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第三話
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琴音は朝からご機嫌だった。
今日は、職場の男性とデートの約束をしているからだ。
前の店で色々とあって、異動の希望を出して転勤した店に丁度、アルバイトで入って来たのがサンドだった。だから、お店での経験年数は同じで、琴音の方は勝手に同期の様に思って接して来た。
そのサンドと今日、食事に行くのだ。
普段、夜勤の時は余り化粧しないけど、今日はバッチリ1時間掛けて仕上げた。
でも、"私って気付いてくれるかなぁ"と独言。
約束の時間にはまだ余裕があるけれど、家でじっとして居られず、外に出た。
その頃、道夫は、なんでこうなったんだろうと、何度もあの日の事を想い返すが、決定的な所で記憶が曖昧になる。
仕方ない、約束したんだからご飯だけ食べたら帰ろうと、決意して家を出た。
~~~ ♪♪♪ ~~~
ハチ公の像の所で、5時の待ち合わせだ。
二人とも、5分前に現れ、お互いが
「あ!…」と驚いた声を出した。
「山田さん、綺麗なんで声が出ちゃいました…」と世辞を交えて挨拶した。
琴音は心の声で、"普段どんな風に見えてるんや?"、"でも、綺麗って言われたよなぁ"と一人ニヤけてしまった。
「サンドは、いつもどうりかっこいいよ」って照れながら言ったが、人の行き交う雑踏で道夫には聞こえて無い。
道夫は先ず、お店に入りましょうと、言ったものの何処に行って良いのか解ら無いので、琴音に助けを求めた。
「僕、渋谷ってあまり知らないんで、山田さんにお店決めてもらってもいいですか?」
琴音は頷くと、道玄坂の方を指刺し、道夫と横に並んで歩いた。
ビルの2階にあるイタリアンの店に入り、適当に注文して、ビールで乾杯した。
「お酒飲めるんだよね?」
「たぶん…」 大学に入って、倶楽部の歓迎会以来の酒なのでよくわからないが素直な答えだ。
2時間後、タクシーを降りると道夫は、琴音の肩を借りて歩いていた。
「あなた全然飲めないじゃない?…、ビールニ杯でこんなになって、部屋は何処?」
やっと、家まで運んでもらい、道夫はベッドに倒れ込んだ。
「やれやれ、こんな筈じゃなかったのに、もう!!」
「グゥー、ガァー」
道夫はイビキをかいている。
ついでに道夫の部屋を見回し、彼女の痕跡を探すも、見つからなかった。
そして、ここに居ても仕方ないので帰ろうと思い、道夫の耳元で
「今日は、ありがとう」
琴音は、寝ている道夫の唇にキスをして、部屋を出た。
今日は、職場の男性とデートの約束をしているからだ。
前の店で色々とあって、異動の希望を出して転勤した店に丁度、アルバイトで入って来たのがサンドだった。だから、お店での経験年数は同じで、琴音の方は勝手に同期の様に思って接して来た。
そのサンドと今日、食事に行くのだ。
普段、夜勤の時は余り化粧しないけど、今日はバッチリ1時間掛けて仕上げた。
でも、"私って気付いてくれるかなぁ"と独言。
約束の時間にはまだ余裕があるけれど、家でじっとして居られず、外に出た。
その頃、道夫は、なんでこうなったんだろうと、何度もあの日の事を想い返すが、決定的な所で記憶が曖昧になる。
仕方ない、約束したんだからご飯だけ食べたら帰ろうと、決意して家を出た。
~~~ ♪♪♪ ~~~
ハチ公の像の所で、5時の待ち合わせだ。
二人とも、5分前に現れ、お互いが
「あ!…」と驚いた声を出した。
「山田さん、綺麗なんで声が出ちゃいました…」と世辞を交えて挨拶した。
琴音は心の声で、"普段どんな風に見えてるんや?"、"でも、綺麗って言われたよなぁ"と一人ニヤけてしまった。
「サンドは、いつもどうりかっこいいよ」って照れながら言ったが、人の行き交う雑踏で道夫には聞こえて無い。
道夫は先ず、お店に入りましょうと、言ったものの何処に行って良いのか解ら無いので、琴音に助けを求めた。
「僕、渋谷ってあまり知らないんで、山田さんにお店決めてもらってもいいですか?」
琴音は頷くと、道玄坂の方を指刺し、道夫と横に並んで歩いた。
ビルの2階にあるイタリアンの店に入り、適当に注文して、ビールで乾杯した。
「お酒飲めるんだよね?」
「たぶん…」 大学に入って、倶楽部の歓迎会以来の酒なのでよくわからないが素直な答えだ。
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「あなた全然飲めないじゃない?…、ビールニ杯でこんなになって、部屋は何処?」
やっと、家まで運んでもらい、道夫はベッドに倒れ込んだ。
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「グゥー、ガァー」
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ついでに道夫の部屋を見回し、彼女の痕跡を探すも、見つからなかった。
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