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第2話 遊園地で仲良し作戦!
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視点は櫻木 碧へ戻る。
_____
ぼくは今日という日に感謝してもしきれない。やっぱり今日は来て良かった!!
なんてったって、推したちの萌えを間近で感じることができたのだから!
ゴースト屋敷に入る時に「幸人と手を繋いでくれ」って大神先輩から言われた時は、心の中で「2人が手を繋げばいいじゃん!!」って思わず叫んじゃっけどね。
「友沢先輩がおばけが苦手だという事実を、大神先輩が知っていた」と聞いた時はなおさら……。こういうのは幼なじみの大神先輩の方が適任だろうし。
……別に、2人が手を繋いでる姿を見たかったわけじゃなくてね?
けれど、大神先輩がそうしたのは、「友沢先輩が一番落ち着く場所が大神先輩の背中」ということを知っていたからってわけで……やっぱり、大神先輩は友沢先輩のことを誰よりも理解してると痛感させられた。
しかも、ゴースト屋敷の中でおばけが飛び出した時、悲鳴をあげる友沢先輩をサッと自分の背中に隠して、『大丈夫だ、幸人。俺がいるから』と声をかける大神先輩の頼もしさといったら……。
さながら騎士!友沢先輩も大神先輩に惚れ直したに違いない!
……それにしても、友沢先輩におばけが苦手なんて弱点があるとは、ちょっと意外だったな。
まあでも、大神先輩が隣にいたら、どんな弱点からでも守ってもらえそうだけど……。友沢先輩も、そんな大神先輩の傍だからこそ安心できるんだろうなぁ……。
いやー、こういう互いが互いを信頼しあっているという幼なじみならではの関係性っていいよねぇ!
インスピレーションがどんどん湧いてくる!
家に帰ったら新作小説のアイデアをまとめないと!
なんて浮き足立つ中、ぼくは先輩たちと共に、引き続きSNSに投稿されたヒント頼りに隠れラーピッドちゃんを探し続けた。
『スリルを味わえる場所』というヒントを見つければジェットコースターの座席を。
『キャラクターの魅力に触れられる!』というヒントを見つけれればラーピッドちゃんとその仲間たちのことをよく知れるラーピッドちゃん博物館を。
『ゆっくり座席に座れる』というヒントを見つければメリーゴーランドの馬を。
……といった具合に次々と見回ったものの、隠れラーピッドちゃんはなかなか見つからない。まあ見つからないこそ、隠れラーピッドちゃんなんだろうけど。
朝からずっと歩き回ったせいで疲れてしまったところで、ぼくたちはレーブパラダイス内にあるカフェ、『ラーピッドちゃんの甘味処』で休憩することにした。
「わぁ、どれもすっごく美味しそう!」
「遊園地のスイーツって、キャラクターものばっかりだと思っていたけど、普通に美味しそうなものもあるんだね……」
「レーブパラダイスはカップル以外の大人子供のお客にも楽しめるように、いろいろ工夫してるみたいですからね!」
カフェに入ってスタッフに案内された席に座り、メニューを眺めながら友沢先輩と雑談をしていれば。
「俺ジャンボパフェ!」
と、横から大神先輩の元気な声が聞こえてきた。
それを『わかったから落ち着け』と、友沢先輩が宥める。
こういう遠慮ない態度も、幼なじみ故のものなんだろうな。微笑ましい。
_____
「大神先輩は、甘いものがお好きなんですか?」
ぼくはラーピッドちゃんパンケーキ、友沢先輩はティラミス、そして大神先輩はジャンボパフェと、それぞれ頼んだ物を食べる中、大神先輩にそう質問をした。
「大神先輩、ぼくをお昼に誘ってくれる時、いつも甘いものを進めてくださいますし……」
「あったりー!意外っしょ?よく言われんだよな、『肉とかガツガツ食ってそうな見た目してパフェかよ』って!」
「んーでも、何が好きかなんて自分の勝手ですし、いいと思いますよ、ぼくは」
「それな!櫻木ちゃんわかってるー!」
大神先輩はぼくに向かって笑いかける。まるでぼくの答えを喜んでいるように、楽しそうに。
……なんて、少し思い上がりかな?
そんなことを思っていれば、間近から視線が痛いほど突き刺さってきた。
視線を感じる方をふりかえると、友沢先輩がじっ、とこちらを見つめている。
(いけない……!友沢先輩を差し置いて、ぼくみたいな部外者が大神先輩と楽しく会話をするなんて、見守る側としてなんという失態を……!!)
「櫻木くん、あんまりコイツを甘やかさない方がいいよ。コイツ、いつも甘いものばっかり食べすぎてるから、そのうち身体を壊してしまう……」
な、なんだ、ただ大神先輩の健康を心配してただけか……。
緊張で強ばっていた体の力が、ふっと抜けた。
「お前は俺のオカンかよ……」
「事実だろう?この間バスケ部の後輩と映画を見に行った時も、キャラメルポップコーン2つも食べたそうじゃないか。しかもLサイズ」
「ぽ、ポップコーン2つ!?それもL!?」
「いいじゃん別に!腹減ってたら映画に集中できねえだろ!?」
呆れたような表情を浮かべる友沢先輩と、その前でむくれたり駄々を捏ねたりする大神先輩。
こう見ると、幼なじみというよりは親子みたいだ。
(それにしても、ポップコーンLサイズをふたつも食べるなんて、おなかいっぱいになって映画どころじゃないんじゃ……。……ん?映画?)
ぼくの脳内で、今までのキーワードの点と点が、線になっていく……。そしてそれは、ひとつの答えとなった。
「わかった!!」
次の瞬間、ぼくは思わずそう叫んでいた。軽口を叩きあっていた先輩たちと周りのお客さんは、びっくりした顔を見てこちらを見ている。
ぼくはバツが悪そうに俯く。
「す、すいません……」
「どうしたよ櫻木ちゃん、いきなりでかい声出して……」
「櫻木くん、わかったってもしかして……!」
察したらしい友沢先輩に、ぼくは頷く。
あそこならもしかしたら……!!
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ぼくは今日という日に感謝してもしきれない。やっぱり今日は来て良かった!!
なんてったって、推したちの萌えを間近で感じることができたのだから!
ゴースト屋敷に入る時に「幸人と手を繋いでくれ」って大神先輩から言われた時は、心の中で「2人が手を繋げばいいじゃん!!」って思わず叫んじゃっけどね。
「友沢先輩がおばけが苦手だという事実を、大神先輩が知っていた」と聞いた時はなおさら……。こういうのは幼なじみの大神先輩の方が適任だろうし。
……別に、2人が手を繋いでる姿を見たかったわけじゃなくてね?
けれど、大神先輩がそうしたのは、「友沢先輩が一番落ち着く場所が大神先輩の背中」ということを知っていたからってわけで……やっぱり、大神先輩は友沢先輩のことを誰よりも理解してると痛感させられた。
しかも、ゴースト屋敷の中でおばけが飛び出した時、悲鳴をあげる友沢先輩をサッと自分の背中に隠して、『大丈夫だ、幸人。俺がいるから』と声をかける大神先輩の頼もしさといったら……。
さながら騎士!友沢先輩も大神先輩に惚れ直したに違いない!
……それにしても、友沢先輩におばけが苦手なんて弱点があるとは、ちょっと意外だったな。
まあでも、大神先輩が隣にいたら、どんな弱点からでも守ってもらえそうだけど……。友沢先輩も、そんな大神先輩の傍だからこそ安心できるんだろうなぁ……。
いやー、こういう互いが互いを信頼しあっているという幼なじみならではの関係性っていいよねぇ!
インスピレーションがどんどん湧いてくる!
家に帰ったら新作小説のアイデアをまとめないと!
なんて浮き足立つ中、ぼくは先輩たちと共に、引き続きSNSに投稿されたヒント頼りに隠れラーピッドちゃんを探し続けた。
『スリルを味わえる場所』というヒントを見つければジェットコースターの座席を。
『キャラクターの魅力に触れられる!』というヒントを見つけれればラーピッドちゃんとその仲間たちのことをよく知れるラーピッドちゃん博物館を。
『ゆっくり座席に座れる』というヒントを見つければメリーゴーランドの馬を。
……といった具合に次々と見回ったものの、隠れラーピッドちゃんはなかなか見つからない。まあ見つからないこそ、隠れラーピッドちゃんなんだろうけど。
朝からずっと歩き回ったせいで疲れてしまったところで、ぼくたちはレーブパラダイス内にあるカフェ、『ラーピッドちゃんの甘味処』で休憩することにした。
「わぁ、どれもすっごく美味しそう!」
「遊園地のスイーツって、キャラクターものばっかりだと思っていたけど、普通に美味しそうなものもあるんだね……」
「レーブパラダイスはカップル以外の大人子供のお客にも楽しめるように、いろいろ工夫してるみたいですからね!」
カフェに入ってスタッフに案内された席に座り、メニューを眺めながら友沢先輩と雑談をしていれば。
「俺ジャンボパフェ!」
と、横から大神先輩の元気な声が聞こえてきた。
それを『わかったから落ち着け』と、友沢先輩が宥める。
こういう遠慮ない態度も、幼なじみ故のものなんだろうな。微笑ましい。
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「大神先輩は、甘いものがお好きなんですか?」
ぼくはラーピッドちゃんパンケーキ、友沢先輩はティラミス、そして大神先輩はジャンボパフェと、それぞれ頼んだ物を食べる中、大神先輩にそう質問をした。
「大神先輩、ぼくをお昼に誘ってくれる時、いつも甘いものを進めてくださいますし……」
「あったりー!意外っしょ?よく言われんだよな、『肉とかガツガツ食ってそうな見た目してパフェかよ』って!」
「んーでも、何が好きかなんて自分の勝手ですし、いいと思いますよ、ぼくは」
「それな!櫻木ちゃんわかってるー!」
大神先輩はぼくに向かって笑いかける。まるでぼくの答えを喜んでいるように、楽しそうに。
……なんて、少し思い上がりかな?
そんなことを思っていれば、間近から視線が痛いほど突き刺さってきた。
視線を感じる方をふりかえると、友沢先輩がじっ、とこちらを見つめている。
(いけない……!友沢先輩を差し置いて、ぼくみたいな部外者が大神先輩と楽しく会話をするなんて、見守る側としてなんという失態を……!!)
「櫻木くん、あんまりコイツを甘やかさない方がいいよ。コイツ、いつも甘いものばっかり食べすぎてるから、そのうち身体を壊してしまう……」
な、なんだ、ただ大神先輩の健康を心配してただけか……。
緊張で強ばっていた体の力が、ふっと抜けた。
「お前は俺のオカンかよ……」
「事実だろう?この間バスケ部の後輩と映画を見に行った時も、キャラメルポップコーン2つも食べたそうじゃないか。しかもLサイズ」
「ぽ、ポップコーン2つ!?それもL!?」
「いいじゃん別に!腹減ってたら映画に集中できねえだろ!?」
呆れたような表情を浮かべる友沢先輩と、その前でむくれたり駄々を捏ねたりする大神先輩。
こう見ると、幼なじみというよりは親子みたいだ。
(それにしても、ポップコーンLサイズをふたつも食べるなんて、おなかいっぱいになって映画どころじゃないんじゃ……。……ん?映画?)
ぼくの脳内で、今までのキーワードの点と点が、線になっていく……。そしてそれは、ひとつの答えとなった。
「わかった!!」
次の瞬間、ぼくは思わずそう叫んでいた。軽口を叩きあっていた先輩たちと周りのお客さんは、びっくりした顔を見てこちらを見ている。
ぼくはバツが悪そうに俯く。
「す、すいません……」
「どうしたよ櫻木ちゃん、いきなりでかい声出して……」
「櫻木くん、わかったってもしかして……!」
察したらしい友沢先輩に、ぼくは頷く。
あそこならもしかしたら……!!
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