ブリッジガール・サオトメ

おれんじふるーつ

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第一部 初めてのデート編

早乙女、告白される

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 その日、早乙女冬美は校舎の屋上に寝転がって空を眺めていた。
 予定をドタキャンされ、放課後突然暇になり、仕方ない少し勉強してから帰宅するか、数学と英語どちらをしようか、少し悩んでから数学を選んだものの数学の教材を家に置き忘れていたことに気が付き、あーもう今更英語の勉強する気にならねえよ、やってられねえな、ふてくされて今に至るのである。
 流れていく雲と青空を見ながら、今日は実にいい天気だ、わはは、などと考えていた早乙女は突然両手両足を地面につけて仰向けになりながら腰を浮かせた。
 ブリッジである。
 彼女はなぜブリッジをしだしたのか。強いてあげれば暇だったからである。はっきりとした理由はない。
 ブリッジをしながら彼女はもう一度、今日はいい天気だ、と心の中で呟いた。

「あ、早乙女さんだ」
 いきなり声をかけられた。
「うわ」
 慌てる早乙女。
「何してたの」
「何でもないよ」
「ふぅん」
 早乙女と徳山(早乙女に声をかけてきた彼女のクラスメート)の間に沈黙が流れる。
 気まずい。
 変なことしているの見られた。
 誰にも言うんじゃねえぞ徳山。わかっているな。
 早乙女は徳山に無言で圧をかけた。
 
 沈黙の時間はしばらく続いた。それを破ったのは徳山のほうだった。
「早乙女さん、僕と付き合ってくれませんか」
「え、どゆこと」
 突然の告白。
 意味が分からない。
「僕、早乙女さんのこと好きです」
「…いつから?」
「さっきから」
「さっきから!?」
 どんどん訳が分からなくなる。混乱する早乙女。
「さっきの一人ブリッジを見てね、こんな人と一緒にいれたら楽しいだろうなって思った」
 それは楽しいというより面白いではないのか。
 こんな告白をされても馬鹿にされていると考える人が大半だろう。
 しかし。
 早乙女は彼氏が欲しかった。
「わかった。じゃあ今日から私たちはカップルってことで」
 彼女は徳山の申し出を受け入れた。
 それから二人は握手を交わした。
「よろしくね、早乙女さん」
「よろしく」
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