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まだ信じられない私に、ユリウスははっきりと言った。
「あなたはアンナ嬢にはめられたんですよ、ローラ様。婚約者を奪われ、流産という真っ赤な嘘の責任を押しつけられている。少しは怒ったほうがいいと思いますが」
「怒れって言われても……混乱してて」
まだ頭の整理ができていないし、思考が追いつかない。
「公爵様にお話して、ナイト家に正式に抗議していただくのが筋でしょう。この騒ぎが収束するまで、王立学院には行かれないほうがよいかと思います」
「学校でも騒ぎになってるのね」
ユリウスは答えなかったが、それこそが答えだった。
胸の中に、嫌な靄が広がっていく。
辛い経験を、やっと乗り越えられたと思ったのに。
婚約破棄で受けた傷は、まだ生乾きのままだ。そこに包帯を巻いて、ようやく立ち上がろうとしたところを、後ろから頭を殴られたような気分だった。
「どうしてアンナは、こんなことをするのかな。それにアレックスも……あの場にいたんだから、私がアンナに暴言を吐いていないことくらい、分かってるはずなのに」
「あの場にお三方しかいなかったからこそ、口裏を合わせられると踏んだんでしょう」
ユリウスはあくまで冷静だった。
「私、アンナにどう思っているの?と声をかけただけなのよ。そしたら部屋を出ていってしまったけれど……何もひどい言葉はかけてないわ」
「分かっています。公爵様、奥方様、屋敷の人間は皆ローラ様の味方です。マリー様もかんかんに怒っておられます。あまりにも怒っておられるので、落ちつくのを待っていただきました」
「……ふふっ。ありがと」
きっと、私が十分に回復するのを待って、みんな黙っていてくれたんだ。
こんなふうに追い打ちをかけられたら、また寝込んでしまうかもしれないもんね。
「ローラ様。いらっしゃいますでしょうか」
執事の声がして、ユリウスが立ち上がった。ドアのところに向かい、何事かやり取りをしている。
「お引き取りいただくようお伝えしろ」
「しかし……」
押し問答になっているのを見て、私は首を傾げた。
「どうしたの?」
「あなたはアンナ嬢にはめられたんですよ、ローラ様。婚約者を奪われ、流産という真っ赤な嘘の責任を押しつけられている。少しは怒ったほうがいいと思いますが」
「怒れって言われても……混乱してて」
まだ頭の整理ができていないし、思考が追いつかない。
「公爵様にお話して、ナイト家に正式に抗議していただくのが筋でしょう。この騒ぎが収束するまで、王立学院には行かれないほうがよいかと思います」
「学校でも騒ぎになってるのね」
ユリウスは答えなかったが、それこそが答えだった。
胸の中に、嫌な靄が広がっていく。
辛い経験を、やっと乗り越えられたと思ったのに。
婚約破棄で受けた傷は、まだ生乾きのままだ。そこに包帯を巻いて、ようやく立ち上がろうとしたところを、後ろから頭を殴られたような気分だった。
「どうしてアンナは、こんなことをするのかな。それにアレックスも……あの場にいたんだから、私がアンナに暴言を吐いていないことくらい、分かってるはずなのに」
「あの場にお三方しかいなかったからこそ、口裏を合わせられると踏んだんでしょう」
ユリウスはあくまで冷静だった。
「私、アンナにどう思っているの?と声をかけただけなのよ。そしたら部屋を出ていってしまったけれど……何もひどい言葉はかけてないわ」
「分かっています。公爵様、奥方様、屋敷の人間は皆ローラ様の味方です。マリー様もかんかんに怒っておられます。あまりにも怒っておられるので、落ちつくのを待っていただきました」
「……ふふっ。ありがと」
きっと、私が十分に回復するのを待って、みんな黙っていてくれたんだ。
こんなふうに追い打ちをかけられたら、また寝込んでしまうかもしれないもんね。
「ローラ様。いらっしゃいますでしょうか」
執事の声がして、ユリウスが立ち上がった。ドアのところに向かい、何事かやり取りをしている。
「お引き取りいただくようお伝えしろ」
「しかし……」
押し問答になっているのを見て、私は首を傾げた。
「どうしたの?」
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