ウェルテルの陰謀 -美少女と美少年(?)に囲まれた俺の運命やいかに?ー

凪子

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第二章

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あの後、里香の説明は長い時間を要し、話し終えた後には日がとっぷりと暮れていた。

送っていくという真啓の申し出を頑として受け入れず、里香は電車で帰っていった。

「……嫌われたかな」

極彩色のネオンが彩る街をとぼとぼと歩きながら、真啓はスマホの画面を見つめて呟いた。

液晶画面には、話を聞きながらメモした事柄がずらりと並んでいる。

そのどれもが、真啓を責めているように思えた。

今から約七ヶ月前。昨年の九月下旬のある日、事件は起こった。

当時高校三年生だった北王子公香は、その日の午後、友人に会うと言って家を出たまま行方不明になった。

夜中まで待っても帰ってこない娘に、母親は心配して近所を探し回り、警察に届け出た。

だが、少年課は一応届け出を受理してはくれたものの、自発的な家出の可能性もあり、事件性に乏しいという判断がなされた。

何より、いなくなった当日のことだったので、しばらく様子を見ましょうという紋切り型の答えで追い返された。

未成年の家出は年にごまんと発生しており、ふらりと戻ってくるケースも吐いて捨てるほどある。

一つひとつにかかずらっている場合ではないというのが本当のところだった。

だが、事態は翌日に急展開を見せる。

夕刻、市内の病院から北王子家に連絡が入った。

北王子公香が意識の混濁した状態で搬送された、と。
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