病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。

べちてん

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42話目 バトルロワイアル④

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時は流れて2日目の朝だ。

私たちは交代で睡眠をとった。

特に敵が襲ってくるとかはなく、暇な時間が流れた。

洞窟内はずっと暗いので次の日になった実感が湧かない。

「さあ、今日の行動を発表します!!」

「お!?」

「今日はひたすらこの洞窟にこもります。」

では、本日の作戦を説明しよう。

今の時刻は午前8時丁度、私たちは2日目は特にプレイヤーが活発に動き回り、争いが各地で多発すると考えた。

私たちのパーティーは2人。

4人のパーティーと戦闘になった場合、戦う前から人数において不利な状態となっており、むやみやたらに戦闘をするのは危険だ。

様々な理由が重なり、本日は洞窟の外へは出ない作戦となった。

実は昨日私が先に睡眠をとったのだけれど、寝るまでの数時間、暇すぎて発狂しそうになったのです。

それが今度は丸1日!!

ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!

精神がおかしくなりそう!!!

ゲームは娯楽なのに!!!!!



夜が明け、フィールドの中にある小さな洞窟。

その中にげっそりとした表情で座り込んでいる少女が二人。

イベントから3日目の朝です。


「はぁ……。昨日はほんとに暇だったわね。」

「ほんとだよ。」

結局昨日は本当にすることがなかったのだ。

フィールドの境界線もまだまだ遠く。

洞窟に突撃してくる輩もいなかった。

しかし、パーティーの数はすでに半分ほどにまで減っており、昨日はひたすら減っていくパーティーの数字を眺めながら過ごしていた。

生きているうえで最も怖いものは何だろう。

それは場合によって変化するだろうけれど、私は退屈なことだと思う。

何もすることがないというのは恐怖だ。

ただくらい密閉空間。

何もすることがなく、天井からしみ出すしずくの滴る音を聞きながら洞窟の壁面をただ眺める。

メアリーがいたからいいじゃないかって?

確かに私もそう思っていた。

しかし、私とメアリーは驚くほど趣味が合わないことが判明した。

というより2人とも趣味がなく、基本的にずっとサンライズオンラインをプレイしているため話すネタがないのだ。

私はともかくメアリーまで話すネタがないのにはびっくりした。

私はリアルのことを詳しく聞く気はないのでそこらへんは言及しないが。

メアリーも私のリアルは聞いてこない。

これくらいの関係がネットの世界においてはちょうどいいのだ。

でも1回リアルであってみたいな、とは思う。

あ、私たちはこっちがリアルか。

サンライズオンラインにログインしているんじゃなくて現実世界からログアウトしているわけだ。

……。

なんか虚しくなってきた。

ええい!そんなことはどうでもいい!!

2日目は暇でした!今は3日目!以上!!



「ということで、今日は洞窟から出ようと思う。マップを見て。フィールドが結構私たちの近くまで迫っているのがわかるでしょ?そうなってくるとフィールドの外になってしまった人たちが私たちのほうに押し寄せてくる可能性がある。ということで、今日はひたすらに中心を目指します。」

フィールドの境目は私たちの今いる位置から歩いてそう時間のかからない位置まで迫っている。

なので私たちはフィールドの中心部を目指して歩くことにした。

パーティーが半分に減ったといってもまだ洞窟以外のところで野宿をするのは危険だ。

造形を使って森や草原のど真ん中に建物を建ててもいいがそれは目立ちすぎる。

できるだけ目立たないようにしたい。

なので今日の移動のタイムリミットは午後2時。

午後2時を過ぎたら洞窟探しを始める。

夜、見張りをしているときにパーティーの減り具合を見ていて分かったが夜襲は結構多発している。

本当に危ないのだ。

何度でも言うぞ私は。

危ない!!!

「今日のルートは1日目に来たルートを逆に戻るような形になる。一度通った道なのでササッと通り抜ける。草原の手前の森で今日は洞窟を探すことにします。」

「森って洞窟あるのかな?」

「まあここも森みたいな感じだし多分大丈夫だと思うよ。」

「それもそうか。とりあえず動こう!!早く外に出たいよ!!」

「そうだね。」



戦術というのは奥が深い。

初めのほうは不利でも戦局が進めば一気に有利な状況になることもある。

なん手も先を読んで行動をする。

それは素晴らしいことだ。

しかし、時には古典的で古臭い単純な戦術が最強になることもある。

そう、待ち伏せだ。

「お、出てきた出てきた。」

どうやら私たちは洞窟の前で待ち伏せされていたようだ。
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