たんじょっ！～探検女子〜

探検部てなんやねん

「はーーーーー」
大きなため息をついたのはＴ高校2年生の秦野 たつの。
彼女は中学、高校と続けてきた吹奏楽部を先日やめたばかりだった。
「なんかさぁーー、なんもやることないと逆に疲れるよな」
たつのはポテトをつまみながら向かいに座る友人、羽束師 みの に話しかける。彼女も吹奏楽部だ。
「なんや自慢か、こっちはコンクールだなんだ言うて先生ずっと怒ってるねんで。24/7やで。」
みのもポテトをつまみ言う。
「だいたいなんでやめたんよ？吹部。」
「あーーはづか氏には話してなかったなぁ。」
たつのは｢羽束師みの｣の事を｢はづか氏｣と呼ぶ。
「おう、話せ」
「話すと長くなります、、まず私が演奏していた楽器は？？」
「コントラバスとかベースとかだ」
「そー！大正解魂斗羅とかですピコピコ」
「うちの吹奏楽部にはコントラバスが出来るのおまえしかいなかったから大迷惑やで。」
「そこがきもやねん！」
「どーゆーこっちゃ」
「簡単に言うとやな、私は吹奏楽部にめいわくをかけたかったそれだけや。」
「おまえクソやな」
「だいたいさーー、あの顧問の先生めちゃウザイやん。あいつそもそも音楽教師ちゃうし！」
その後もたつのの愚痴は延々と続いた。
翌日学校にて
「なんかゆるい部活入りたいなー」
昼飯を食い終えたたつのは校舎内をフラフラしていた。
「写真部……アカン、キモ男ばっかやん」
「コンピューター部……アカン、キモ男ばっかやん」
「美術部……アカン、キモ男ばっかやん」
廊下にならぶいくつかの部室の扉をみては1人でぶつぶつと言っていた。
「探検部……アカン、キ……え？探検部てなんや、こんなんあったっけ、あ、女子だけやん」
部員募集の張り紙を見る。
女子生徒のみ募集だった。
男女雇用機会均等法とかあったなぁと思い出した。
「放課後もっかいきてみるかーーー。」