激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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カオスソルベ編

第7話「奇跡を起こせ!新生マジパティ・ライス」③

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「カッ…」



 ライスの頬に桜餅が張り付いた瞬間だった。突然石化したブレイブスプーンが水色の光を放ち、放たれた光がライスをトリモチと化した桜餅から解放する。ライスの目の前には、石化していたはずの雪斗のブレイブスプーンが浮いている。

「ユキ様のように力及びませんが…プディングをお助けするためならっ!!!」

 ライスの決意はダイヤモンドのように固く、彼女は再びブレイブスプーンを空高く掲げる。





「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!!!」



 ライスの身体は水色の光に包まれ、ほぼ同時にライスの身体は白い光を発光した。紫色のツインテールは一時的ではあるが解け、身体は水色を基調とした白いフリルの付いたノースリーブの着物に、白と藍色が鮮やかな帯、帯は腰の辺りでリボンのように結ばれ、黒いパンストと白いフリルのついた黒いプリーツスカートが、ライスのお尻を覆い、足元には白に水色を基調としたショートブーツが装着される。



「な…なんてことが…」



 ライスが両腕で大きな円を描くと、彼女の腕は着物と同じ水色の振袖と、手の甲を三角状に覆う薄手の布状のグローブが現れる。髪は再びツインテールに結われ、ソルベと同じような装飾のリボンが付けられ、さらにツインテールの裾も腰のあたりでくるんとカールする。ソルベと同じイヤリングが付けられ、腰に緑の宝石がついたチェーンが現れると、そこにエンジェルスプーンが付けられ、さらにライスの瞳の色が緑色に変わり、変身完了の合図となる。

「ブルーのマジパティ・ライス!!!!!禍々しい混沌のスイーツ達よ、勇者の知性にひざまづきなさい!!!!!」



 まさに奇跡の瞬間だった。プディングを助けたいがために願っていた力…それは、ライスがマジパティになることだった。身体の奥底から力がみなぎって来る…これなら、プディングを救える。ライスはそう確信した。

「ピオニーファン・スライサー!!!!!」

 マジパティとなったライスは、咄嗟に白い扇子をカオスイーツに向けて飛ばす。扇子は回転し、まるで牡丹の花のように飛び交い、カオスイーツの食指を切り裂いた。



「スパッ…」



 ライスの「プディングを救いたい」という心の現れなのか、ライスのカオスイーツに対する攻撃がプディングに当たっても、プディングには傷一つついてない。

「けほっ…けほっ…」

「叔父様っ!!!ラテ!!!協力してくださいましっ!!!!!」

 カオスイーツを切り刻んだ扇子は、ムッシュ・エクレールとラテを覆っていた桜餅を切り刻み、2人も桜餅から解放された。そして、白い扇子はライスの元へ帰っていく。

「プディング、カオスイーツとなった中学生は、駅ビルの本屋で私の財布を盗んだ奴だ!!!今から警察が来る!!そいつが警察官たちに囲まれれば、お前にはその相手の顔があやふやになる。思いっきりお前の怒りをぶつけて来い!!!」

「私も、そいつにモザイクみたいなモノかけられますので、安心して浄化してください!!!」

 ムッシュ・エクレールとラテの言葉に、プディングは体制を整え、プディングワンドを拾い上げる。その間に、カオスイーツも元の大きさへ戻ろうとする。



「食べ物は誰かにくっつけて遊ぶものではありませんっ!!!!そんな不届き者は、2度と悪さできないようにしてやりますっ!!!!!」



 プディングはプディングワンドを構え、杖の球体がぐるぐると回転を始める。回転が止まったと同時に、球体は黄色い光を放つ。



「プディングメテオ!!!フランベ!!!!!」



 カオスイーツの上空から降って来る球体は炎を纏い、餅状のカオスイーツを焼き尽くす。



「アデュー♪」



 プディングがそう言いながらウインクすると、カオスイーツは丸焦げになり、本来の姿を取り戻す。

「くっ…なんたる不覚…このままではマカロン様にどやされます!」

 そう言いながら、ティラミスはフッと音を立てて消えてしまった。



 ティラミスの言った通り、カオスイーツにされたのはかねてから素行の悪い中学生だった。そんな彼はジュレが呼んだ駅前の交番の警察官達によって取り押さえられ、瀬戌警察署に連れて行かれた。警察官達とラテのおかげで、あの事件以降もう2度と見たくない相手の顔は見ることはなかった。それが、プディングもといみるくにとっては救いであった。最も…今回はライスに対して感謝の気持ちでいっぱいだ。







 客のピークを過ぎたところで、店の方を一度トルテに任せ、シュトーレンは女の姿に戻り、居住スペースの階段を駆け上がる。アンニンから一悟が意識を取り戻したとの連絡があり、再び迎え入れるためだ。



「ガチャッ…」



 大急ぎで着替えの準備を始めた時、突然玄関の鍵が開く。

「今、着替えてるからちょっと待っててー!」

 恐らく、一悟経由で合鍵を預かっているアンニンだろう…そう考えながら、シュトーレンは着替えを済ませようとするが…



「僕の辞書に、「待つ」という文字はないよ?」



 輝かしい金髪にアクアマリンのような青い瞳…シュトーレンにとっては、何かと分が悪いイタリア人が、着替え中のシュトーレンのいるリビングに入ってきた。

「何の用なの?トーニ…」



 アントーニオ・パネットーネ…10代後半の大学生と見間違うほどの姿をしているが、これでも25歳。ホテル王の息子にして、インターポール所属の捜査官である。そして、トルテにカフェ「ルーヴル」のバイトを紹介し、ムッシュ・エクレールの住まいを確保した張本人がこの男である。



「玉菜が今…フランスを出た。明日には木苺ヶ丘に戻って来る。」

「予定より早かったのね…あの子。」

「「ブラックビター」のクイニー・アマンを元の人間に戻せたからね。玉菜は大したものだよ。」



「クイニー・アマン」…パリの「ブラックビター」のボスである。そんな相手を1人で元のインターポールの事務局長に戻せたと聞いて、シュトーレンは安堵の表情を浮かべた。



「それと…君とこうしていたくなってね…」

 そう言いながら、アントーニオは上半身裸同然のシュトーレンをソファの上に押し倒した。

「ちょっ…何すん…」

 彼女のセリフを遮るかのように、アントーニオは彼女の唇を奪った。



「例え異界の勇者でも…君は僕のモノだよ…セーラ・シュトーレン・クラージュ・シュヴァリエ…」
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