通りすがりの龍喰らい

ヨルムンガンド

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第一章

再訪問に向けて

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__ライトを生贄にした村にて。

 「いやぁ、あの若者のおかげで助かりましたなぁ、村長」
 
 「少し気の毒な気もするが、あの若者の命だけで、龍を大人しくできたのだ。よしとしようじゃないか」

 村には、平穏な空気が流れていた。これといって龍が現れたことによる被害はなかったが、不安要素というものはないに越したことはない。

 「それにしても、あの龍はまだあの洞窟にいるでしょうかね?」

 もしまだ居るとしたら、生贄をもっと出さないといけなくなるだろう。

 「いや、もう居ないだろう。あの日からもう1週間経っておるのだ、どこかに行っておるだろう」

 「そうですよねー。あ、それより村長。今日取れた野菜がですね……」

 
 村では、ライトを覚えている者などいなかった。


___________________________________

 「ええっ、五日間修業する!?」

 洞窟の近くに位置する森林に俺とべる
 
 「そうそう、君は貧弱すぎるんだよ。もっと、こう、ムキムキにならなきゃ!」

 「えー筋トレかよー」

 「むむむ。こんな美少女がそばにいるというのに……」

 「うーん…」

 確かにベルセルクは美少女だ。顔立ちも整っているし、手足もすらっとしながらもら健康的な肉付きで理想の体型と言ってよいだろう。男がどうしても見てしまう胸部についても、中間ほどの大きさである。
 
 だが、

 「俺はロ○コンではないのだよ、ベルセルクくん」

 「ほほぅ?喧嘩売ってんのかなぁ?」

 「や、やばいっ。これは、怒っていらっしゃる感じ!?本気で龍になっちゃう感じ!?」

  「ぅううううぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉおおっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」

 「キャッ~ー!」

 兎も角、こうしてライトの(魔)改造計画が始まった。因みにベルセルクにはどうにかして、龍にならないように我慢してもらいました。


 1日目。

 「さて、記念すべき初日は、君の身体スペックチェックテストだよ」

 突如として、試験は開始された。短・長距離走や走り幅跳びなど基礎的なものは勿論、木登りや岩投げなど一風変わったテストもあった。

 歳だけでいえば、人生の中で最高状態なのだろうが、

 「ふふふ、ニート歴2年を舐めるなよ?」

 「これは、酷いね……この世界の5歳児並みだよ、これ」

 「えっ」

 流石に堪えるものがあった。ご、5歳児って、龍どころかあの村の人達にも勝てないってことか……確かに、衛兵の力強いなって思ったもん。

 「これ、まずい?」

 「めっちゃくっちゃね」

 分かっていても訊いてしまう。だが、俺は次のベルセルクの発言に真の絶望を見た!

 「あ、因みにライトには魔力が無いみたい」

 「はぁっーーーー?!」

 う、嘘だろオイ。魔力無しとかもう底辺オブ底辺じゃん。遠距離からズドーンってやるのが、楽しみだったのに!

 「筋力もないし、かと言って頭が言い訳でもない…」

 「やめてくれ、自尊心がピンチでございます」

 どうやら、この世界には分かりやすい「ステータス」のようなものは無いようだ。そのおかげで、魔力0とかを見なくて済んだ。

 「何を言っても始まらないよー。これから、成長すればいいんだよ。………………ね?」

 あ、可愛い。これは、いいな。頑張れるよ。いやー、やっば美少女の笑顔はすげーわ。

 「うん、頑張る」

 うーわっ、すっごい俺って単純。
 

 





 
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