お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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赤い糸

蜘蛛の糸

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近衛の件も神社の一件も何もかも分からない事ばかりだ...一体私の周りで何が起こっているんだ?

そしてあの時の『伴侶になる』って一体なんなのだ?

近衛 慶秋...もしあの時のお兄さんがお前なら、お前は何のためにそこにいた?

真夜中目を覚ましてからずっとそんな事が頭を駆け巡り眠れない。

「む...麦茶すら切らしてたか...」

喉が渇いたな...そう思って起きて台所へ...冷蔵庫に何か飲み物でもと思ったからだが、何もない...作り置きの麦茶すら...母め...全部飲んだら作るようにって言ってるのに...

この時期だと水道水もぬるいんだよなぁ...確か家から出てちょっと開けた場所に自販機があるから買いに出るか、まぁ真夜中ではあるが歩いて二、三分の場所だし。

そう思って自分の部屋に戻って財布を取り、パジャマ代わりに着ているTシャツの上から灰色のパーカーを羽織って家から出る、ちなみに下は短パンだ。

時間は午前3時...街頭があるから道は夜でもそれなりに明るく心配なく自販機まで歩いてたどり着く。

スポーツドリンクを選んで購入し、その場で開けて口にする...口の中が乾いてカラカラだからだ。

「ふぅ...生き返るなぁ」

水分が身体に染み渡る、汗もかいていたからねぇ。

半分くらい飲んだ後、そのまま戻ろうと思って家の方へ...その時だ...何かがふわっと左腕に絡むような感触...

「なんだろう???」

左腕には蜘蛛の巣のようなものがまとわりついていた。

「あれ?自販機にでもついてたのか???」

『蜘蛛の糸には気をつけな...』

あのオカルト男の言葉を思い出す。

その瞬間ざわりと背中に何かが走った...まさか...

「いや...ただの蜘蛛の巣が引っかかっただけだ!」

そうだよ...きっとあのオカルト男は私を怖がらせる為にそんな事言ったんだ!

蜘蛛の巣を払い、急いで家へ走って向かう、得体の知れない恐怖を感じながら...

しかしなんでそんな訳の分からないオカルト的なものに巻き込まれなきゃならんのだ?

「ぎゃっ!」

そんな事を思いながら走るが、何かに足が絡んで転んでしまう...いてて。

立とうとするも、何かが足に絡んで立ち上がれない...一体何だ?と足元を見ると白い塊が足に絡んでいる...これは大量の...蜘蛛の糸...

「ひぃっ!」

何で?あの神社に祀られているもの...夜都賀波岐、土蜘蛛の化け物ってオカルト男が言っていた...

もしかして5歳の時に社に石を投げつけたからか!

大量の蜘蛛の糸の塊は縄のようになっていてよく見ると神社の方側へ続いている!

蜘蛛の糸は足だけでなく太腿から胴体まで巻きつき始め、ずるずると引きずられて行く!

「何で...むぐっ!」

蜘蛛の糸が口の周りを覆ってしまう...

私は一体どうなってしまうんだ?

何でこんな事に...

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