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第三章 軍人も古代種も俺を熱く欲す
25 軍人を煽る番犬
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「いい加減に止めやがれって!」
精一杯の叫びに三人共俺の方を向く。感謝の気持ちでいっぱいだが、喧嘩は見たくない。俺は出来損ないかも知れないが喧嘩好きという訳ではない。
アラカイとイーランは無言で一歩引く。イーランは少し俺の顔を見てから俺にだけ聞こえるように小さく訊く。
「何か嫌な事を強制されましたか?」
俺は頭を振る。
「強制は……何も、されていないから……」
――――くそ、俺、めちゃくちゃ淫乱野郎みたいじゃねえかよ!
彼は無言で剣を仕舞う。
この二人もイリュと同じぐらい鼻が利くのならば俺の体に付いたであろうイリュの香りに気付いている筈だ。初日にはアラカイに口でされ、その翌日にはイーランを交えての乱交の後に更にはイリュ。どれだけ尻軽だと思われてしまうんだろと本気で落ち込む。
「アラカイ様! ユエン様はご無事でしたか⁉︎」
アラカイの部下なのだろうか、何人か軍服を着た人達が走ってくる。
「アラカイ、本当にごめん」
「大丈夫だ。君が無事だったからもう心配ない」
いや、こんな大人数で必死に捜索していたのだ、『心配ない』訳ないのは俺でも分かる。美形の吸血鬼は部下達に何かを耳打ちする。軍人達は頷き、俺に軽く微笑んで頭を下げてから街の方へと引き返していく。
「今夜は特に側にいたいが……本部に一度戻らなければいけない」
アラカイはイリュをチラッと見る。俺はもしかしたらかなりの事をしでかしたのかもしれない。彼は空をチラッと見上げると眉毛を顰める。
「時間も遅いから今夜中に戻れるか分からない」
「私がお側にいてもいいでしょうか、ユエン様」
「私もイーランが君の側にいてくれる方が安心する」
「俺がいるからてめえはいなくってもいいぜ」
――――ぁあ、もう! なんだこのぐちゃぐちゃな関係は!
精悍な軍人はイリュを無視して俺に少し微笑む。
「ユエン様、アラカイ様がどれほど長く拘束されるか分かりませんので取り敢えず今夜は私の家に来てください。彼の家程広くはないですが、部屋とお風呂、食事はあります」
迷惑を掛けているので素直に言われたようにしようと思い、頷く。途端にイリュが不機嫌な表情をする。
「俺は乳臭ぇ家なんかにゃ入らねぇぞ」
「私も腐敗臭がしそうなご長老様を家に招待する気はない」
「ユエン、俺はすぐ外で待っているからな。何かあったらすぐに叫べ。そこのオムツ取れたばかりのガキに太陽喰らわせてやるからな」
イーランが奥歯をギリギリと噛む。
「お前も太陽で焼け爛れてそのまま墓に入ってくれれば世話ないんだけどな」
――――勘弁しろよぉ
とても、とても長い夜になりそうだ。
アラカイは司令部へ、俺はイーランについて彼の家に行く。周りに他の民家が見当たらなかったアラカイと違い、イーランの家は離れているとはいえ隣人宅がちらほらと見える。
「ユエン」
俺がイーランの家に入る直前、イリュに呼び止められる。振り向くと有無を言わせない強引さで唇を奪われる。
「んっ! んんん!」
肉厚の舌が俺の舌を捉えて、引っ張り、揉み回す。粘膜同士が擦れ合うと俺の体内を弄っていた力強い指を思い出し、ぞくぞくとした快感が下半身を直撃する。
イーランに見られている。彼には前日『出会ったばかりでキスは嫌だ』と言っておきながら、彼よりも後に出会ったのイリュに強引に舌を吸われながら立たせてしまっている俺を。
なんとかイリュの顔を引き剥がして彼を睨む。
「また気絶するまで喘がせて欲しい時は外に来い」
彼は不敵に笑いながら唇を舐め、俺から離れる。恐る恐るイーランを見ると彼は目を背けたまま俺の事を待っている。非常に不機嫌な顔で。
――――イリュの馬鹿野郎ぉ!
イーランが玄関のドアを開ける。アラカイと同じように家は地下へ向かう階段から入って行く。すぐに再び重そうなドアがあり、それを開けるとリビングへと繋がる。完全に太陽を遮光している作りだ。
大きな黒いソファーに白と青調のシンプルな内装だ。テーブルには本が数冊置いてある。彼は無言のままそこを通って白い寝室へと入り、奥のシャワーへと案内してくれる。
「……タオルと着替えをお持ちします」
彼が一度離れる。
――――どうしよう。物凄く、機嫌が悪い
精一杯の叫びに三人共俺の方を向く。感謝の気持ちでいっぱいだが、喧嘩は見たくない。俺は出来損ないかも知れないが喧嘩好きという訳ではない。
アラカイとイーランは無言で一歩引く。イーランは少し俺の顔を見てから俺にだけ聞こえるように小さく訊く。
「何か嫌な事を強制されましたか?」
俺は頭を振る。
「強制は……何も、されていないから……」
――――くそ、俺、めちゃくちゃ淫乱野郎みたいじゃねえかよ!
彼は無言で剣を仕舞う。
この二人もイリュと同じぐらい鼻が利くのならば俺の体に付いたであろうイリュの香りに気付いている筈だ。初日にはアラカイに口でされ、その翌日にはイーランを交えての乱交の後に更にはイリュ。どれだけ尻軽だと思われてしまうんだろと本気で落ち込む。
「アラカイ様! ユエン様はご無事でしたか⁉︎」
アラカイの部下なのだろうか、何人か軍服を着た人達が走ってくる。
「アラカイ、本当にごめん」
「大丈夫だ。君が無事だったからもう心配ない」
いや、こんな大人数で必死に捜索していたのだ、『心配ない』訳ないのは俺でも分かる。美形の吸血鬼は部下達に何かを耳打ちする。軍人達は頷き、俺に軽く微笑んで頭を下げてから街の方へと引き返していく。
「今夜は特に側にいたいが……本部に一度戻らなければいけない」
アラカイはイリュをチラッと見る。俺はもしかしたらかなりの事をしでかしたのかもしれない。彼は空をチラッと見上げると眉毛を顰める。
「時間も遅いから今夜中に戻れるか分からない」
「私がお側にいてもいいでしょうか、ユエン様」
「私もイーランが君の側にいてくれる方が安心する」
「俺がいるからてめえはいなくってもいいぜ」
――――ぁあ、もう! なんだこのぐちゃぐちゃな関係は!
精悍な軍人はイリュを無視して俺に少し微笑む。
「ユエン様、アラカイ様がどれほど長く拘束されるか分かりませんので取り敢えず今夜は私の家に来てください。彼の家程広くはないですが、部屋とお風呂、食事はあります」
迷惑を掛けているので素直に言われたようにしようと思い、頷く。途端にイリュが不機嫌な表情をする。
「俺は乳臭ぇ家なんかにゃ入らねぇぞ」
「私も腐敗臭がしそうなご長老様を家に招待する気はない」
「ユエン、俺はすぐ外で待っているからな。何かあったらすぐに叫べ。そこのオムツ取れたばかりのガキに太陽喰らわせてやるからな」
イーランが奥歯をギリギリと噛む。
「お前も太陽で焼け爛れてそのまま墓に入ってくれれば世話ないんだけどな」
――――勘弁しろよぉ
とても、とても長い夜になりそうだ。
アラカイは司令部へ、俺はイーランについて彼の家に行く。周りに他の民家が見当たらなかったアラカイと違い、イーランの家は離れているとはいえ隣人宅がちらほらと見える。
「ユエン」
俺がイーランの家に入る直前、イリュに呼び止められる。振り向くと有無を言わせない強引さで唇を奪われる。
「んっ! んんん!」
肉厚の舌が俺の舌を捉えて、引っ張り、揉み回す。粘膜同士が擦れ合うと俺の体内を弄っていた力強い指を思い出し、ぞくぞくとした快感が下半身を直撃する。
イーランに見られている。彼には前日『出会ったばかりでキスは嫌だ』と言っておきながら、彼よりも後に出会ったのイリュに強引に舌を吸われながら立たせてしまっている俺を。
なんとかイリュの顔を引き剥がして彼を睨む。
「また気絶するまで喘がせて欲しい時は外に来い」
彼は不敵に笑いながら唇を舐め、俺から離れる。恐る恐るイーランを見ると彼は目を背けたまま俺の事を待っている。非常に不機嫌な顔で。
――――イリュの馬鹿野郎ぉ!
イーランが玄関のドアを開ける。アラカイと同じように家は地下へ向かう階段から入って行く。すぐに再び重そうなドアがあり、それを開けるとリビングへと繋がる。完全に太陽を遮光している作りだ。
大きな黒いソファーに白と青調のシンプルな内装だ。テーブルには本が数冊置いてある。彼は無言のままそこを通って白い寝室へと入り、奥のシャワーへと案内してくれる。
「……タオルと着替えをお持ちします」
彼が一度離れる。
――――どうしよう。物凄く、機嫌が悪い
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