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トリートメントを終えたところでユニットバスのドアがノックされた。後から来るのは分かっていたのにどきりとして、シャワーカーテンで身を隠す。
「隠れんでもいいやろ」
笑いを含んだ声の主がぬっと現れて、張りついたビニールを簡単に剥がす。いくら痩身とはいえこれだけ上背があると浴槽が狭い。こうして立って向かい合うとやっぱり大きくて、シャワーカーテンから頭が出ていそうだ。そして細い、その腕はなんなのだ。筋肉はついているようだから脂肪の方を少しお裾分けしてやりたいものだ、特にお尻と太腿の。
何も隠せない気がしたが気休めに胸元を腕でガードしておなかをひっこめて、だってやっぱり恥ずかしくてと言うと、昨日全部見たのに? と愉快そうに返された。思わず俯くと今度は正午のものがダイレクトに視界に入り、あわてて顔を上げた。
「安心し、コンタクト外してなんも見えてないけん」
「えっうそ、つけたまま寝ちゃったの? 大丈夫?」
ふっと間を置いて、体洗うんどれ? と聞かれたので渡してやる。
「ごめん嘘、俺ずっと裸眼やもん」
「もう!」本気にしてしまったではないか。
一瞬心配しちゃったじゃんと言うと、真上から煙草の匂いのするキスが来た。
正午のキスはがっついてなくて柔らかくて、優しい。これもまた勝手に乱暴な方なのかと思いきやセックスもで、昨日も焦らしに焦らしてねちっこかったけれど優しくて、思い出すときゅんとした。うっとりしながらキスに夢中になっていると、大きな手がぬるりとお尻に回る。
「ん!」
息ができなくなりそうな濃いキスに、ボディソープでにゅるにゅるとなまめかしく動き回る大きな手。その手がどれだけ達者に動くかもう知っている。身を任せて、声を我慢しない方が喜ぶことも教えられたからできるだけ抑えずにがんばった。
「俺もやってや」
ちゅっと音を立ててキスをすると正午は紗季に手を出させ、そこへボディソープを垂らした。こんなふうにお風呂でいちゃいちゃするのは初めてで、どぎまぎしながら彼の胸に手のばす。薄いのに固くてゆるみのない体だ。昨日も思ったが。そしてまた、
「…肌きれいだよね。色白いし」
そうなのだ。妙にきめ細かくて薄い皮膚をしていて透明感があって、うらやましいぐらいだった。紗季も色黒ではないが黄みのある肌で、彼はまた白さの種類が違うのだ。うらやましい、正しく持ち腐れである。
「きれいかは知らんけど白いのは白いな、焼けんし。今はなんも思わんけど、昔は嫌やったわ」
「男の人はそうかもね」
彼の手は休まずに紗季の腹から脇にかけてを這い回り、くすぐったくて笑ってしまった。やめてよとふくれてみせると、後ろは終わったから前もと言われて壁を向かされた。
「ひょろっひょろで筋肉なかったけん、モヤシてよう言われて」
「そうなの? 筋肉質だなって思ったけど」
「今はね。仕事柄やな」
壁に手をつく姿勢はずいぶん卑猥で、前もと言ったくせに背中をつうっと撫でていく指がもどかしい。ぜったい分かってやっている。正午は本当に焦らすのが上手い。
「お仕事、何してるの?」
「大工」
なるほどと思ったが、いつの間にか待ち焦がれていた胸元に手が伸びてきて両手で包み込まれ、ぞくぞくと走り抜ける気持ちよさでしばらくまともな言葉は出せなくなった。胸の先端をくるくるといじられたり、大きな手で胸全体を柔らく揉みしだかれる。くらくらしそうなほどだ。かちかちになったものが太腿に押し付けられて、硬いそれで奥の奥まで強く突かれる快感にもう一度溺れたいとばかり思う。
「紗季ちゃん、ここヤバい」
後ろからぴったりとくっついて、耳元で熱っぽい声が低く呟く。手は胸の頂を優しく弾いて離れ、今は紗季の秘められた部分を暴いていた。左の人差し指と中指が割れ目を開いて、右手の指先全体が恥ずかしいところをさすると粘度のある音がする。ぬるぬる、と言われて紗季のそこはきゅうっと切なくなった。
「気持ちいい?」いいに決まっている、正午の指は気持ちが良くて、その先も欲しくて、こくこくと真っ赤な顔で紗季は頷いた。
「言い、気持ちいいって」
「うん…すごい、気持ちいい…」
正午くん好き、と言うとびたっと動きが止まった。
「俺も。好きや、紗季ちゃん」
好きだと言われて嬉しくて、昨日何度も正午を受け入れたところがきゅううっと反応する。
全開にしたシャワーで髪が濡れないように泡を落とされ(マメだ)手早く自分の体も洗って、正午は無言のままそれでも優しく紗季の体を拭いた。自分の方は雑な手付きで適当だった。
そのままベッドに連れ込まれて押し倒された。上から体を重ねてきて長いキスをして、そこまではよかったが正午の頭が素早くおへそのあたりまで降りていって、ぐっと太腿を押し広げられる。止める間もなく、さっきとろとろになったところに舌が這わされた。
「正午くん!やだ、やだ駄目、汚いからっ…」
「今洗ったやろ」
こんなに明るいのに、足を目一杯開かされて、秘裂の奥まで正午にぜんぶ晒している。そこに顔を埋めた彼に柔らかい舌で愛撫され、強烈な羞恥心と、それに反してもっとと望む気持ちがせめぎ合った。
「や、あっ、だめだって…」
「駄目、する」
「あ…や、んっ、…やぁっ」
何度も舐め上げられ、もうびりびりと痺れるほど感じている芽を吸い上げられる。強い快感が絶え間なく与えられて、目尻に生理的な涙がにじんだ。口ですることはあってもされることは今まであまりなかったから、こんなに奥がきゅんきゅんする感覚も初めてだ。太腿をしっかり固定している腕が動けない口実を与えてくれて、紗季は足を広げた恥ずかしい姿勢のまま気持ちの良さに溺れた。ぽうっとしたまま声も止められない。
「正午くん、正午くぅ…あ、んんっ!」
ちゅうっと音を立てて鋭く芽を吸われて、強烈に気持ちが良くて、でも怖くて思わず腰がひけた。
「こーら。逃げんな」
ずりずりと後退したらすぐ壁だった。太腿をまた掴まれる。逃げたくてももう逃げられない、逃げる気なんて本当はぜんぜんないけれど。思わず手でそこを覆うと、指の隙間から正午の指が滑り込む。
「隠した方がエロいんやって、紗季ちゃん」身を起こし、じっと紗季の表情を見つめながらそう言った。
「や、そんな見ないでよ、恥ずかしい…」
「嫌や可愛いのに」
親指の腹で、敏感な突起を押すように強く撫でられた。背が弓なりに反って喘ぐ声が大きくなるのを止められず、手の甲を口元に押し当てて必死でこらえた。あとからあとから溢れる愛液を塗りつけ突起の薄皮をくるくるとされ続けて、だんだん何か、腰の奥の方に重だるいような感覚が溜まっていくのを感じた。
「や、だめ、そこだめぇ…っ」
「駄目やないやろ、さっきよりもっとドロドロなのに」
「でも、でも、あっあ…っ」
「ん? ここやろ?」
所在なく浮いていた手を取られ、手のひらにキスしながらそう言う。間違いはなくて、そこをいじられる度に快感が走って、足先までじんじんと甘く痺れていった。こんなに気持ちいいのに、これ以上があるなんて想像もできない。できないのにそこへ近づいていることがはっきり分かるのだ。
「や、こわい、こわいからぁっ」
空いている手で正午の肩を押してもまったく動かなくて、んー? と優しく探るように問われた。
「イきそう?」
たぶんそうだ。きっとこの先にあるのがそうなのだ。正午の手でイかされるならすごく嬉しいけれど、未踏の地に本能的な不安がわく。
「分かんな、や」
「イけそうやな」
「ぜったい変だも、…っ」
「大丈夫大丈夫」
「やだこわ、あ、っ…やだぁ…」
「どうなっても俺が最後までおるから」
紗季ちゃんがイったら俺めちゃくちゃ嬉しいんやけどと言われて、彼の指にいじられ続ける一点が、どんどん感覚が強くなる。気持ちいいが強くなりすぎて制御できなくて、正午の肩を強く強く掴んだ。
それでもやめてはくれなくて、彼の指は絶え間なく一番いいところを刺激し続ける。もう来る、もう超えてしまうと思った時に指をぐりりと強めに立てられて、何かがきゅううっと収縮して、何かがどっと溢れた。
「…あ、あ、だめ、だめイっちゃ…あ、あああっ!」
表情も声も取り繕えないぐらい強い感覚だった。
達した後、大きな呼吸をしながら紗季はぐったりと壁にもたれかかった。どくどくと激しく打つ脈を感じる。正午がぐいと力強く抱き寄せてきて、くっついて横になった。可愛かったと小さく言って、彼は触れるだけのキスをくれた。
「なんか…すごかった」
そうか、と笑う。嬉しそうに。腕の中に抱き込まれて背中を撫でられて、しばらくはただ息を鎮めた。いきなり重くなった体も心地よくすら感じる。
しかしそうしていると、彼のものが硬く張り詰めているままなのが気になってきた。なんだか自分だけ申し訳ない気がする。
「正午くん…」
「んー?」
手を伸ばして、そっと触れた。熱くて硬くて、先走りで先端がぬかるむ。安堵した。
「あの、正午くんも…それか…手とかでしよっか…?」
「んーー、そうやな…」
肯定ととって柔らかく握ったのだが、止められた。
「今度して。今は入れたい」
もうちょっと我慢しようと思ったんやけど、と言いながらゆっくり身を起こして、枕元からコンドームを一つ取った。昨日正午のポケットから新品が一箱出てきた時にはぎょっとして赤面したが、今はもう、今日使い切ってもおかしくないぐらいの気分だ。
「しんどかったら言い」着け終えて入り口に先端を当てると、頭を撫でて正午はそう言った。
力が入っていない紗季の足を抱え、隘路にゆっくりと割り入っていく。少しずつ。奥へと深くなるごとに、彼女はぶるりと震えて声をあげた。快感の拾い方を覚えたように見えて、それを教えてやれたことに、肉体のものではない欲が満たされる。
昨日の二度目はずいぶん正午のものに馴染んだが、今はきゅうきゅうと締め付けて飲み込もうとするようで、もっと良くなっている。とりあえず根本まで埋め込んだものの、優しくしてやれるかちょっと自信がなくなった。熱く柔らかく濡れていて狭くて、ただ思うまま紗季の奥まで突き動かしたい。しかし多少は良くしてやりたいし。
戸惑ったような顔をしたから、頬に手を当ててこちらを向かせた。
「大丈夫?」
「ん、…うん…」
浅く息をして、どうしよう、と潤んだ目でこちらを見上げて呟いた。
「なんかすごい、すごい…」
「何が?」
「昨日より気持ちいい、かも…」
あっさり余裕と理性が飛んだ。
あれこれ試そうと思っていたのに結局昨夜と同じに正常位でして、ただしその後でキスマークを内腿と膝の上とおへその横と胸元と…まあ服を着れば見えないところに増やした。それに気がついた紗季が正午にもつけるとまるで仕返しのように言うので、今彼はベッドに横たわり、下着を穿いて上はキャミソールだけを身に着けた紗季をまたがらせて悦に入っているところだ。
「…全然つかない」
彼女はそう言ってふくれている。
たぶんはたから見れば平常運転そのものなのだが、正午本人としては楽しくて仕方がない。服を着るなと言ったのを振り切った時にはチッと思ったが、じゃあ上に乗ってくれと押すと飲んだ。何がじゃあなのかよく考えればおかしな交渉なのだが。
素肌もいいが、布の上からほんのり胸の膨らみが分かるのはこれはこれでなかなか目を愉しませてくれる。痕をつけるべく屈み、正午の胸元に唇を落とすとキャミソールの中が見えて、そうやって隠れていたものを目にするのがまた良いのだ。ついでに浮かせがちな腰が不満で体重をかけろかけろと言って尻を下ろさせたので、重みを堪能できるのも良い。無防備な太腿もしっかりと味わえることだし。
「つきにくいんよ、俺」
「えー、だってこんなに色白いのに」
「いや色は関係ないやろ」
「ないの?」
「知らんけど」
あちこち試しはじめたので、唇が体のそこかしこに落ちてきてとても可愛い。ちゅうううっと音を立てては、まただめだとがっかりして呟く。頭を撫でながらしばらく好きにさせておいた。
本人は大柄なのを気にしている節があったが、正午としてはとてもしっくり来る体だと思っている。紗季ぐらいあると変な気遣いをしなくていい。華奢で折れそうみたいな風情にはあまり食指が動かないのだ。折りそうだし、大体ガリガリなのは自分だけで充分だと思う。
もちろん口には出さないが。
「…あ!」
諦めたように身を起こした紗季がそう言って、手を口元に当てて固まった。
「何?」
「ごめん、ついちゃってた。痕」
「お、やったやん。えらいえらい」
「もー!えらくないよ、ここたぶん服着ても見えちゃう…」
「どこつけたん?」
困ったように眉が下がる。ここ、と言いにくそうにしながら指で押さえたのは首の横あたりだった。たしかにここはどうやっても隠れない。えらく申し訳なさげにするので、一瞬じゃあ俺にもつけさせろと言おうかと思ったがやめておいた。紗季のことだからまともに取って考えそうだし、悩まれても楽しくはない。そもそも正午は気にしないのだ。
「ああ。ええよ」
「ええ?!だってここ…」
「俺は別に気にせんよ。彼女とラブラブなんやなぐらいのもんやん、こんなん」
「えっ」
「えって何?」
おい。なぜここで黙る。
「紗ー季ちゃん」
彼女を乗せたまま起き上がって腰を引き、壁に寄りかかった。紗季はあぐらの上に向かい合わせでまたがる格好になり、肩をすくめて縮こまろうとするのを阻止して自分の首に腕を回させた。正午の腕は腰にやり、ぐっと体を引き寄せる。
「今のえっは何なん?」
「…」
言えとうながすと、おずおず口を開いた。
「私達、付き合うん…だよ、ね?」やっぱりだ。
それはそうだろうと言いかけて、念押しのための逆張りをしてみた。
「セフレがええならそっちにする?」
「え…」
セフレと言われて露骨にショックな顔をしたので、よしよしと間を置かずに続けた。後腐れのない関係をご所望だったとしたらちょっとがっかりするところだった、自分の見る目にも。
「別にかまわんよ。俺からは彼女扱いするけどな」
かあっと赤くなった紗季が手で顔を隠そうとするので、手首を掴んで両腕ごと体を引き寄せてキスをした。んー、と抵抗するから手を離せば、こちらに体を預けて抱きついてくる。そうそう、初めから素直になればいいのだ。
「やだ。ちゃんと彼女がいい」
「そうやろ」
調子に乗って下着に手を突っ込んで両手でお尻を揉みしだくと、軽くはたかれた。
「もうだめ!…ねえねえ、お腹すいちゃった。朝ごはん食べない?」
なんか私こればっかり言ってる、と言うから笑ってしまった。
食パンを買ってきてあるらしいので(進歩している)昨日も使った冷凍庫のハムを焼いて、ポテトサラダの残りを合わせて朝食にすることにした。
「隠れんでもいいやろ」
笑いを含んだ声の主がぬっと現れて、張りついたビニールを簡単に剥がす。いくら痩身とはいえこれだけ上背があると浴槽が狭い。こうして立って向かい合うとやっぱり大きくて、シャワーカーテンから頭が出ていそうだ。そして細い、その腕はなんなのだ。筋肉はついているようだから脂肪の方を少しお裾分けしてやりたいものだ、特にお尻と太腿の。
何も隠せない気がしたが気休めに胸元を腕でガードしておなかをひっこめて、だってやっぱり恥ずかしくてと言うと、昨日全部見たのに? と愉快そうに返された。思わず俯くと今度は正午のものがダイレクトに視界に入り、あわてて顔を上げた。
「安心し、コンタクト外してなんも見えてないけん」
「えっうそ、つけたまま寝ちゃったの? 大丈夫?」
ふっと間を置いて、体洗うんどれ? と聞かれたので渡してやる。
「ごめん嘘、俺ずっと裸眼やもん」
「もう!」本気にしてしまったではないか。
一瞬心配しちゃったじゃんと言うと、真上から煙草の匂いのするキスが来た。
正午のキスはがっついてなくて柔らかくて、優しい。これもまた勝手に乱暴な方なのかと思いきやセックスもで、昨日も焦らしに焦らしてねちっこかったけれど優しくて、思い出すときゅんとした。うっとりしながらキスに夢中になっていると、大きな手がぬるりとお尻に回る。
「ん!」
息ができなくなりそうな濃いキスに、ボディソープでにゅるにゅるとなまめかしく動き回る大きな手。その手がどれだけ達者に動くかもう知っている。身を任せて、声を我慢しない方が喜ぶことも教えられたからできるだけ抑えずにがんばった。
「俺もやってや」
ちゅっと音を立ててキスをすると正午は紗季に手を出させ、そこへボディソープを垂らした。こんなふうにお風呂でいちゃいちゃするのは初めてで、どぎまぎしながら彼の胸に手のばす。薄いのに固くてゆるみのない体だ。昨日も思ったが。そしてまた、
「…肌きれいだよね。色白いし」
そうなのだ。妙にきめ細かくて薄い皮膚をしていて透明感があって、うらやましいぐらいだった。紗季も色黒ではないが黄みのある肌で、彼はまた白さの種類が違うのだ。うらやましい、正しく持ち腐れである。
「きれいかは知らんけど白いのは白いな、焼けんし。今はなんも思わんけど、昔は嫌やったわ」
「男の人はそうかもね」
彼の手は休まずに紗季の腹から脇にかけてを這い回り、くすぐったくて笑ってしまった。やめてよとふくれてみせると、後ろは終わったから前もと言われて壁を向かされた。
「ひょろっひょろで筋肉なかったけん、モヤシてよう言われて」
「そうなの? 筋肉質だなって思ったけど」
「今はね。仕事柄やな」
壁に手をつく姿勢はずいぶん卑猥で、前もと言ったくせに背中をつうっと撫でていく指がもどかしい。ぜったい分かってやっている。正午は本当に焦らすのが上手い。
「お仕事、何してるの?」
「大工」
なるほどと思ったが、いつの間にか待ち焦がれていた胸元に手が伸びてきて両手で包み込まれ、ぞくぞくと走り抜ける気持ちよさでしばらくまともな言葉は出せなくなった。胸の先端をくるくるといじられたり、大きな手で胸全体を柔らく揉みしだかれる。くらくらしそうなほどだ。かちかちになったものが太腿に押し付けられて、硬いそれで奥の奥まで強く突かれる快感にもう一度溺れたいとばかり思う。
「紗季ちゃん、ここヤバい」
後ろからぴったりとくっついて、耳元で熱っぽい声が低く呟く。手は胸の頂を優しく弾いて離れ、今は紗季の秘められた部分を暴いていた。左の人差し指と中指が割れ目を開いて、右手の指先全体が恥ずかしいところをさすると粘度のある音がする。ぬるぬる、と言われて紗季のそこはきゅうっと切なくなった。
「気持ちいい?」いいに決まっている、正午の指は気持ちが良くて、その先も欲しくて、こくこくと真っ赤な顔で紗季は頷いた。
「言い、気持ちいいって」
「うん…すごい、気持ちいい…」
正午くん好き、と言うとびたっと動きが止まった。
「俺も。好きや、紗季ちゃん」
好きだと言われて嬉しくて、昨日何度も正午を受け入れたところがきゅううっと反応する。
全開にしたシャワーで髪が濡れないように泡を落とされ(マメだ)手早く自分の体も洗って、正午は無言のままそれでも優しく紗季の体を拭いた。自分の方は雑な手付きで適当だった。
そのままベッドに連れ込まれて押し倒された。上から体を重ねてきて長いキスをして、そこまではよかったが正午の頭が素早くおへそのあたりまで降りていって、ぐっと太腿を押し広げられる。止める間もなく、さっきとろとろになったところに舌が這わされた。
「正午くん!やだ、やだ駄目、汚いからっ…」
「今洗ったやろ」
こんなに明るいのに、足を目一杯開かされて、秘裂の奥まで正午にぜんぶ晒している。そこに顔を埋めた彼に柔らかい舌で愛撫され、強烈な羞恥心と、それに反してもっとと望む気持ちがせめぎ合った。
「や、あっ、だめだって…」
「駄目、する」
「あ…や、んっ、…やぁっ」
何度も舐め上げられ、もうびりびりと痺れるほど感じている芽を吸い上げられる。強い快感が絶え間なく与えられて、目尻に生理的な涙がにじんだ。口ですることはあってもされることは今まであまりなかったから、こんなに奥がきゅんきゅんする感覚も初めてだ。太腿をしっかり固定している腕が動けない口実を与えてくれて、紗季は足を広げた恥ずかしい姿勢のまま気持ちの良さに溺れた。ぽうっとしたまま声も止められない。
「正午くん、正午くぅ…あ、んんっ!」
ちゅうっと音を立てて鋭く芽を吸われて、強烈に気持ちが良くて、でも怖くて思わず腰がひけた。
「こーら。逃げんな」
ずりずりと後退したらすぐ壁だった。太腿をまた掴まれる。逃げたくてももう逃げられない、逃げる気なんて本当はぜんぜんないけれど。思わず手でそこを覆うと、指の隙間から正午の指が滑り込む。
「隠した方がエロいんやって、紗季ちゃん」身を起こし、じっと紗季の表情を見つめながらそう言った。
「や、そんな見ないでよ、恥ずかしい…」
「嫌や可愛いのに」
親指の腹で、敏感な突起を押すように強く撫でられた。背が弓なりに反って喘ぐ声が大きくなるのを止められず、手の甲を口元に押し当てて必死でこらえた。あとからあとから溢れる愛液を塗りつけ突起の薄皮をくるくるとされ続けて、だんだん何か、腰の奥の方に重だるいような感覚が溜まっていくのを感じた。
「や、だめ、そこだめぇ…っ」
「駄目やないやろ、さっきよりもっとドロドロなのに」
「でも、でも、あっあ…っ」
「ん? ここやろ?」
所在なく浮いていた手を取られ、手のひらにキスしながらそう言う。間違いはなくて、そこをいじられる度に快感が走って、足先までじんじんと甘く痺れていった。こんなに気持ちいいのに、これ以上があるなんて想像もできない。できないのにそこへ近づいていることがはっきり分かるのだ。
「や、こわい、こわいからぁっ」
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「イきそう?」
たぶんそうだ。きっとこの先にあるのがそうなのだ。正午の手でイかされるならすごく嬉しいけれど、未踏の地に本能的な不安がわく。
「分かんな、や」
「イけそうやな」
「ぜったい変だも、…っ」
「大丈夫大丈夫」
「やだこわ、あ、っ…やだぁ…」
「どうなっても俺が最後までおるから」
紗季ちゃんがイったら俺めちゃくちゃ嬉しいんやけどと言われて、彼の指にいじられ続ける一点が、どんどん感覚が強くなる。気持ちいいが強くなりすぎて制御できなくて、正午の肩を強く強く掴んだ。
それでもやめてはくれなくて、彼の指は絶え間なく一番いいところを刺激し続ける。もう来る、もう超えてしまうと思った時に指をぐりりと強めに立てられて、何かがきゅううっと収縮して、何かがどっと溢れた。
「…あ、あ、だめ、だめイっちゃ…あ、あああっ!」
表情も声も取り繕えないぐらい強い感覚だった。
達した後、大きな呼吸をしながら紗季はぐったりと壁にもたれかかった。どくどくと激しく打つ脈を感じる。正午がぐいと力強く抱き寄せてきて、くっついて横になった。可愛かったと小さく言って、彼は触れるだけのキスをくれた。
「なんか…すごかった」
そうか、と笑う。嬉しそうに。腕の中に抱き込まれて背中を撫でられて、しばらくはただ息を鎮めた。いきなり重くなった体も心地よくすら感じる。
しかしそうしていると、彼のものが硬く張り詰めているままなのが気になってきた。なんだか自分だけ申し訳ない気がする。
「正午くん…」
「んー?」
手を伸ばして、そっと触れた。熱くて硬くて、先走りで先端がぬかるむ。安堵した。
「あの、正午くんも…それか…手とかでしよっか…?」
「んーー、そうやな…」
肯定ととって柔らかく握ったのだが、止められた。
「今度して。今は入れたい」
もうちょっと我慢しようと思ったんやけど、と言いながらゆっくり身を起こして、枕元からコンドームを一つ取った。昨日正午のポケットから新品が一箱出てきた時にはぎょっとして赤面したが、今はもう、今日使い切ってもおかしくないぐらいの気分だ。
「しんどかったら言い」着け終えて入り口に先端を当てると、頭を撫でて正午はそう言った。
力が入っていない紗季の足を抱え、隘路にゆっくりと割り入っていく。少しずつ。奥へと深くなるごとに、彼女はぶるりと震えて声をあげた。快感の拾い方を覚えたように見えて、それを教えてやれたことに、肉体のものではない欲が満たされる。
昨日の二度目はずいぶん正午のものに馴染んだが、今はきゅうきゅうと締め付けて飲み込もうとするようで、もっと良くなっている。とりあえず根本まで埋め込んだものの、優しくしてやれるかちょっと自信がなくなった。熱く柔らかく濡れていて狭くて、ただ思うまま紗季の奥まで突き動かしたい。しかし多少は良くしてやりたいし。
戸惑ったような顔をしたから、頬に手を当ててこちらを向かせた。
「大丈夫?」
「ん、…うん…」
浅く息をして、どうしよう、と潤んだ目でこちらを見上げて呟いた。
「なんかすごい、すごい…」
「何が?」
「昨日より気持ちいい、かも…」
あっさり余裕と理性が飛んだ。
あれこれ試そうと思っていたのに結局昨夜と同じに正常位でして、ただしその後でキスマークを内腿と膝の上とおへその横と胸元と…まあ服を着れば見えないところに増やした。それに気がついた紗季が正午にもつけるとまるで仕返しのように言うので、今彼はベッドに横たわり、下着を穿いて上はキャミソールだけを身に着けた紗季をまたがらせて悦に入っているところだ。
「…全然つかない」
彼女はそう言ってふくれている。
たぶんはたから見れば平常運転そのものなのだが、正午本人としては楽しくて仕方がない。服を着るなと言ったのを振り切った時にはチッと思ったが、じゃあ上に乗ってくれと押すと飲んだ。何がじゃあなのかよく考えればおかしな交渉なのだが。
素肌もいいが、布の上からほんのり胸の膨らみが分かるのはこれはこれでなかなか目を愉しませてくれる。痕をつけるべく屈み、正午の胸元に唇を落とすとキャミソールの中が見えて、そうやって隠れていたものを目にするのがまた良いのだ。ついでに浮かせがちな腰が不満で体重をかけろかけろと言って尻を下ろさせたので、重みを堪能できるのも良い。無防備な太腿もしっかりと味わえることだし。
「つきにくいんよ、俺」
「えー、だってこんなに色白いのに」
「いや色は関係ないやろ」
「ないの?」
「知らんけど」
あちこち試しはじめたので、唇が体のそこかしこに落ちてきてとても可愛い。ちゅうううっと音を立てては、まただめだとがっかりして呟く。頭を撫でながらしばらく好きにさせておいた。
本人は大柄なのを気にしている節があったが、正午としてはとてもしっくり来る体だと思っている。紗季ぐらいあると変な気遣いをしなくていい。華奢で折れそうみたいな風情にはあまり食指が動かないのだ。折りそうだし、大体ガリガリなのは自分だけで充分だと思う。
もちろん口には出さないが。
「…あ!」
諦めたように身を起こした紗季がそう言って、手を口元に当てて固まった。
「何?」
「ごめん、ついちゃってた。痕」
「お、やったやん。えらいえらい」
「もー!えらくないよ、ここたぶん服着ても見えちゃう…」
「どこつけたん?」
困ったように眉が下がる。ここ、と言いにくそうにしながら指で押さえたのは首の横あたりだった。たしかにここはどうやっても隠れない。えらく申し訳なさげにするので、一瞬じゃあ俺にもつけさせろと言おうかと思ったがやめておいた。紗季のことだからまともに取って考えそうだし、悩まれても楽しくはない。そもそも正午は気にしないのだ。
「ああ。ええよ」
「ええ?!だってここ…」
「俺は別に気にせんよ。彼女とラブラブなんやなぐらいのもんやん、こんなん」
「えっ」
「えって何?」
おい。なぜここで黙る。
「紗ー季ちゃん」
彼女を乗せたまま起き上がって腰を引き、壁に寄りかかった。紗季はあぐらの上に向かい合わせでまたがる格好になり、肩をすくめて縮こまろうとするのを阻止して自分の首に腕を回させた。正午の腕は腰にやり、ぐっと体を引き寄せる。
「今のえっは何なん?」
「…」
言えとうながすと、おずおず口を開いた。
「私達、付き合うん…だよ、ね?」やっぱりだ。
それはそうだろうと言いかけて、念押しのための逆張りをしてみた。
「セフレがええならそっちにする?」
「え…」
セフレと言われて露骨にショックな顔をしたので、よしよしと間を置かずに続けた。後腐れのない関係をご所望だったとしたらちょっとがっかりするところだった、自分の見る目にも。
「別にかまわんよ。俺からは彼女扱いするけどな」
かあっと赤くなった紗季が手で顔を隠そうとするので、手首を掴んで両腕ごと体を引き寄せてキスをした。んー、と抵抗するから手を離せば、こちらに体を預けて抱きついてくる。そうそう、初めから素直になればいいのだ。
「やだ。ちゃんと彼女がいい」
「そうやろ」
調子に乗って下着に手を突っ込んで両手でお尻を揉みしだくと、軽くはたかれた。
「もうだめ!…ねえねえ、お腹すいちゃった。朝ごはん食べない?」
なんか私こればっかり言ってる、と言うから笑ってしまった。
食パンを買ってきてあるらしいので(進歩している)昨日も使った冷凍庫のハムを焼いて、ポテトサラダの残りを合わせて朝食にすることにした。
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