2 / 12
第1話:加速していく勘違い、妄想、そして恋心
2
しおりを挟む
校舎裏へ急ぐ碧。ここで一度、友沢幸人からの視点で、2人の密会を見てみよう。
________
「それで、怜央……話って?」
放課後、『大事な話があるから』と突然校舎裏へ連れ出されたぼくは、連れ出した本人、幼なじみの怜央に切り出した。
「LINEじゃダメだったのかい?」
「あぁ。……やっぱこういうのは、面と向かって言わなきゃダメだろ、幸人」
「変なとこで真面目だな、きみは」
「オレはいつだって真面目だろ?」
いつものようにへらっと笑いながら、冗談かなのか本気なのかわからない声色で怜央は言う。
けれど、その笑顔はすぐに、真剣な表情へ塗り替えられた。
「単刀直入に言うが__幸人、お前櫻木ちゃんのこと好きだろ」
「……っ!どうしてそう思うの?」
突然の怜央の発言に、ぼくは一瞬目を開かせた後、平然を装い聞き返す。我ながら白々しい口調だった。
すると怜央は、先程の陽気な笑顔とは違う、口元のみつり上がった不敵な笑顔で言った。
「何年の付き合いだと思ってんの?櫻木ちゃんを見る表情を見てすぐにピンときたわ」
『隠してるつもりだった?バレバレ』と、あからさまのやれやれポーズをしながら笑う怜央。ぼくは観念したように、ふーっ、と息をつく。
「そっか……怜央には気付かれてたか……でもぼくが櫻木くんが好きなことは、怜央には関係ないだろ?」
「大ありだよ、バカ」
ぼくより背の高い彼は、見下ろす形でぼくを睨みつけ、吐き捨てるように言い返した。
心做しか、その顔はほんのりと赤い。
「俺だって……だよ……」
「……ん?」
声があまりにも小さかったために、首を傾げて聞き返す。その仕草をムキになったのか、怜央は今度は大きな声で言った。
「俺だって好きなんだよ!!櫻木ちゃんが!!」
…………。
「へっ?」
思わず間抜けな声が出てしまった。
今なんと言った?好き?怜央が……櫻木くんを?
頭の中でさまざまな情報がぐるぐると回る。けれど次第に回転は緩やかになっていき、情報はぼくの頭の中で綺麗に整頓された。
「……ふふふっ、そっか、なるほど」
自然と笑いが込み上げてきてしまう。怜央は急に笑い出したぼくに、変なものでも見るような目を向けている。
「んだよ急に笑い出して、気持ちわりぃな」
「あははっ、ごめんごめん。……“だからぼくが櫻木くんと話している時に、きみが何かと間に割って入ってきたのか”って思ったら、ついね?」
未だに笑い声を収めることができずに、口元に手を当てながらぼくはそうかえす。
……そう、いつからだっただろうか。怜央はぼくが櫻木くんと話していると、いつも茶々を入れてきた。『幼なじみの俺の方が付き合い長いのに、櫻木ちゃんばっか構ってずるい』、と。
たしかに怜央とは幼い頃からの付き合いだったから、一緒にいる時は多かった。
しかし、今までぼくが誰と話をしようが遊ぼうが、あんなわかりやすく子供っぽい嫉妬する様を見せることはなかったはず。
だからずっと怜央の行動が不可解だったのだが……。ようやく理解した。
構って欲しかったのは僕にじゃない。櫻木くんに、だったんだ。
櫻木くんがぼくと楽しそうに話すのがおもしろくなくて。少しでも櫻木くんの興味をぼくから自分の方にそらしたくて。今までずっと茶々を入れてきたのだろう。
『ぼくに構って欲しかった』なんて嘘をついて。
「……っ、相変わらず余裕そうな顔しやがって……」
ぼくが何を考えているのかを察したのか、怜央はイタズラがバレた子供のように、バツが悪そうにしている。
頬はますます赤くなっているように見えた。
「ひとつ聞いてもいいかい?」
「なんだよ?」
「怜央はいつから櫻木くんのことが好きだったんだ?正直、ぼくと知り合いということ以外、2人に接点があったとは思えないんだけど……」
学年が違うこともあって、2人が話す機会はあまりなかったはず。実際、ぼくと櫻木くんが話している時に怜央が割り込んでるところは何度も見たことあったが、櫻木くんと怜央が話しているところは見たことがなかった。
怜央が櫻木くんを好きになったタイミングはいつだったのか?
そんな疑問を怜央にぶつけてみれば、怜央は腕を組みながら話し始める。
「……あの子、前にすげーガラわりぃ3年生に言いがかりつけられたことがあってさ。完全に向こうの不注意なのに、『お前がぶつかったせいで制服が汚れたからクリーニング代払え』って」
それを目撃した時の怜央の気持ちを表すように、彼の眉間にはシワが寄っている。でも、不意に思い出し笑いをするように、表情がふっと緩んだ。
「でもさ、櫻木ちゃんは一歩も引かなかった。相手は自分よりも背ェ高くてガタイがいい奴なのに、全然物怖じしないで言い返しててさ。……大人しそうな顔して、あんな風にズバッと言える強気なところが、なんか気に入っちまってさ」
『あ、ちなみにその馬鹿共は俺が追い払ってやったぜ』と、怜央はサムズアップしている。
……しっかりしてる子だとは思っていたけど、想像以上に強い子だったんだな……。少しも気づかなかった。
「そういうお前は?櫻木ちゃんに付きまとうようになったきっかけとかあんの?」
「付きまとうって……人をストーカーみたいに言うんじゃない」
怜央の発言にため息混じりにツッコミを入れたあと、少し間をあけてぼくは話し始めた。
「図書室に行った時、調べ物に困っている様子の櫻木くんを見かけて……放っておけなくて声をかけたんだ。……その時、彼がみせた笑顔が……その、脳に焼き付いて離れなくなってしまって……」
脳裏に浮かぶは、まるで花が咲いたかのようなふわりとした、あの日の櫻木くんの笑顔。それを思い出すと、不思議と頬が熱くなってしまうのを感じる。
……が、ハッ、とバカにするような怜央の笑い声に、その熱はすぐに冷めた。
「おまえって頭硬そうに見えてほんって単純だよな~。将来変なツボを売りつけられたりしないか、不安だわ~」
「……はぁ。きみのその焦りをごまかすために他人を煽るくせ、やめた方がいいよ。かえってみっともないから」
「は?」
彼の挑発に動じることなく冷静に言い返せば、ぼくの怒りを煽ろうとした怜央の方が逆にムキになる始末。
そして、ずいっとぼくとの距離を詰めて言った。
「言っておくけど、俺が好きだって気持ちは誰にも負けねえ。絶対に振り向かせてみせる。ほかのやつなんざ渡してたまっか!!」
__ドサッ。
……怜央が全てセリフを言い切ると共に、何かが落ちる音がした。ぼくと怜央は、反射的にそちらに目をやる。
そこにいたのは__。
「!?」
__落としたカバンに目もくれず、呆然と立ち尽くす櫻木くんの姿だった。
________
「それで、怜央……話って?」
放課後、『大事な話があるから』と突然校舎裏へ連れ出されたぼくは、連れ出した本人、幼なじみの怜央に切り出した。
「LINEじゃダメだったのかい?」
「あぁ。……やっぱこういうのは、面と向かって言わなきゃダメだろ、幸人」
「変なとこで真面目だな、きみは」
「オレはいつだって真面目だろ?」
いつものようにへらっと笑いながら、冗談かなのか本気なのかわからない声色で怜央は言う。
けれど、その笑顔はすぐに、真剣な表情へ塗り替えられた。
「単刀直入に言うが__幸人、お前櫻木ちゃんのこと好きだろ」
「……っ!どうしてそう思うの?」
突然の怜央の発言に、ぼくは一瞬目を開かせた後、平然を装い聞き返す。我ながら白々しい口調だった。
すると怜央は、先程の陽気な笑顔とは違う、口元のみつり上がった不敵な笑顔で言った。
「何年の付き合いだと思ってんの?櫻木ちゃんを見る表情を見てすぐにピンときたわ」
『隠してるつもりだった?バレバレ』と、あからさまのやれやれポーズをしながら笑う怜央。ぼくは観念したように、ふーっ、と息をつく。
「そっか……怜央には気付かれてたか……でもぼくが櫻木くんが好きなことは、怜央には関係ないだろ?」
「大ありだよ、バカ」
ぼくより背の高い彼は、見下ろす形でぼくを睨みつけ、吐き捨てるように言い返した。
心做しか、その顔はほんのりと赤い。
「俺だって……だよ……」
「……ん?」
声があまりにも小さかったために、首を傾げて聞き返す。その仕草をムキになったのか、怜央は今度は大きな声で言った。
「俺だって好きなんだよ!!櫻木ちゃんが!!」
…………。
「へっ?」
思わず間抜けな声が出てしまった。
今なんと言った?好き?怜央が……櫻木くんを?
頭の中でさまざまな情報がぐるぐると回る。けれど次第に回転は緩やかになっていき、情報はぼくの頭の中で綺麗に整頓された。
「……ふふふっ、そっか、なるほど」
自然と笑いが込み上げてきてしまう。怜央は急に笑い出したぼくに、変なものでも見るような目を向けている。
「んだよ急に笑い出して、気持ちわりぃな」
「あははっ、ごめんごめん。……“だからぼくが櫻木くんと話している時に、きみが何かと間に割って入ってきたのか”って思ったら、ついね?」
未だに笑い声を収めることができずに、口元に手を当てながらぼくはそうかえす。
……そう、いつからだっただろうか。怜央はぼくが櫻木くんと話していると、いつも茶々を入れてきた。『幼なじみの俺の方が付き合い長いのに、櫻木ちゃんばっか構ってずるい』、と。
たしかに怜央とは幼い頃からの付き合いだったから、一緒にいる時は多かった。
しかし、今までぼくが誰と話をしようが遊ぼうが、あんなわかりやすく子供っぽい嫉妬する様を見せることはなかったはず。
だからずっと怜央の行動が不可解だったのだが……。ようやく理解した。
構って欲しかったのは僕にじゃない。櫻木くんに、だったんだ。
櫻木くんがぼくと楽しそうに話すのがおもしろくなくて。少しでも櫻木くんの興味をぼくから自分の方にそらしたくて。今までずっと茶々を入れてきたのだろう。
『ぼくに構って欲しかった』なんて嘘をついて。
「……っ、相変わらず余裕そうな顔しやがって……」
ぼくが何を考えているのかを察したのか、怜央はイタズラがバレた子供のように、バツが悪そうにしている。
頬はますます赤くなっているように見えた。
「ひとつ聞いてもいいかい?」
「なんだよ?」
「怜央はいつから櫻木くんのことが好きだったんだ?正直、ぼくと知り合いということ以外、2人に接点があったとは思えないんだけど……」
学年が違うこともあって、2人が話す機会はあまりなかったはず。実際、ぼくと櫻木くんが話している時に怜央が割り込んでるところは何度も見たことあったが、櫻木くんと怜央が話しているところは見たことがなかった。
怜央が櫻木くんを好きになったタイミングはいつだったのか?
そんな疑問を怜央にぶつけてみれば、怜央は腕を組みながら話し始める。
「……あの子、前にすげーガラわりぃ3年生に言いがかりつけられたことがあってさ。完全に向こうの不注意なのに、『お前がぶつかったせいで制服が汚れたからクリーニング代払え』って」
それを目撃した時の怜央の気持ちを表すように、彼の眉間にはシワが寄っている。でも、不意に思い出し笑いをするように、表情がふっと緩んだ。
「でもさ、櫻木ちゃんは一歩も引かなかった。相手は自分よりも背ェ高くてガタイがいい奴なのに、全然物怖じしないで言い返しててさ。……大人しそうな顔して、あんな風にズバッと言える強気なところが、なんか気に入っちまってさ」
『あ、ちなみにその馬鹿共は俺が追い払ってやったぜ』と、怜央はサムズアップしている。
……しっかりしてる子だとは思っていたけど、想像以上に強い子だったんだな……。少しも気づかなかった。
「そういうお前は?櫻木ちゃんに付きまとうようになったきっかけとかあんの?」
「付きまとうって……人をストーカーみたいに言うんじゃない」
怜央の発言にため息混じりにツッコミを入れたあと、少し間をあけてぼくは話し始めた。
「図書室に行った時、調べ物に困っている様子の櫻木くんを見かけて……放っておけなくて声をかけたんだ。……その時、彼がみせた笑顔が……その、脳に焼き付いて離れなくなってしまって……」
脳裏に浮かぶは、まるで花が咲いたかのようなふわりとした、あの日の櫻木くんの笑顔。それを思い出すと、不思議と頬が熱くなってしまうのを感じる。
……が、ハッ、とバカにするような怜央の笑い声に、その熱はすぐに冷めた。
「おまえって頭硬そうに見えてほんって単純だよな~。将来変なツボを売りつけられたりしないか、不安だわ~」
「……はぁ。きみのその焦りをごまかすために他人を煽るくせ、やめた方がいいよ。かえってみっともないから」
「は?」
彼の挑発に動じることなく冷静に言い返せば、ぼくの怒りを煽ろうとした怜央の方が逆にムキになる始末。
そして、ずいっとぼくとの距離を詰めて言った。
「言っておくけど、俺が好きだって気持ちは誰にも負けねえ。絶対に振り向かせてみせる。ほかのやつなんざ渡してたまっか!!」
__ドサッ。
……怜央が全てセリフを言い切ると共に、何かが落ちる音がした。ぼくと怜央は、反射的にそちらに目をやる。
そこにいたのは__。
「!?」
__落としたカバンに目もくれず、呆然と立ち尽くす櫻木くんの姿だった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
先輩たちの心の声に翻弄されています!
七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。
ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。
最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。
乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。
見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。
****
三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。
ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる