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第一部 初めてのデート編
早乙女、デートの約束をする
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ブリッジ目撃事件の翌日の放課後、二人は学校近所の喫茶店にいた。まずはお互いのことをよく知ろう! 聞きたいことは何でも聞いてね! 聞かれたことには必ず答えるよ! そういう趣旨の懇親会を開いたのである。
しかしこの懇親会は失敗だった。二人とも相手に聞きたいことが特になかったのである。大半はどうでもいい世間話に費やされ、大した収穫もないまま会はお開きになった。
その帰り道、徳山がこんなことを言い出した。
「今度、早乙女さんとデートに行きたいな」
眉を顰める早乙女。
「え、今のはデートじゃないの?」
「今のもデートだけど、もっとちゃんとしたデートがしたい」
「ははあ」
とりあえずうなずいておく。
「どっか行きたいとこあんの」
「えーっとね」
徳山は少し口ごもった。
「ボーリングに行きたい」
「あー、ボーリング。いいっすね。いつ行く?」
「今週の土曜日はどう?」
「空いてる」
「じゃあ土曜日にしよう。忘れないでね早乙女さん」
「あーい」
早乙女は気だるげな返事をした。
実は最後の気だるげな返事は照れ隠しである。早乙女は心の中で大爆笑をしていた。えらいことになったぞ早乙女。週末にクラスの男子と二人でボーリングデートだ。なんてこったい。笑いが止まらんのである。
早乙女は今まで誰かと付き合ったことなどなかった。彼氏など一生できんわとも思っていた。そんな自分がデートに行くという事実。さすがに笑う。
その日、早乙女は一日中爆笑していた。
翌日、クラスでは早乙女冬美×徳山ソラの噂でもちきりだった。誰かが喫茶店に二人でいたところに出くわし、言いふらしたのである。
しかしこの懇親会は失敗だった。二人とも相手に聞きたいことが特になかったのである。大半はどうでもいい世間話に費やされ、大した収穫もないまま会はお開きになった。
その帰り道、徳山がこんなことを言い出した。
「今度、早乙女さんとデートに行きたいな」
眉を顰める早乙女。
「え、今のはデートじゃないの?」
「今のもデートだけど、もっとちゃんとしたデートがしたい」
「ははあ」
とりあえずうなずいておく。
「どっか行きたいとこあんの」
「えーっとね」
徳山は少し口ごもった。
「ボーリングに行きたい」
「あー、ボーリング。いいっすね。いつ行く?」
「今週の土曜日はどう?」
「空いてる」
「じゃあ土曜日にしよう。忘れないでね早乙女さん」
「あーい」
早乙女は気だるげな返事をした。
実は最後の気だるげな返事は照れ隠しである。早乙女は心の中で大爆笑をしていた。えらいことになったぞ早乙女。週末にクラスの男子と二人でボーリングデートだ。なんてこったい。笑いが止まらんのである。
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その日、早乙女は一日中爆笑していた。
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