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春の章
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「気に食わねえな」
彼はつかつかと歩み寄り、ルートの顎を持ち上げると、妙案を思いついたのか、
「おい、お前ら。こいつ脱がせろ」
お決まりの展開に、ルートは吐き気がするほど慣れていた。
諦めとも呆れともつかぬ表情で見上げると、シルヴァリオは凶悪に顔を歪め、
「女みたいな顔しやがって、カマ野郎が。下のもんついてんのか?あ?」
ぎゃははは、と一際大きな馬鹿笑いが渦巻いた。
脱がされかけたルートは顔色一つ変えず、シルヴァリオの顔に唾を吐きかけた。
「てめえっ!」
のぼせ上がって振り上げた拳が迫りくる。
顔面骨折は免れないとルートが腹をくくったそのとき、ガラスの割れる甲高い音が響いた。
見ると、室外から投げ込まれた石が窓を砕いて、破片が水晶のように床に散らばっている。
「何の騒ぎだい」
物音を聞きつけてやってきた人影に、五人はびくりと体を強張らせた。
白衣を羽織った医務官のラグランジュが、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「あの、石が。どこかから投げ込まれたみたいです」
おずおずと少年の一人が言い、目を見交わす。
「君は?」
と尋ねられ、ルートははだけた服のボタンを丁寧に留め直した。
「何でもありません」
少年たちはそそくさと逃げるようにその場を去り、再び図書室は静寂に包まれる。
箒とちりとりを持ってきたラグランジュに、「手伝います」とルートは声をかけた。
彼はつかつかと歩み寄り、ルートの顎を持ち上げると、妙案を思いついたのか、
「おい、お前ら。こいつ脱がせろ」
お決まりの展開に、ルートは吐き気がするほど慣れていた。
諦めとも呆れともつかぬ表情で見上げると、シルヴァリオは凶悪に顔を歪め、
「女みたいな顔しやがって、カマ野郎が。下のもんついてんのか?あ?」
ぎゃははは、と一際大きな馬鹿笑いが渦巻いた。
脱がされかけたルートは顔色一つ変えず、シルヴァリオの顔に唾を吐きかけた。
「てめえっ!」
のぼせ上がって振り上げた拳が迫りくる。
顔面骨折は免れないとルートが腹をくくったそのとき、ガラスの割れる甲高い音が響いた。
見ると、室外から投げ込まれた石が窓を砕いて、破片が水晶のように床に散らばっている。
「何の騒ぎだい」
物音を聞きつけてやってきた人影に、五人はびくりと体を強張らせた。
白衣を羽織った医務官のラグランジュが、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「あの、石が。どこかから投げ込まれたみたいです」
おずおずと少年の一人が言い、目を見交わす。
「君は?」
と尋ねられ、ルートははだけた服のボタンを丁寧に留め直した。
「何でもありません」
少年たちはそそくさと逃げるようにその場を去り、再び図書室は静寂に包まれる。
箒とちりとりを持ってきたラグランジュに、「手伝います」とルートは声をかけた。
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