぁひがにぎゃったわひょあんたのひみつはにぎったわよ~ひょれであんひゃをわたひぃだけひぉかひぃろびょっとにひゅてあひゃるふぁこれであんたをわたしだけのかじロボットにしてあげるわ!
「どんな寝言だ!」
思わず突っ込んでしまった。
「夏季姉は、どうするか...」
天城は、夏季をおんぶして、かすかに覚えている寝室まで運ぶ。
「~ん、ん?あまき?」
夏季が起きた。
「どうした?」
「いや、迷惑かけたね...」
「はは、大丈夫だ、夏季姉がお酒飲んだら、いつもの、俺以外といるときは、敬語の約束を破るからなw」
「...ごめん」
「アンタは、俺のたった一人の姉だからな。」
「そ、そうか」
(イラッ)
天城の中で、イラついている後輩感に本人は気づかない。
「おやすみ」
「あぁ」
天城は、テレビのある部屋に戻り、椅子に座る。
「3時か、眠くないな。」
だが、すぐに眠くなっていく。
そして、本当に眠る直前、歌を聴いた。
(眠らないと、ダメですよ?)

午前5時
「あ、おはようございます、夏季さん。」
「おはようございます張華さん。」
張華と夏季の挨拶があった。
「おや、張華さん?」
「?どうしました...って」
「「あらぁ?」」
天城の椅子に座りながら寝ている姿を見て、二人の笑いがあった。



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