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85話目 鍛冶師のメアリー
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「戦術を組むことも大切だけど、何よりも大切なことがある。」
メアリーが真剣な顔でそう言い、それは、と話を続ける。
「ステータスを一気に上げるわ。」
「レベル上げ、ということですか?」
「違う。私の本職が何か忘れたのかしら?」
「そうだ。鍛冶師、でしたよね?」
「そう。私は鍛冶師。今から、あなたたちの装備をすべてあなたたちに最も合った最高級の装備に作り替えるわ。」
メアリーの目には炎が浮かんで見えた。
レベル上げをして全体的なステータスを上げるというのももちろん大切だ。
しかし、それよりももっと簡単で、短期間にステータスを上乗せする方法が存在する。
それは、自分のプレイスタイルに合った武器や装備を整えることだ。
メアリーの作る防具はどれも一級品。
このゲームで最も高い124レベル。
そのレベルは伊達ではないのだ。
メアリーはその腕も然る事乍ら、その装備を使用する、プレイヤーを見極める力が特に冴えている。
そのプレイヤーがどのようなスキルを持っていて、どのようなステータスで、どのような戦い方をするのか。
それらを自身の豊富な知識と照らし合わせ、最も使用者に合った装備を作る。
このゲームで最も腕のいい鍛冶師は誰かと100人に聞いたら、100人がメアリーだと答えるだろう。
メアリーはたくさんの武具を作っている。
しかし、それは1人1人に合わせて作っているわけではなく、万人受けするような量産品を作って店に並べているだけ。
メアリーの腕をフルに使って、オーダーメイドで武器や防具を作ってもらったことがあるのは私だけなのである。
「あの、ほんとにいいんでしょうか。もし、私たちがこのチームを抜けることになったら、それはメアリーさんが不利になってしまうのでは?」
「いいのよ。今のチームに全力を注ぐのがチームメンバーとしての役目。それに、もしあなたたちが脱退したら、あなたたちの武器や防具のメンテナンスはしないわ。それではまともに使えないだろうね。」
プレイヤーとは、日々成長していく。
メアリーのメンテナンスとは、ただ武器を治すだけではなく、今の使用者に合ったように現状に上乗せでカスタマイズを加えていくのだ。
メアリー、ほんとにすごい奴だろ!
「そうね……、1週間くらい時間をもらえるかしら。どうにかそれまでには完成させるわ。」
「「1週間!?」」
「そ、そんな早く作れるんですか!?」
「そうね。私作るの早いのよ。」
「……やっぱり、メアリーさんもぶっ壊れですね。」
「ぶっ壊れ!?」
メアリーがその言葉を聞いて素っ頓狂な声を出して驚いた。
その光景が面白くて、私は思わず笑ってしまった。
私たちの初戦まで、あと1か月。
私たちがチームを組んで、まだ時間はあまりたっていないけど、このメンバーでなら絶対勝てる。
確信に近い何かが心の中にはあった。
って、ん?
「ん?ちょっとまって、メアリーさん“も”???」
「「「え?」」」
「え?」
メアリーが真剣な顔でそう言い、それは、と話を続ける。
「ステータスを一気に上げるわ。」
「レベル上げ、ということですか?」
「違う。私の本職が何か忘れたのかしら?」
「そうだ。鍛冶師、でしたよね?」
「そう。私は鍛冶師。今から、あなたたちの装備をすべてあなたたちに最も合った最高級の装備に作り替えるわ。」
メアリーの目には炎が浮かんで見えた。
レベル上げをして全体的なステータスを上げるというのももちろん大切だ。
しかし、それよりももっと簡単で、短期間にステータスを上乗せする方法が存在する。
それは、自分のプレイスタイルに合った武器や装備を整えることだ。
メアリーの作る防具はどれも一級品。
このゲームで最も高い124レベル。
そのレベルは伊達ではないのだ。
メアリーはその腕も然る事乍ら、その装備を使用する、プレイヤーを見極める力が特に冴えている。
そのプレイヤーがどのようなスキルを持っていて、どのようなステータスで、どのような戦い方をするのか。
それらを自身の豊富な知識と照らし合わせ、最も使用者に合った装備を作る。
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しかし、それは1人1人に合わせて作っているわけではなく、万人受けするような量産品を作って店に並べているだけ。
メアリーの腕をフルに使って、オーダーメイドで武器や防具を作ってもらったことがあるのは私だけなのである。
「あの、ほんとにいいんでしょうか。もし、私たちがこのチームを抜けることになったら、それはメアリーさんが不利になってしまうのでは?」
「いいのよ。今のチームに全力を注ぐのがチームメンバーとしての役目。それに、もしあなたたちが脱退したら、あなたたちの武器や防具のメンテナンスはしないわ。それではまともに使えないだろうね。」
プレイヤーとは、日々成長していく。
メアリーのメンテナンスとは、ただ武器を治すだけではなく、今の使用者に合ったように現状に上乗せでカスタマイズを加えていくのだ。
メアリー、ほんとにすごい奴だろ!
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「「1週間!?」」
「そ、そんな早く作れるんですか!?」
「そうね。私作るの早いのよ。」
「……やっぱり、メアリーさんもぶっ壊れですね。」
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確信に近い何かが心の中にはあった。
って、ん?
「ん?ちょっとまって、メアリーさん“も”???」
「「「え?」」」
「え?」
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