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第一章
手合
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『戦神』ガランド。出身地不詳。苗字は無い。
彼自身、自分がどこで生まれたかを覚えていないのだ。物心ついた頃から、ベセノム騎士団に入団していたのは覚えている。騎士団長に就任し、エリート街道を歩み続けた結果、いつしか二つ名がついていた。
だが、それでもまだまだ無名だった彼の存在を全世界に知らしめた存在、それが魔導戦争がだった。
全世界で突如として発生した大規模な魔物暴走が事の発端となった。各国は、対応に追われた。敵対国同士も、この時ばかりは互いに物資を融通し合い、魔獣との戦いに備えたという。
結果としては、人間側の勝利だったが、被害は甚大だった。その中で、死傷者が少ない地域があった。それが地方国家ベセノムだった。あの大王国ですら、数万人規模の犠牲を出した。対して、ベセノムはたったの数百人だけだった。
母数を考えても、異常だった。並外れた指揮能力を持つ者がいるのだ、と民衆は噂したが事実は異なった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ、やろおおおとおどもぉぉおおおおっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」
戦場で最も恐れられたのは攻撃力でもなければ、撃破数でもない。
「こいつっ!何度でも、起きやがりやがるっ!くそっ、不死身かよ、こいつはぁよぉぉぉぉぉー!」
「ふはははははははぁぁぁぁ!!!!!!」
耐久力。
何度でも、何度でも、蘇る、甦る。メンタルも、身体も、尽きることを知らず、戦う能しかない低級魔物ですら、その存在を恐れたという。
倒した敵は、数知れず。また負った傷も、数えきれない。数多の敵部隊を壊滅させ、降伏へと追いやった。
とある魔物側の司令官だった蜥蜴は、戦いを前にした兵士達にこう忠告したという。
「戦場で見かけたら、攻めてはいけないものは二つある。無抵抗の市民と、『戦神』だ」
彼は、間違いなく人間史と魔物史の双方にその名を刻んだのである。
___________________________________
再度、ルク達は広場に戻る。先程は、あんなに荒れていたはずの庭園が不思議なことに綺麗になっている。
「え、これは……?」
「この庭園の地下では、常時土魔導を組み込んだ装置が稼働しています。そのため元ある形状を装置に記憶させることで、戻すことが可能なのです」
最近の魔導技術は進歩し、特定の印を機械に『刻む』ことで、電気エネルギーを魔導に変換させることが出来るという。
「すごいですねー」
「それにしても、お身体の方は大丈夫なのですか?ガランドさん?」
「ほっほっ、こんな老体の身を案じてくれるなど大変有り難いですな」
どうやら、試験は変わらず行われるようだ。
それより、とガランドは前置きし、
「ご自分の身を案じた方がよろしいかと」
その時のガランドの瞳は、凄まじいものだった。見るものを凍てつかせ、恐怖の極地へと誘う死の瞳。『戦神』としての彼が垣間見えた瞬間でもあった。
「剣を」
ガランドが指示をする。本来、同じ立場にあるはずの給仕者の一人がそそくさと一本の剣を彼に手渡す。
彼の持つ剣は、執事のタキシードには似つかわない両手剣だった。細身とはいえ、鍛え抜かれたその鋼は彼自身の魂を体現しているように思える。
お互いが場に立つ。その圧倒的威圧感がひしひしと伝わってくる。
「では、始めるとしましょう」
開幕の言は、意外にも簡素なものだった。
撓められた足が急激に戻され、異常な速度の突撃が敢行される。
スバァォァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
黒の正装も相まって、まるで銃弾のようだった。常人の知覚を超えた一撃が繰り出される。だが、彼の顔にはまだまだ余裕があった。
(この程度の攻撃を受けられないような者ではないと信じていますよっ!)
始めに迎撃したのは、ルクだった。相も変わらず、鋼鉄化された拳を、彼の剣に添わせるようにして迎え撃つ。
キンッ!
音は、思いの外軽いものだった。それはルクの超人的な往なしを行ったことを示すことだった。
「ほほう、やるでは無いですか」
「戦神にお褒め頂き光栄にござ」
「でも、まだです」
遮るようにして、戦神は凄みのある笑みを浮かべる。
攻撃がその激しさを増す。ルクの表情も引き締められる。
「まだまだァ!」
攻撃は熾烈を極める。剣戟が徐々に加速し、残像が形成される。
「まだまだまだァ!」
「ッ!」
(この人、止まることを知らないのか!)
段々と、でも確実に押されていくルク。額にはいつしか玉のような汗が生まれ、手合わせ前の余裕は消えていた。
「ふっ!」
「ぐふっ」
「ルクさん!」
とうとう鋼鉄化していない脇腹に一撃を食らってしまう。だが、攻撃の手は止まない。体の至る所に赤い線が形成されていく。
見かねたガランドは、一度剣を止め、ルクを蹴り飛ばす。腕で防いだはいえ、まともに蹴りを受けたルクは、無様にも地を転がる。
「もう終わりですか?」
(ば、化け物…………あんなにクシルスさんを圧倒していた人が、こんなに簡単に…)
「次は…」
ガランドがクリネの方に向き直る。返り血で赤みがかっているタキシードを着た化け物はらこちらに狙いを定めたらしい。
「ルクさんの分まで私が!」
エルトを持ち、全速力でガランドに迫っていく。敵を倒した時が、最も隙ができるのは経験上知っていた。今しか、攻撃のチャンスは無い。
「はあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!シャイニングッ!」
刀剣が光り輝き、光撃の準備を始める。そのまま、勢い良く剣を振り下ろす。光撃は、勢い良くガランドの方へ向かう。
そして…………
バギッッ!
光撃は、いとも簡単に彼の指に挟まれ、「折られた」
「嘘…」
「駄目ですよ。敵の前で一度出した技をまた出すなど。さらに、この魔導は練度が低すぎます。大戦の魔導鎧だとしたら、傷一つつかない」
ほとんど彼の言うことなど耳に入らなかった。避けられる事は先程のレイカ戦で既に分かっていた。
だからこそ、その後の隙を伺っていたのだ。なのに、なのに。
「こんな様でよくハンターになろうと思いましたね。貴女は彼のお荷物でしかない。確かに上級ハンターになれるほどの力はある。だけど、その中では最底辺だ」
「__っ」
何も言い返せなかった。ずっと戦う前から思っていたことだ。自分はここにいるべきではないのかもしれないと。その思いは、試合が終わってからさらに、大きくなっていった。
ルクに対して、自分は先輩面していた。だが、それはルクからすればただただ迷惑で、疎むべきことだっただろう。
「違いますよ」
聞こえてきたのは、倒れたはずの後輩の声だった。
「僕は、クリネさんのことをそんな風に思ったことなんて一度もありません。何も知らない自分に、色んなことを教えてくれたのは貴女です。初対面だったのに、自分の身を案じてくれたのは貴女です。今日の指名依頼に、然るべき責任と誇りを持って共に来てくれたのは貴女ですっ!」
「!」
ああ、自分が情けなくなった。こんなにも彼は私を信用していたのに、自分は疑ってばかりだった。自分は疎まれている、そう思い込んでいた。彼の気持ちを彼の口から、少しも聞いてなかったのに。
「……弱くてもいいんですか?……先輩面していいんですか?」
「そんなの訊かないでくださいよ。当たり前です」
なんだ、目頭が熱い。ただひたすらに熱い。景色が歪む。ダメだ、駄目だ。先輩なのに、先に泣くなんて。でも、止まらない。とめどなく溢れてくる。
「あ、ああ__あああああああああああぁぁぁッッ!」
なんてみっともない。でも、何となくだけど。
これでいい気がした。
「ガランドさん」
「はい。仲良しごっこは終わりましたか?戦場では、そんなもの役に」
「黙れッッ!!クリネさんを罵った罪をここで償わせてやる!」
「それが、あなたのせいだとしても?」
「分かってる!自分が未熟だから、自分が弱いから!こんなことになってしまった。だから!だからこそ、ここで負けていい理由にはならないんだ!」
「__いい顔つきになったな、若造。さあ、全力でかかってこい」
ルクがあんなに激昂したのは、初めて見た。いつも冷静沈着で理性的だったあの彼が。
______ ルクの反撃が始まる。
彼自身、自分がどこで生まれたかを覚えていないのだ。物心ついた頃から、ベセノム騎士団に入団していたのは覚えている。騎士団長に就任し、エリート街道を歩み続けた結果、いつしか二つ名がついていた。
だが、それでもまだまだ無名だった彼の存在を全世界に知らしめた存在、それが魔導戦争がだった。
全世界で突如として発生した大規模な魔物暴走が事の発端となった。各国は、対応に追われた。敵対国同士も、この時ばかりは互いに物資を融通し合い、魔獣との戦いに備えたという。
結果としては、人間側の勝利だったが、被害は甚大だった。その中で、死傷者が少ない地域があった。それが地方国家ベセノムだった。あの大王国ですら、数万人規模の犠牲を出した。対して、ベセノムはたったの数百人だけだった。
母数を考えても、異常だった。並外れた指揮能力を持つ者がいるのだ、と民衆は噂したが事実は異なった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ、やろおおおとおどもぉぉおおおおっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」
戦場で最も恐れられたのは攻撃力でもなければ、撃破数でもない。
「こいつっ!何度でも、起きやがりやがるっ!くそっ、不死身かよ、こいつはぁよぉぉぉぉぉー!」
「ふはははははははぁぁぁぁ!!!!!!」
耐久力。
何度でも、何度でも、蘇る、甦る。メンタルも、身体も、尽きることを知らず、戦う能しかない低級魔物ですら、その存在を恐れたという。
倒した敵は、数知れず。また負った傷も、数えきれない。数多の敵部隊を壊滅させ、降伏へと追いやった。
とある魔物側の司令官だった蜥蜴は、戦いを前にした兵士達にこう忠告したという。
「戦場で見かけたら、攻めてはいけないものは二つある。無抵抗の市民と、『戦神』だ」
彼は、間違いなく人間史と魔物史の双方にその名を刻んだのである。
___________________________________
再度、ルク達は広場に戻る。先程は、あんなに荒れていたはずの庭園が不思議なことに綺麗になっている。
「え、これは……?」
「この庭園の地下では、常時土魔導を組み込んだ装置が稼働しています。そのため元ある形状を装置に記憶させることで、戻すことが可能なのです」
最近の魔導技術は進歩し、特定の印を機械に『刻む』ことで、電気エネルギーを魔導に変換させることが出来るという。
「すごいですねー」
「それにしても、お身体の方は大丈夫なのですか?ガランドさん?」
「ほっほっ、こんな老体の身を案じてくれるなど大変有り難いですな」
どうやら、試験は変わらず行われるようだ。
それより、とガランドは前置きし、
「ご自分の身を案じた方がよろしいかと」
その時のガランドの瞳は、凄まじいものだった。見るものを凍てつかせ、恐怖の極地へと誘う死の瞳。『戦神』としての彼が垣間見えた瞬間でもあった。
「剣を」
ガランドが指示をする。本来、同じ立場にあるはずの給仕者の一人がそそくさと一本の剣を彼に手渡す。
彼の持つ剣は、執事のタキシードには似つかわない両手剣だった。細身とはいえ、鍛え抜かれたその鋼は彼自身の魂を体現しているように思える。
お互いが場に立つ。その圧倒的威圧感がひしひしと伝わってくる。
「では、始めるとしましょう」
開幕の言は、意外にも簡素なものだった。
撓められた足が急激に戻され、異常な速度の突撃が敢行される。
スバァォァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
黒の正装も相まって、まるで銃弾のようだった。常人の知覚を超えた一撃が繰り出される。だが、彼の顔にはまだまだ余裕があった。
(この程度の攻撃を受けられないような者ではないと信じていますよっ!)
始めに迎撃したのは、ルクだった。相も変わらず、鋼鉄化された拳を、彼の剣に添わせるようにして迎え撃つ。
キンッ!
音は、思いの外軽いものだった。それはルクの超人的な往なしを行ったことを示すことだった。
「ほほう、やるでは無いですか」
「戦神にお褒め頂き光栄にござ」
「でも、まだです」
遮るようにして、戦神は凄みのある笑みを浮かべる。
攻撃がその激しさを増す。ルクの表情も引き締められる。
「まだまだァ!」
攻撃は熾烈を極める。剣戟が徐々に加速し、残像が形成される。
「まだまだまだァ!」
「ッ!」
(この人、止まることを知らないのか!)
段々と、でも確実に押されていくルク。額にはいつしか玉のような汗が生まれ、手合わせ前の余裕は消えていた。
「ふっ!」
「ぐふっ」
「ルクさん!」
とうとう鋼鉄化していない脇腹に一撃を食らってしまう。だが、攻撃の手は止まない。体の至る所に赤い線が形成されていく。
見かねたガランドは、一度剣を止め、ルクを蹴り飛ばす。腕で防いだはいえ、まともに蹴りを受けたルクは、無様にも地を転がる。
「もう終わりですか?」
(ば、化け物…………あんなにクシルスさんを圧倒していた人が、こんなに簡単に…)
「次は…」
ガランドがクリネの方に向き直る。返り血で赤みがかっているタキシードを着た化け物はらこちらに狙いを定めたらしい。
「ルクさんの分まで私が!」
エルトを持ち、全速力でガランドに迫っていく。敵を倒した時が、最も隙ができるのは経験上知っていた。今しか、攻撃のチャンスは無い。
「はあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!シャイニングッ!」
刀剣が光り輝き、光撃の準備を始める。そのまま、勢い良く剣を振り下ろす。光撃は、勢い良くガランドの方へ向かう。
そして…………
バギッッ!
光撃は、いとも簡単に彼の指に挟まれ、「折られた」
「嘘…」
「駄目ですよ。敵の前で一度出した技をまた出すなど。さらに、この魔導は練度が低すぎます。大戦の魔導鎧だとしたら、傷一つつかない」
ほとんど彼の言うことなど耳に入らなかった。避けられる事は先程のレイカ戦で既に分かっていた。
だからこそ、その後の隙を伺っていたのだ。なのに、なのに。
「こんな様でよくハンターになろうと思いましたね。貴女は彼のお荷物でしかない。確かに上級ハンターになれるほどの力はある。だけど、その中では最底辺だ」
「__っ」
何も言い返せなかった。ずっと戦う前から思っていたことだ。自分はここにいるべきではないのかもしれないと。その思いは、試合が終わってからさらに、大きくなっていった。
ルクに対して、自分は先輩面していた。だが、それはルクからすればただただ迷惑で、疎むべきことだっただろう。
「違いますよ」
聞こえてきたのは、倒れたはずの後輩の声だった。
「僕は、クリネさんのことをそんな風に思ったことなんて一度もありません。何も知らない自分に、色んなことを教えてくれたのは貴女です。初対面だったのに、自分の身を案じてくれたのは貴女です。今日の指名依頼に、然るべき責任と誇りを持って共に来てくれたのは貴女ですっ!」
「!」
ああ、自分が情けなくなった。こんなにも彼は私を信用していたのに、自分は疑ってばかりだった。自分は疎まれている、そう思い込んでいた。彼の気持ちを彼の口から、少しも聞いてなかったのに。
「……弱くてもいいんですか?……先輩面していいんですか?」
「そんなの訊かないでくださいよ。当たり前です」
なんだ、目頭が熱い。ただひたすらに熱い。景色が歪む。ダメだ、駄目だ。先輩なのに、先に泣くなんて。でも、止まらない。とめどなく溢れてくる。
「あ、ああ__あああああああああああぁぁぁッッ!」
なんてみっともない。でも、何となくだけど。
これでいい気がした。
「ガランドさん」
「はい。仲良しごっこは終わりましたか?戦場では、そんなもの役に」
「黙れッッ!!クリネさんを罵った罪をここで償わせてやる!」
「それが、あなたのせいだとしても?」
「分かってる!自分が未熟だから、自分が弱いから!こんなことになってしまった。だから!だからこそ、ここで負けていい理由にはならないんだ!」
「__いい顔つきになったな、若造。さあ、全力でかかってこい」
ルクがあんなに激昂したのは、初めて見た。いつも冷静沈着で理性的だったあの彼が。
______ ルクの反撃が始まる。
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