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ホルム辺境侯爵家当主の挨拶を終えて、パーティー会場での反応は様々だった。
ーーーとある貴族家
「本日も挨拶できて良かったな。」
「そうね。でも驚いちゃったわ、いきなり婚約お披露目なんて招待されるのですから。」
夫婦同士で会話する貴族家では談笑しながらも、ホルム辺境侯爵家を見据えていた。
「先程の子爵の方。かなり固くなっていらしたわね。」
「仕方ないだろう。子爵家なんて、余程の事でもないと伯爵家以上の貴族と会うことが少ないんだ。」
「そうだけど。緊張し過ぎではないの?」
この貴族家はホルム辺境侯爵から子爵夫妻に紹介された貴族家の一つだった。
挨拶をされたものの、緊張のあまり表情が引き攣っていたのを見逃しようがなかったからである。
グレハラ子爵家という家名も、ホルム辺境侯爵の紹介で初めて知ったほどだった事から、本当に末端であることが裏付けられていた。
子爵家の相続に貴族間での交流は必要ない。
交流せずとも暮らしていけるからだが、ここではホルム辺境侯爵が居なければ通用しない事である。
「しかしトルクス様にお願いされては叶わんだろう。お前も見かけたらフォローを頼むぞ。」
「ええ、あなた。折角見つけた方を失わせはさせません。」
ーーーある貴族家
その貴族は広いパーティー会場にも関わらず、壁際まで下がっていた。
隅で控える少女からの訴えが原因であった。
「なんで、あんな子なのよ!私が選ばれる筈だったらのに!どうして」
普段からホルム辺境侯爵家を避け続けていたが、自身らの娘からの訴えによって他家に頼み込んで参列していた。
娘を落ち着かせたいという気持ちはあるが、娘の側で止めるはずの夫人も同様に怒り心頭である。
夫である彼に止めるほどの力は全くなかったために、このような状況に陥っている。
「良いのよ。いずれ、貴女のものにしてみせるからっ!」
やけに肩入れしている夫人の耳には一切夫の言葉は入らないようで、危ない方へ考えが傾きだしている。
勇気を振り絞って行動できたのは他家の前で騒がないために、このような壁際に移動したことだけだった。
ーーああ。早く終わらないだろうか…ーー
娘と夫人を見ながら、そう呟くことしかできない。
「ティリア嬢。僕と婚姻を結んでくれて、ありがとう。今は婚約者同士だが、いずれ結婚したいな。」
「まだ気が早いですわ、ヴァイトゥルス様。まずお互いを知るところから、ではありませんか?」
「そうだったね。じゃあ一緒に料理を選ばないか?好みを教え合おうじゃないか。」
「はい!ヴァイトゥルス様」
ティリアとヴァイトゥルスはお互い寄り添いながら料理の載ったテーブルへと向かっていく。
そして多くの貴族がその光景を暖かい目で見守るなか、一部の貴族令嬢が妬むような眼差しをしていたことを終始、当人の家族以外気付くことはなかった。
ーーーとある貴族家
「本日も挨拶できて良かったな。」
「そうね。でも驚いちゃったわ、いきなり婚約お披露目なんて招待されるのですから。」
夫婦同士で会話する貴族家では談笑しながらも、ホルム辺境侯爵家を見据えていた。
「先程の子爵の方。かなり固くなっていらしたわね。」
「仕方ないだろう。子爵家なんて、余程の事でもないと伯爵家以上の貴族と会うことが少ないんだ。」
「そうだけど。緊張し過ぎではないの?」
この貴族家はホルム辺境侯爵から子爵夫妻に紹介された貴族家の一つだった。
挨拶をされたものの、緊張のあまり表情が引き攣っていたのを見逃しようがなかったからである。
グレハラ子爵家という家名も、ホルム辺境侯爵の紹介で初めて知ったほどだった事から、本当に末端であることが裏付けられていた。
子爵家の相続に貴族間での交流は必要ない。
交流せずとも暮らしていけるからだが、ここではホルム辺境侯爵が居なければ通用しない事である。
「しかしトルクス様にお願いされては叶わんだろう。お前も見かけたらフォローを頼むぞ。」
「ええ、あなた。折角見つけた方を失わせはさせません。」
ーーーある貴族家
その貴族は広いパーティー会場にも関わらず、壁際まで下がっていた。
隅で控える少女からの訴えが原因であった。
「なんで、あんな子なのよ!私が選ばれる筈だったらのに!どうして」
普段からホルム辺境侯爵家を避け続けていたが、自身らの娘からの訴えによって他家に頼み込んで参列していた。
娘を落ち着かせたいという気持ちはあるが、娘の側で止めるはずの夫人も同様に怒り心頭である。
夫である彼に止めるほどの力は全くなかったために、このような状況に陥っている。
「良いのよ。いずれ、貴女のものにしてみせるからっ!」
やけに肩入れしている夫人の耳には一切夫の言葉は入らないようで、危ない方へ考えが傾きだしている。
勇気を振り絞って行動できたのは他家の前で騒がないために、このような壁際に移動したことだけだった。
ーーああ。早く終わらないだろうか…ーー
娘と夫人を見ながら、そう呟くことしかできない。
「ティリア嬢。僕と婚姻を結んでくれて、ありがとう。今は婚約者同士だが、いずれ結婚したいな。」
「まだ気が早いですわ、ヴァイトゥルス様。まずお互いを知るところから、ではありませんか?」
「そうだったね。じゃあ一緒に料理を選ばないか?好みを教え合おうじゃないか。」
「はい!ヴァイトゥルス様」
ティリアとヴァイトゥルスはお互い寄り添いながら料理の載ったテーブルへと向かっていく。
そして多くの貴族がその光景を暖かい目で見守るなか、一部の貴族令嬢が妬むような眼差しをしていたことを終始、当人の家族以外気付くことはなかった。
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