1 / 7
第一部 初めてのデート編
早乙女、告白される
しおりを挟む
その日、早乙女冬美は校舎の屋上に寝転がって空を眺めていた。
予定をドタキャンされ、放課後突然暇になり、仕方ない少し勉強してから帰宅するか、数学と英語どちらをしようか、少し悩んでから数学を選んだものの数学の教材を家に置き忘れていたことに気が付き、あーもう今更英語の勉強する気にならねえよ、やってられねえな、ふてくされて今に至るのである。
流れていく雲と青空を見ながら、今日は実にいい天気だ、わはは、などと考えていた早乙女は突然両手両足を地面につけて仰向けになりながら腰を浮かせた。
ブリッジである。
彼女はなぜブリッジをしだしたのか。強いてあげれば暇だったからである。はっきりとした理由はない。
ブリッジをしながら彼女はもう一度、今日はいい天気だ、と心の中で呟いた。
「あ、早乙女さんだ」
いきなり声をかけられた。
「うわ」
慌てる早乙女。
「何してたの」
「何でもないよ」
「ふぅん」
早乙女と徳山(早乙女に声をかけてきた彼女のクラスメート)の間に沈黙が流れる。
気まずい。
変なことしているの見られた。
誰にも言うんじゃねえぞ徳山。わかっているな。
早乙女は徳山に無言で圧をかけた。
沈黙の時間はしばらく続いた。それを破ったのは徳山のほうだった。
「早乙女さん、僕と付き合ってくれませんか」
「え、どゆこと」
突然の告白。
意味が分からない。
「僕、早乙女さんのこと好きです」
「…いつから?」
「さっきから」
「さっきから!?」
どんどん訳が分からなくなる。混乱する早乙女。
「さっきの一人ブリッジを見てね、こんな人と一緒にいれたら楽しいだろうなって思った」
それは楽しいというより面白いではないのか。
こんな告白をされても馬鹿にされていると考える人が大半だろう。
しかし。
早乙女は彼氏が欲しかった。
「わかった。じゃあ今日から私たちはカップルってことで」
彼女は徳山の申し出を受け入れた。
それから二人は握手を交わした。
「よろしくね、早乙女さん」
「よろしく」
予定をドタキャンされ、放課後突然暇になり、仕方ない少し勉強してから帰宅するか、数学と英語どちらをしようか、少し悩んでから数学を選んだものの数学の教材を家に置き忘れていたことに気が付き、あーもう今更英語の勉強する気にならねえよ、やってられねえな、ふてくされて今に至るのである。
流れていく雲と青空を見ながら、今日は実にいい天気だ、わはは、などと考えていた早乙女は突然両手両足を地面につけて仰向けになりながら腰を浮かせた。
ブリッジである。
彼女はなぜブリッジをしだしたのか。強いてあげれば暇だったからである。はっきりとした理由はない。
ブリッジをしながら彼女はもう一度、今日はいい天気だ、と心の中で呟いた。
「あ、早乙女さんだ」
いきなり声をかけられた。
「うわ」
慌てる早乙女。
「何してたの」
「何でもないよ」
「ふぅん」
早乙女と徳山(早乙女に声をかけてきた彼女のクラスメート)の間に沈黙が流れる。
気まずい。
変なことしているの見られた。
誰にも言うんじゃねえぞ徳山。わかっているな。
早乙女は徳山に無言で圧をかけた。
沈黙の時間はしばらく続いた。それを破ったのは徳山のほうだった。
「早乙女さん、僕と付き合ってくれませんか」
「え、どゆこと」
突然の告白。
意味が分からない。
「僕、早乙女さんのこと好きです」
「…いつから?」
「さっきから」
「さっきから!?」
どんどん訳が分からなくなる。混乱する早乙女。
「さっきの一人ブリッジを見てね、こんな人と一緒にいれたら楽しいだろうなって思った」
それは楽しいというより面白いではないのか。
こんな告白をされても馬鹿にされていると考える人が大半だろう。
しかし。
早乙女は彼氏が欲しかった。
「わかった。じゃあ今日から私たちはカップルってことで」
彼女は徳山の申し出を受け入れた。
それから二人は握手を交わした。
「よろしくね、早乙女さん」
「よろしく」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる