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キーホルダーとなるとかえって悩む。何か好きな球団や映画や、そういうものがあればいいのだが今のところそんな話は聞いていない。それにこれからあれこれ好みを訊くのも気をつかわせてしまう気がした。
ブランドものは違う気がするし、アクセサリー系のものだと運転中に邪魔になりそうだ。小さすぎるのも良くない。革製品あたりが無難かとは思ったが、選択肢がある上にはっきりとしたイメージを持っていないままなので目星がつく気配すらなかった。ネット検索はこういうときには弱い。
パソコンをシャットダウンしてから寝入るまでも考え続け、朝起きて会社についてもアイデアが浮かばずに結局友人に泣きついた。
『ゆうこたすけて』
瀕死のメッセージに夕方返答があって、その日の夜に通話をかけた。
「えーキーホルダー?それは逆に難しくない?」
「そうなのー!」
「しかもあと、え?何日だっけ?あんま間がないよねたしか?」
「ないの…火曜日…」
「まあ土日あるだけましだね…」
おっしゃる通りである。しかし日曜は正午と過ごしたいから、実質プレゼントハントに使えるのは土曜日だけだ。頼む側で図々しいがそう言うと、じゃあ土曜の朝イチから探しに行くよ!と気にした風もなく即答された。張った声につられたのか、背後でにゃーんと鳴き声がする。
「いい?いいの?助かるううー」
「ちょっと紗季のところからは遠いけど、M駅なら雑貨屋さん多いし別のとこにも出やすいから、どう?」
否やもない。服屋のレジ前にも小物は置いてあるからびっちり見て回ろうと提案され、頼もしい限りで拝みたくなる。
「歩ける靴でおいでよね」
「もちろん!お世話になります、当日はせめてご飯もお茶も全部まかせて」
「えーうそ、甘えちゃおっかなー」
玲美とリサに配布するアジェンダの項目がまた増えたねと笑って、通話を終えた。
決戦は土曜日、である。語呂がやや悪いが。
歩きやすいバレエシューズに両手が空くショルダーバッグに温度調整のしやすい重ね着と気合いを入れて来たら、優子はそれを上回ったスポーティーなマウンテンパーカーにデニムにスニーカー、そしてリュックでやって来た。
「登山?」
「紗季の恋の十合目を記念して」
どうだと胸を張ってみせる。髪を切ったせいなのかなんなのか、ずいぶん快活な雰囲気に転じたものだと思う。
「それだとこれから下山になっちゃうんだけど」
「下山はゆっくり景色見ながら二人でだから」
「なんか優子のテンションが変!」
「えーだって楽しみで。紗季のコイバナ進行にリアタイで付き合うの、いつ振りかなあ」
くすくす笑い合いながら、普段乗らない路線へ向かう。茶化してしまったが嬉しかったから、私も楽しみだったよと言った。ありがとうと続けると優子は笑って首を振る。
「目星つけられた?系統とかだけでも」
「うーん…レザーかなとは思ってるけど、でも決められてない。全然。いいのがあったらで」
「ふむ。難しいオーダーだよね、それ」
「ごめんー。でもあんまりごてごてしてなくて、あと実用的なのがいいってとこだけは決まってる!」
「メンズは大体そうじゃない?」
ごもっともである。
立つ人々の間にゆとりがまだある程度には空いている電車で駅へ向かいながら、本日の必達アイテムから車、車から実家、実家から高校と話題を移ろわせた。見慣れない車窓の風景が物珍しい。
「北館と体育館、建て替えるらしいよ」
「えっそうなの?古かったもんねえ」
「そうそう、窓枠とか木でさあ。二年のとき冬すっごい寒かったよね」
「だったー!」
建て替え後は教室に空調がつくらしいと聞いて、時代の流れを感じた。そういえば紗季の彼氏はどんなものを建てているのかと訊かれ、よく知らないと言うと驚かれる。
「毎日ちゃんと仕事してるし、そんな急いで聞くことでもないかなって…あ、でもこの間行ってたおうちの改築でお客さんの犬が可愛かったって言ってたし、そんな大規模なものはしてないと思う」
「将来のこととか考えてる?貯金ありそう?」
「早くない?まだ一ヶ月とかだよ」
「早くないでしょ。えっこの歳になったら考えない?探り入れない?付き合うときに」
「ああ、付き合う時点で」
さすが堅実と呼ばれるだけある。しかし今回の場合はちょっとばかりイレギュラーかつ申し上げにくい背景があるので、本音を言えばあまり突っ込まれたくはない。
「その時点では考えなかった…かなー…」
「…紗季自身は?今の彼氏先のこと考えられそう?」
トーンは変わらなかったが、心配してくれているのかもしれない。前の彼氏とふんわりとではあったが結婚の話が出たのに険悪になって終わったからか、友人達と話していると気をつかってくれる気配を感じることが時折あった。
「一緒に住んだらなんか、いいかもって思ったりは、する」
次の駅を告げる車掌の声が車内に流れる。
「そっか」
アナウンスが終わるまで間が空いて、どことなく晴れた声音の相槌が返ってきた。大人になると黙ることも、喋らないうちにある空気をそのままにしておくことも覚えるなと思う。横に並び、流れていく街並みを見るともなしに二人黙って眺めながら、あまり口数の多くない、自分よりずっと大人なところのある恋人を思い出していた。
ストレートな言葉を避けたのは、その話をいつかするなら初めは正午とがいいと思ったからだ。
誰かとそのうち結婚するかもしれない。一人でできることではないしこの先のことなど分からないが、可能性で言うなら相手が正午でもおかしくないわけだ。もしもの日々を想像して、ほのかに胸暖まる気持ちがした。
キーホルダーは無事に買えた。ネットで探している時はどれもぴんと来なかったが、実物を見て回ると選びたい放題と言っていいぐらいで、あんなに不安に思っていたのにすぐに決まったのだ。ラッピング用品を追加で買って行き当たった雑貨屋で底見えしていたのを思い出してアイシャドウを買い、昼食を優子と食べるべく店を探し、それでもまだまだ時間は早かった。
「スムーズだったね」
「優子さまさまです」
「私何もしてないよー」
紗季がごちそうすることにしたバリ料理のランチを食べながら、優子は愉快そうだ。まあ分からないではない。アジェンダがどんどん長くなる。
「今日はもう食べたら帰りなね。早く帰ってぴっかぴかに身支度しないと」
時間は大丈夫だと言おうとしたが、だめだめと遮られた。片手は遮ったポーズのまま背後のリュックを探り、何かの袋を取り出す。
「これも使って、良かったら」
「えっ」
袋からさらに出てきたパッケージはバスボムだった。これは、これは知っている、なかなかいいお値段がする品物だ。
「受け取らないはなしだからね」口を開きかけたところに先手を打たれた。
「…ありがとう」
「これね、玲美とリサの分も入ってるから。今日二人来れないけど何かしたいって言ってて。だからきちんと使うんだぞ」
「ちょっと泣かせないで」
三割するほどの値段じゃないけどそこはまあねと照れ隠しにおどけられて、友達の優しさが身にしみた。
しみたのだが、使うチャンスはなかった。正午が翌日仕事になってしまったからだ。帰りの電車で連絡を受けて、いわく県を跨いで早朝から例の社長と出かけるのだそうだから浮かれた気持ちは静かになってしまった。正直に言えばかなり残念である。残念であるが仕事が優先だ。
『何も用意してないけど、うち来る?』
早めに帰せばかまわないだろう。かまわないと言ってくれ。
誕生日当日じゃなくて良かったことにしようと気が抜けた思いで電車に揺られ、行くと一言だけ来た返事にそれでも顔は綻んだ。
「悪い」
「いいよそんなの、お仕事だもん」
律儀に駅まで来た正午はいつも通りに紗季のバッグを持ち、手をとって歩き始めた。隣を歩く紗季の方は少しどきどきしている。バッグにはプレゼントの包みが入っているからだ。あまりごそごそいってくれるなと思いながら平静を装う。
「代休とかあるの?ちゃんと」
「分からん」
仕事の詰まり具合によるが年末が目前で立て込んでいるからおそらくない、のだそうだ。そもそも代休というものがないらしい(代休って何、と訊かれた)。平日に時間が空いたりするとも言うが、依頼があれば行かねばならないのだからなかなか大変である。
「そっか、会社勤めとは色々違うんだね」
「俺は会社員の方がよう分からん」
生活時間帯がずれがちな人と暮らすのはどんな生活になるのだろうとつい考えて、正午の隣で密かに照れた。出かけた後や仕事終わり、時間が合えばこうやって並んで歩いて、今日は何があっただとか夕食に何を作るかだとか話す。それからスーパーに寄って食材を買って帰って、リクエストされたものを作るのだ(妄想の中ではもう紗季は料理ができるようになっている)。
「今日はおうち帰るよね?」
ん、と頷くのがどことなく不本意そうなのは先入観でもないだろう。こういうふとした時に、紗季は彼をとても可愛いと思う。
「残念だけど、またお休みの日は来るしね」
「まあな」
「二十日はケーキ買ってくるよ。会社の近くにおいしいお店があるんだ」
二人とも仕事の火曜日だが、それぐらいはしたい。気の張る外食は好きではないというし(なら智哉の店はどうかと言ったら、冷やかされるから嫌だと言われた。そういう気持ちが存在したのか)手料理でもてなすなど紗季には無理である。折り合いをつけられる落としどころはケーキぐらいだったのだ。
「ええよ、気いつかわんで」
「もう予約しちゃった」
そうなん、と言った後に彼はちょっと笑った。思わずというように俯いて。少しだけはにかんだような、少年だった頃の彼が見えるような笑い方がとても可愛くて、帰したくないってこういう気持ちかと胸がいっぱいになった。
「…また来週ね、お泊り」
そのあたりでマンションに着いた。
ブランドものは違う気がするし、アクセサリー系のものだと運転中に邪魔になりそうだ。小さすぎるのも良くない。革製品あたりが無難かとは思ったが、選択肢がある上にはっきりとしたイメージを持っていないままなので目星がつく気配すらなかった。ネット検索はこういうときには弱い。
パソコンをシャットダウンしてから寝入るまでも考え続け、朝起きて会社についてもアイデアが浮かばずに結局友人に泣きついた。
『ゆうこたすけて』
瀕死のメッセージに夕方返答があって、その日の夜に通話をかけた。
「えーキーホルダー?それは逆に難しくない?」
「そうなのー!」
「しかもあと、え?何日だっけ?あんま間がないよねたしか?」
「ないの…火曜日…」
「まあ土日あるだけましだね…」
おっしゃる通りである。しかし日曜は正午と過ごしたいから、実質プレゼントハントに使えるのは土曜日だけだ。頼む側で図々しいがそう言うと、じゃあ土曜の朝イチから探しに行くよ!と気にした風もなく即答された。張った声につられたのか、背後でにゃーんと鳴き声がする。
「いい?いいの?助かるううー」
「ちょっと紗季のところからは遠いけど、M駅なら雑貨屋さん多いし別のとこにも出やすいから、どう?」
否やもない。服屋のレジ前にも小物は置いてあるからびっちり見て回ろうと提案され、頼もしい限りで拝みたくなる。
「歩ける靴でおいでよね」
「もちろん!お世話になります、当日はせめてご飯もお茶も全部まかせて」
「えーうそ、甘えちゃおっかなー」
玲美とリサに配布するアジェンダの項目がまた増えたねと笑って、通話を終えた。
決戦は土曜日、である。語呂がやや悪いが。
歩きやすいバレエシューズに両手が空くショルダーバッグに温度調整のしやすい重ね着と気合いを入れて来たら、優子はそれを上回ったスポーティーなマウンテンパーカーにデニムにスニーカー、そしてリュックでやって来た。
「登山?」
「紗季の恋の十合目を記念して」
どうだと胸を張ってみせる。髪を切ったせいなのかなんなのか、ずいぶん快活な雰囲気に転じたものだと思う。
「それだとこれから下山になっちゃうんだけど」
「下山はゆっくり景色見ながら二人でだから」
「なんか優子のテンションが変!」
「えーだって楽しみで。紗季のコイバナ進行にリアタイで付き合うの、いつ振りかなあ」
くすくす笑い合いながら、普段乗らない路線へ向かう。茶化してしまったが嬉しかったから、私も楽しみだったよと言った。ありがとうと続けると優子は笑って首を振る。
「目星つけられた?系統とかだけでも」
「うーん…レザーかなとは思ってるけど、でも決められてない。全然。いいのがあったらで」
「ふむ。難しいオーダーだよね、それ」
「ごめんー。でもあんまりごてごてしてなくて、あと実用的なのがいいってとこだけは決まってる!」
「メンズは大体そうじゃない?」
ごもっともである。
立つ人々の間にゆとりがまだある程度には空いている電車で駅へ向かいながら、本日の必達アイテムから車、車から実家、実家から高校と話題を移ろわせた。見慣れない車窓の風景が物珍しい。
「北館と体育館、建て替えるらしいよ」
「えっそうなの?古かったもんねえ」
「そうそう、窓枠とか木でさあ。二年のとき冬すっごい寒かったよね」
「だったー!」
建て替え後は教室に空調がつくらしいと聞いて、時代の流れを感じた。そういえば紗季の彼氏はどんなものを建てているのかと訊かれ、よく知らないと言うと驚かれる。
「毎日ちゃんと仕事してるし、そんな急いで聞くことでもないかなって…あ、でもこの間行ってたおうちの改築でお客さんの犬が可愛かったって言ってたし、そんな大規模なものはしてないと思う」
「将来のこととか考えてる?貯金ありそう?」
「早くない?まだ一ヶ月とかだよ」
「早くないでしょ。えっこの歳になったら考えない?探り入れない?付き合うときに」
「ああ、付き合う時点で」
さすが堅実と呼ばれるだけある。しかし今回の場合はちょっとばかりイレギュラーかつ申し上げにくい背景があるので、本音を言えばあまり突っ込まれたくはない。
「その時点では考えなかった…かなー…」
「…紗季自身は?今の彼氏先のこと考えられそう?」
トーンは変わらなかったが、心配してくれているのかもしれない。前の彼氏とふんわりとではあったが結婚の話が出たのに険悪になって終わったからか、友人達と話していると気をつかってくれる気配を感じることが時折あった。
「一緒に住んだらなんか、いいかもって思ったりは、する」
次の駅を告げる車掌の声が車内に流れる。
「そっか」
アナウンスが終わるまで間が空いて、どことなく晴れた声音の相槌が返ってきた。大人になると黙ることも、喋らないうちにある空気をそのままにしておくことも覚えるなと思う。横に並び、流れていく街並みを見るともなしに二人黙って眺めながら、あまり口数の多くない、自分よりずっと大人なところのある恋人を思い出していた。
ストレートな言葉を避けたのは、その話をいつかするなら初めは正午とがいいと思ったからだ。
誰かとそのうち結婚するかもしれない。一人でできることではないしこの先のことなど分からないが、可能性で言うなら相手が正午でもおかしくないわけだ。もしもの日々を想像して、ほのかに胸暖まる気持ちがした。
キーホルダーは無事に買えた。ネットで探している時はどれもぴんと来なかったが、実物を見て回ると選びたい放題と言っていいぐらいで、あんなに不安に思っていたのにすぐに決まったのだ。ラッピング用品を追加で買って行き当たった雑貨屋で底見えしていたのを思い出してアイシャドウを買い、昼食を優子と食べるべく店を探し、それでもまだまだ時間は早かった。
「スムーズだったね」
「優子さまさまです」
「私何もしてないよー」
紗季がごちそうすることにしたバリ料理のランチを食べながら、優子は愉快そうだ。まあ分からないではない。アジェンダがどんどん長くなる。
「今日はもう食べたら帰りなね。早く帰ってぴっかぴかに身支度しないと」
時間は大丈夫だと言おうとしたが、だめだめと遮られた。片手は遮ったポーズのまま背後のリュックを探り、何かの袋を取り出す。
「これも使って、良かったら」
「えっ」
袋からさらに出てきたパッケージはバスボムだった。これは、これは知っている、なかなかいいお値段がする品物だ。
「受け取らないはなしだからね」口を開きかけたところに先手を打たれた。
「…ありがとう」
「これね、玲美とリサの分も入ってるから。今日二人来れないけど何かしたいって言ってて。だからきちんと使うんだぞ」
「ちょっと泣かせないで」
三割するほどの値段じゃないけどそこはまあねと照れ隠しにおどけられて、友達の優しさが身にしみた。
しみたのだが、使うチャンスはなかった。正午が翌日仕事になってしまったからだ。帰りの電車で連絡を受けて、いわく県を跨いで早朝から例の社長と出かけるのだそうだから浮かれた気持ちは静かになってしまった。正直に言えばかなり残念である。残念であるが仕事が優先だ。
『何も用意してないけど、うち来る?』
早めに帰せばかまわないだろう。かまわないと言ってくれ。
誕生日当日じゃなくて良かったことにしようと気が抜けた思いで電車に揺られ、行くと一言だけ来た返事にそれでも顔は綻んだ。
「悪い」
「いいよそんなの、お仕事だもん」
律儀に駅まで来た正午はいつも通りに紗季のバッグを持ち、手をとって歩き始めた。隣を歩く紗季の方は少しどきどきしている。バッグにはプレゼントの包みが入っているからだ。あまりごそごそいってくれるなと思いながら平静を装う。
「代休とかあるの?ちゃんと」
「分からん」
仕事の詰まり具合によるが年末が目前で立て込んでいるからおそらくない、のだそうだ。そもそも代休というものがないらしい(代休って何、と訊かれた)。平日に時間が空いたりするとも言うが、依頼があれば行かねばならないのだからなかなか大変である。
「そっか、会社勤めとは色々違うんだね」
「俺は会社員の方がよう分からん」
生活時間帯がずれがちな人と暮らすのはどんな生活になるのだろうとつい考えて、正午の隣で密かに照れた。出かけた後や仕事終わり、時間が合えばこうやって並んで歩いて、今日は何があっただとか夕食に何を作るかだとか話す。それからスーパーに寄って食材を買って帰って、リクエストされたものを作るのだ(妄想の中ではもう紗季は料理ができるようになっている)。
「今日はおうち帰るよね?」
ん、と頷くのがどことなく不本意そうなのは先入観でもないだろう。こういうふとした時に、紗季は彼をとても可愛いと思う。
「残念だけど、またお休みの日は来るしね」
「まあな」
「二十日はケーキ買ってくるよ。会社の近くにおいしいお店があるんだ」
二人とも仕事の火曜日だが、それぐらいはしたい。気の張る外食は好きではないというし(なら智哉の店はどうかと言ったら、冷やかされるから嫌だと言われた。そういう気持ちが存在したのか)手料理でもてなすなど紗季には無理である。折り合いをつけられる落としどころはケーキぐらいだったのだ。
「ええよ、気いつかわんで」
「もう予約しちゃった」
そうなん、と言った後に彼はちょっと笑った。思わずというように俯いて。少しだけはにかんだような、少年だった頃の彼が見えるような笑い方がとても可愛くて、帰したくないってこういう気持ちかと胸がいっぱいになった。
「…また来週ね、お泊り」
そのあたりでマンションに着いた。
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