お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

文字の大きさ
8 / 44
近衛 慶秋

おかず交換

しおりを挟む
「ねぇ、市橋さん...おかず交換しない?」

「え?」

「いつも用意されたものって既製品だから手作りのものって憧れるんだよね」

お重の中身はなかなか豪勢...高級弁当って奴だよねコレ..5000円くらいするんじゃ...近衛め美味そうなもの食ってやがる、なんなんだ?こいつの家ブルジョワか?

「良いかなぁ...好きなの幾つかとって良いから、そのハンバーグと卵焼き...」

くっ...その高そうな海老とかローストビーフとか美味しそう...キラキラして見える...

「海老とかローストビーフとか何でも選んで良いよ」

とニコニコ近衛が言ってくる...くっ...

「ううっ...じゃあそれと交換で...」

高級弁当に負けた...だって海老とローストビーフ美味しそうなんだもん!食いしん坊には酷だわぁ...

お弁当箱の蓋側を皿がわりに海老とローストビーフを入れて貰い、ハンバーグと卵焼きをその空いた所へ置いてやる。

くぅ...海老もローストビーフも美味い...私の作ったハンバーグより絶対美味いのに物好きな...

と食べている姿をじっと見られてたよ!

「幸せそうにご飯食べるんだね、市橋さんは」

「うっ」

ニコニコと近衛はそんなことを言い出す。

「良いよね、しえちゃん食べる事好きだけど痩せてるし」

いや...実は全部胸に栄養がいってるだけなのだ、他が太らんのだよ。

「じゃあ僕も...卵焼き美味しいなぁ...」

交換した卵焼きを食べると恍惚とした表情を見せる...あのパウンドケーキを食べた時と同じだ。

「ねぇしえちゃん、一体何入ってるのよ?」

「ただの卵焼きだよ...」

ひよりがそんな事を言うが、確かに美味いとは思うが、プロ程じゃない至って普通の卵焼きだぞ???

次にハンバーグを食べると、更に表情が崩れとても良い笑顔を見せるのだ。

「美味しいなぁ...市橋さん」

イケメンだし蕩ける様なその目で見られりゃ通常の女子はイチコロだろう...しかし瞳の奥にある『何か』のせいでやはりざわりとするものが走る...怖い、しかし今の状況は逃げられない。

私はまるで蛇に睨まれた蛙の如く固まったままお昼が過ぎていくだけだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

幼馴染の許嫁

山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

処理中です...