恋した人魚の慣れの果て

いぷしろんっ

文字の大きさ
4 / 6

人魚ちゃんと拷問~中期~

しおりを挟む
「……」

 どれほど藻掻いたのかはわからない。いつの間にか焼け付く痛みは消えていた。

 「……」

 人魚ちゃんは声を出すことなく、涙だけを流して静かに泣いていた。のたうち回って疲れ果てていたのだ。

 「やぁ、痛みは引いたかな」

 スッと扉が開き、昨日の二人組が入ってきた。

 「ひっ、こ、な……ぃ……でっ!」

 掠れ声で何とか拒絶の意志を示す。流石に、彼らが自分に優しくないことだけは分かっていた。

 「そういえば自己紹介をしていなかったと思ってね。私は藤川。彼女は河野と言う。まぁ、君にはどうでもいいことだね」

 「ふじかわ、こーの」

 「おっと、君は人間を呼び捨てにしてはいけないよ。必ず名前の後ろにさん、を付けるんだ。必要があれば様、を付ける。そして返事は、はい」

 「ぎゅぇっ」

 (喉が締まる!…それに熱い?)

 首輪からの電流による、首が締め付けられる感覚にうろたえる。声に誇りを持つ人魚のプライドを折り、美しい声を失うかもしれないという恐怖を与えられる拷問だ。何体もの人魚がこの器具の過剰使用で人魚の歌を歌えなくなり、心を殺された。

 「苦しそうだね。僕の名前を呼んでくれたら止めてあげよう」

 「ふ、ふじか、わさん」

 「よし」

 「ゴホっ、ゲホッ」

 「涎と涙に塗れた顔は惨めだけど綺麗なもんだ。河野君、撮っておこう」

 「はい」

 髪を掴まれ上を向かされる。河野はパシャパシャと人魚ちゃんの顔を撮る。よく分からないものを向けられ、何をされるのか怖くて目を瞑ってしまう。

 「目を開けなさい」

 「は、はい」

 (怖い)

 「……っ、ぐす」

 撮り終えると蹲り、再び静かに泣き出す人魚ちゃん。

 「ありゃ、大分参ってるね。やっぱり、かなり弱いねこの個体は」

 「プラン変更しますか?」

 「いや、これ以上下げると将来調子に乗るかもしれない。ストレス症状が限界になるまではそのままで」

 「はい」

 「た、すけて、おねがい…」

 尾をくるりと折り曲げ身を小さくして、口を手で覆った。これは人魚なりの降伏のポーズだ。尾を畳みこれ以上動かないこと、口を塞いで攻撃歌を歌わないこと、手を動かさず波を起こさないこと。この三つを示すことで攻撃の意志が無いことを伝えるのだ。実際この状態の人魚にできることは何も無い。海の頂点の生き物として生きているが故に基本人魚はプライドが高い彼らに人にとっての土下座に近い屈辱感を覚えるポーズだ」。
 
 「はははっ、情けないものだ。早くも降伏するとはね。けどね、そんなことしたって私たちは仕事を止めないよ。君がちゃんとオーナーにふさわしくなるまでね」

 「そ、そんな!や、いやっ」

 「なんだ抵抗する元気があるじゃないか」

 「あがっ!!」

 藤川が人魚ちゃんに専用のスタンガンを容赦なく当てた。スタンガンは痛みもなく、一瞬で気絶できる代物と思われがちだがそうではない。大の大人が悶絶するほど強い痛みを感じるが、あくまで電流が体の電気信号を阻害し、短時間筋肉を硬直させるだけなので気絶をすることはまず無い。

 「あ…う」
 
 人魚用に改造しているため、硬直時間は長いがしっかり意識はある。体の自由を失われた状態の人魚ちゃんに目隠し、手錠、自害防止と、ちょっとした工夫が施された口枷が付けられる。これも拷問の一環だ。あえて意識を残して作業を行うことで、お前たち人魚は陸では何もできないのだということを植え付けるのだ。

 「ぅー……ぅー」

 人魚ちゃんは目を塞がれたため、声を出してその反響音で周囲の状況を把握しようとする。それすら口枷のせいでやりにくい。

 (何か置いていった訳じゃない…、それに誰もいない)

部屋に変化は無い。それに誰もいないとなると、何をするつもりなのだろうか。人魚ちゃんは考えを巡らせるがさっぱり分からない。

ギ、   ギ

 「ぅうッ?!ぅー!!」

 壁に埋め込まれたスピーカーから音が鳴り始めた。人間には聞き取れない高周波の音だが、人魚にとっては本能的に不快に感じる音だ。背筋がゾクゾクして、咄嗟に耳を塞ごうとするが手枷がそれを阻む。

 ギギ ギギギギい ギギギギギギキキキ

 音が段々と大きく、鳴る感覚が短くなっていく。
 
 「うぅぅうううううううううう!!!!!」
 
 人魚にとって聴覚は視覚と同じくらい重要な感覚である。人よりも状況把握や思考において重要な役割を担っているため、その感覚をかき乱されるストレスは計り知れない。音による拷問は人にも有効であるが、人魚はその比にならない苦痛を覚える。個体にもよるが、その影響は人よりも身体的な症状に出やすい。

 「う、えあッ…!あ、あ、あ」

 (地面、が、柔らかい?やっぱり硬い?へや、ゆがんで?ゆれて?)

 人魚ちゃんに最初に出た症状は空間把握能力の低下だった。海中では考えられない大きさの音であるため、脳が処理しきれず反響時間把握認知にバグが生じることが原因で起こる症状だ。視覚を遮られていることも相まって症状は重い。

 「ぅ……うぇ…え」

 情報のズレは吐き気、頭痛を生む。

 「ぅぇええ…えっぇ」

 ゴボリと吐瀉物が喉奥から溢れ出る。口枷には穴があり、そこから吐瀉物は排出されるので窒息の心配ない優れものだ。その上、センサーも付いているので吐き終えるとオートでペナルティーが科せられる。

 「ぅああああ!…ん?…ッうぅうう!!」

 部屋の排気口から甘い匂いの気体が出された。それはあっという間に部屋に充満する。自分の吐瀉物の臭いが混じりやや不快であるが、特に問題は無いと人魚ちゃんは思った。鳴り続ける異様な音に比べれば大したことではない、と。

 「あぁッ!…ひゅっ…ぃああああ!!」

 不快音は緩急を交えながらも確実に大きくなっていく。時間経過につれ苦しみは膨れ上がり、人魚ちゃんの藻搔きは激しさを増す。海の中で摩擦など知らずにいた柔らかい肌には至る所に擦り傷ができ、桜色の鱗はいくつかひび割れてしまった。だが、その痛みは異様な聴覚以上に気を取られて感じてはいなかった。

 「ッ!…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!」

 ガスは痛覚を鋭敏化する代物だった。それなりに傷ついてから効果が出るように遅効性。薄れていた痛覚が牙をむき、痛みが通常の何倍にも膨れ上がる。

 「いぃいいいいいっ!!!!!あああああああぁッ!!!!!」

 頭が壊れそうな程の大きさの不快音、そして耐え難いほどの痛み。いっそ気を失えればいいのだが、全ての刺激が強過ぎてそれは叶わなかった。気絶をしても、すぐに意識は現実に引きずり戻される。

 (あたまがわれそうひふがさけるうろこがわれてるこわいこわいこわいこわいいたいいたいたすけてたすけてたすけて)

 「お…ッあー」

 



 音とガスによる拷問は約10時間続いた。この時点で人魚ちゃんが調教施設に来て二日が経過していた。たった二日、されど二日。人魚ちゃんはボロボロになっていた。サラサラだった髪の毛は荒れ、もちもちとした肌は藻掻いてできた擦り傷と青あざだらけ。鱗はひび割れ削れ、光沢を失っている。糞尿をする場所は無かったため、垂れ流しで体も汚れていた。そんな状況のため、その顔に生気は無く、目は焦点があっていない。

 「お疲れ様。気分はどうかな、と聞くまでもなさそうだね」

 「……………」

 「ストレス反応は、軽度の脱毛、鱗の乾燥…、口腔内の唾液量も減っています。血液中のストレス物質も…限界近いですね」

 「簡易検査でこれなら、もう無理だろうね。教育に移ろう。心もとないが、漁師たちから攻撃性能も反抗心も弱い個体だと報告されているからね。これでいいだろう」

 「はい」

 昨日までなら助けてくれと嘆願し、人間から何かをされれば拒絶していた人魚ちゃんだがぐったりして動かない。検査のため、河野に体を触られたり、採血器具で血液検査をされたりしても無抵抗だ。

 「ほら、もう苦しいことは終わりだよ。この部屋からも出よう」

 「……」

 「返事は?」

 「ッ…は、ぃ」

 「なんだ、覚えていたのか。記憶力は案外悪くないのかな」

 嘲笑われても反骨心は欠片も湧かなかった。尾の先を掴まれ、乱暴に台車に乗せられ運ばれる。どこに行くのかはもう気にならない。どうせ酷い目にまた遭わせられるのだ。

 「しかし、人魚はこんなになっても綺麗なものだ」

 「見た目だけは、そうですね」

 「……ああ。そうだね。こいつらの本性は海の略奪者だ。漁船だろうが旅客船だろうが見境なしに、自分の快楽のためだけに襲う。今まで何人の人間が犠牲になってきたか」

 「見た目が美しい、ただそれだけでこんな生き物を飼いたがるなんて……上流階級の人間の気は知れません」

 「確かにね。調教後の状態しか知らないというのもあるんじゃないかな」

 彼らの言っていることは真実である。人魚飼いは上流階級の高貴なお遊び。世界的に身分制度が色濃く残っているこの世界では日本も例外ではない。一応一般家庭からの成り上がりは可能だが、教育格差のおかげでそれは難しい。不平等にも感じる者もいると言えばいるのだが、多くの者は納得している。上流階級の人間は徹底的な英才教育、もとい教育虐待に近い環境で育てられ、将来を選ぶことはかなり難しい不自由な人生を歩まされることが殆どだ。その優秀で不自由な人間味が総じて薄い彼らが自分たちが暮らしやすい社会を作ってくれる。自分たちは多少の勉学は必要だが、大した努力をせずとも平凡な幸せなら手に入る。そんな社会に過半数が満足しているのだ。

 「じゃ、体の洗浄は雌の個体だから君に任せるよ」

 「はい」

 しばらく運ばれると、人魚ちゃんは大きな浴槽のある浴場に連れてこられた。湯は既に張られており、その色は傷薬が入っているため薄緑だ。日に十分ほどこの薬品風呂に浸からせれば、今回の人魚ちゃんのような外傷は一日もあれば治る。人魚は人間と比べ丈夫で傷の治りも早いのだ。これはかつて流行った人魚の肉の不老不死伝説の原因だったりする。
 
 「…っ!…ぅうううぅ」

 だが丈夫といっても痛覚が鈍いわけではない。傷だらけの体を石鹸で、しかもブラシを使って洗われれば沁みる。その手つきが荒ければなおの事痛い。

 「…悲鳴だけは、人間と同じですね」

 汚れを落としきると河野は呟いた。彼女の瞳に憐みだとか憐憫といった感情は一切ない。人魚ちゃんの腕を掴み、浴槽へ引き摺っていく。肩が外れそうで人魚ちゃんの顔が歪む。

 「きゃっ」

 浴槽の傍まで来るとガッと両肩を掴まれ持ち上げられ、上半身を押し込まれる。そのまま尾ひれを蹴り飛ばし浴槽に人魚ちゃんを叩き込み、素早く上からさすまたで抑え込む。

 「いたっ、いたいいたいたいいたいっ!!」

 「暴れるなっ!!」

 「ぎゃぁッ」

 河野はさすまたを器用に使い、人魚ちゃんを何度も浴槽の底に叩きつける。ガンッガンッガンッと鈍い打撃音が浴室に木霊する。

 「はぁ、やっと大人しくなった。ちょっと痣が増えたけどこれくらいなら一晩で治るでしょ」

 音が鳴り終わるころには、人魚ちゃんは浴室の中でぐったりと沈んでいた。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

【完結】ありのままのわたしを愛して

彩華(あやはな)
恋愛
私、ノエルは左目に傷があった。 そのため学園では悪意に晒されている。婚約者であるマルス様は庇ってくれないので、図書館に逃げていた。そんな時、外交官である兄が国外視察から帰ってきたことで、王立大図書館に行けることに。そこで、一人の青年に会うー。  私は好きなことをしてはいけないの?傷があってはいけないの?  自分が自分らしくあるために私は動き出すー。ありのままでいいよね?

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました

cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。 そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。 双子の妹、澪に縁談を押し付ける。 両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。 「はじめまして」 そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。 なんてカッコイイ人なの……。 戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。 「澪、キミを探していたんだ」 「キミ以外はいらない」

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さくら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

竜帝は番に愛を乞う

浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。

処理中です...