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再会

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『光覇様。再びお会いできて光栄であります。』

『私も会えて光栄です。』

「ハクも、リュウも久しぶり。元気にしていたか?って聞くのはお門違いかな。」

『『いえ。』』

 それからは前世である光覇だった時の会話から始まり、光覇の亡くなるその時までを振り返った。

 会話をしているうちに現在の状況へとシフトし、輝明の話が終わるまで静かに、だが真剣に聞き入っていた。

『その者は光覇様…いえ輝明様の弟ぎみなのですよね?』

「ああ、そうだよ。まあ俺に力が無かったのは事実だしね。」

『我々が見掛けたら仕掛けてみても宜しいでしょうか?是非とも懲らしめてやりたいのです。』

「駄目だ。現代の陰陽師は前の生の時と違って弱いから、お前達が手を出したら死人が出るわ。」

『『むぅ…』』

 話終える同時に早速とばかりに輝明へ質問を投げられるが、そもそも一般の式神の中でも他家に伝わる式神本体と契約した陰陽師以外は弱いのである。

 次期当主として、輝明の弟のように式神の分身体と契約している陰陽師も強い部類には入るが、式神本体の数割、悪くて1割以下なんて事例もある程である。

 そんな陰陽師が白狼や亜龍といった無敗種に当たれば、良くても致死に当たるからだ。

 無敗種とは、弱肉強食の世界のような格付けが式神にも強者と弱者での格を分けられている。

 大きく分けると、偵察などで使われている形を持たない式神を下とした場合、真ん中は陰陽師の家系に伝わる式神の分身体や腕の良い陰陽師が使う式神であり、その上にはその式神の本体が君臨している。

 だが無敗種は式神の格という枠組みには入らず、倒されることがあっても滅ぼされない種をいう。

 つまりは無敗種と戦えば、家系が継ぐ式神本体を使っても勝てる見込みがないのである。
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