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初めての錬金術
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家に戻り、俺はどうしても確かめたいことがあった。
「なぁ、ルリ。大きい釜なんてあったりしないかな?」
「あ、ありますよ?」
「本当か!? 何処にあるんだ」
この家を見渡しても大きな釜など何処にも見当たらない。
「あ、あそこです」
ルリが指を差した先は布が覆われてホコリが被ってある場所だった。
「め、捲ってみても良いのか?」
「は、はい。ね、念の為、窓もドアも全開にしておきますね」
捲っても大丈夫なようで、ルリはすぐに窓とドアを開けていつホコリが舞ってもいいように換気をしてくれる。
一度、布に背を向けて思いっきり息を吸い、呼吸を止めてその布をゆっくり、ゆっくりと捲り始める。
ホコリが家中に飛ぶのを防ぐためだ。
そうして布はホコリが舞わないようにクルクルと巻き、黒光る釜が現れたのを確認すると、俺はゆっくりと一度家を出る。
外ならホコリは関係ない、布をバサッと広げ、布に付着したホコリをバタバタとさせて払う。
この布はルリが作った麻とは違い、かなり丈夫な物だ。
そして、結構な大きさもある。
これなら俺が床で寝る時に使うタオルケットとして最適だ。
洗って乾かせば二、三日で使えそうだし、二、三日の我慢だな。
「れ、錬金術、ですか?」
「錬金術?」
家に戻るとルリは首を傾げて俺にそう訊ねるが、肝心の俺はルリが何を言っているのか分からず、オウム返しする形になる。
「れ、錬金釜を使って、そ、素材と素材を合わせて全く違うものを作ることです」
「ふむ。ルリが言うならそうかもしれない。どうしてそのことを知ってるんだ?」
俺がやろうとしているのはその全く違う……まではいかないけれど、素材を合わせて作ることに違いはない。
どうしてルリはそのことを知っているのだろうか。
もしや、人の心が読める?
「お、おばあちゃんが昔、れ、錬金術のお仕事をしてました。こ、このアトリエは、その名残なんです」
なるほどな。ずっとルリのおはあさんは何をしていたのか聞けていなかったが、錬金術と言うのを生業にしていたらしい。
俺の心を読んだ訳ではないようだ。
「そうだったんだな。少し釜の周りを掃除をしたいのだけど」
「は、はい。き、昨日、ツバサお兄ちゃんが着ていたものですけど」
俺の着ていた服、だったものを手渡される。
今や服だと言う影もなく、紛うことなき雑巾になっていた。
「助かるよ。それとさっきの薪とみかんの実を使ってもいいか?」
「も、もちろんです。あ、後お水もですよね?」
「あぁ、出来れば掃除し終わってから頼む」
おばあさんが錬金術を使っていたからか、俺が何をしたいか大体のことは理解しているようで、水を要るかどうかも訊ねられる。
その姿は生き生きとしていて嬉しそうだ。
「わ、分かりました。わ、私もお掃除手伝います」
そうして二人で釜とその周りを掃除し始める。
使うことがなかったからか、掃除はここだけあまり行き届いてはおらず、長年付着していた頑固なホコリを取るのには一苦労だったが、何とかピカピカになる。
「よし、こんなもんかな」
「は、はい。お水です」
バケツに沢山の水を持ってきてくれて、釜の近くに置いてくれた。
「ありがとう。まずは空焚きかな」
長年使っていなかったから取り切れていない余分なホコリを焼き払いたい。
釜の下にある竈に薪と火種の元になる乾燥した草を入れると、要領が分かっているルリはそのままそこに火打ち石を打ち、火を起こしてくれる。
「そんなに手際がいいのにどうしてルリは錬金術をやらないんだ?」
「ざ、残念ながら私には……さ、才能がありませんでした」
「え゛、才能とかあるのこれ!? お、俺も錬金術とやらが出来なかったらどうしよう!?」
本当に残念そうに下を俯きながら錬金術は才能が居ることを喋っていた。
そうとはつゆ知らず、俺に才能がなかったらどうしようかと焦ることしか出来ない。
「つ、ツバサお兄ちゃんは大丈夫だと、お、思います」
「その根拠は如何に!?」
「な、何となくおばあちゃんに、似てますから」
俺がルリのおばあさんに似ているだと!?
無意識に身体の匂いを嗅ぐ。
「に、匂いではありません。ら、楽観的と言いますか、な、何も考えていなそうな?」
「そ、そうか……」
加齢臭かと思ったが違うようで、俺が似ているのはこの持ち前のポジティブシンキングだったらしい。
そうこう話しているうちに竈の火はどんとん火力を増し、今釜に飛び込んでしまえばこんがりとなるのは目に見えていた。
「薪に雑巾を括り付けてって……と。それでフキフキ~」
ジュウジュウと言う音を上げ、取り残した焼けたホコリは雑巾で拭き取られていく。
だいぶ綺麗になったし、そろそろ水を入れても大丈夫そうだ。
「い、入れますね」
「頼む」
ルリはバケツを持ち、釜の中に水を入れていく。
水が入っただけで何かが出来る訳では無い。
フツフツと湧き上がるまで待つのみだ。
「と、ところで何を作ろうとしてるんです?」
「軟膏?」
何を作ろうとしているのか自分でもよく分かってはいなかったので、疑問形で返してしまう。
レシピらしきものと、完成図を見てそう推測している。
あるととても便利だし、出先で怪我をしても応急処置だが対処も出来る。
「な、軟膏ですか。お、おばあちゃんもよく作ってくれました」
「おばあさんみたいに上手く作れれば良いんだけどな」
慣れない島の中を歩いているもんだから腰丈で生い茂る草が俺の手足を攻撃してくる。
ささくれもそうだが、地味にチクチクして痛い切り傷ほど厄介なものは無い。
だから今作っているのが軟膏であって欲しい。
「お、おばあちゃんも失敗してたので、だ、大事なのは根気だと思います」
「そっか。それを聞いて少し安心したよ。そろそろ錬金術に取り掛かろうかな」
釜の水もグツグツと煮えてきて、お湯に変わっていた。
まず初めに今日採ってきた、みかんの実を鷲掴み、釜の上で握りつぶし果汁を釜の中に入れて絞りカスのみかんの実も入れる。
透明だったお湯はあっという間に紫色の液体へと変貌した。
「次は薬草か……上手くいきますように!」
パンパン、と手を叩いて祈ると薬草を放り投げ、テーブルまで急ぎ木の棒を手にして、それで釜の中をかき混ぜる。
「まーぜまーぜ~」
何だか楽しくなってきちゃって気付けば鼻歌なんか歌いながら釜の中をかき混ぜていた。
すると紫色だったものは段々と濃い緑になっていく。
同時になんとも言えない強烈な臭いが鼻を襲う。
湿布を何倍にも濃縮させたような臭い……。
「う、うげ、臭い」
「こ、この匂いです! お、おばあちゃんがよく作ってくれた物の匂いに似てます!」
隣で興奮気味に大声を出している。
効きそうな臭いがするし、かき混ぜづらくなってきた。
「完成かな」
火を止め無事、軟膏を作ることが出来た。
ちょっと量を間違えてしまって大量に作りすぎてしまう茶目っ気を見せてしまったのは初めてだから許して欲しい。
「ぜ、全部軟膏にするんですか?」
「そのつもりだけど。他に利用方法があったりするのか?」
「は、はい。お、おばあちゃんは、う、薄く伸ばして湿布を作ってました」
ふむ。なるほど。
それならわざわざ軟膏を何かに詰め込んだりしなくても済む。
軟膏が冷めて手でも持てるようになってから、外でルリと二人で大きな葉っぱの上に軟膏を塗りたくり、それを陽の当たる場所に置いた。
雨が降らない限り明日には手作り湿布の完成だ。
とりあえず俺に錬金術の才能があることに安堵したし、ルリのおばあさんとの思い出が軟膏地獄を助けてくれた。
錬金術とやらをもっと極めてルリに恩返しが出来るかもしれない。
そう思うと是が非でもルビィちゃんから手帳を取り戻さないといけないな。
罠に気をつけながら明日もルビィちゃんの元へ行ってみよう、と考えるのであった。
「なぁ、ルリ。大きい釜なんてあったりしないかな?」
「あ、ありますよ?」
「本当か!? 何処にあるんだ」
この家を見渡しても大きな釜など何処にも見当たらない。
「あ、あそこです」
ルリが指を差した先は布が覆われてホコリが被ってある場所だった。
「め、捲ってみても良いのか?」
「は、はい。ね、念の為、窓もドアも全開にしておきますね」
捲っても大丈夫なようで、ルリはすぐに窓とドアを開けていつホコリが舞ってもいいように換気をしてくれる。
一度、布に背を向けて思いっきり息を吸い、呼吸を止めてその布をゆっくり、ゆっくりと捲り始める。
ホコリが家中に飛ぶのを防ぐためだ。
そうして布はホコリが舞わないようにクルクルと巻き、黒光る釜が現れたのを確認すると、俺はゆっくりと一度家を出る。
外ならホコリは関係ない、布をバサッと広げ、布に付着したホコリをバタバタとさせて払う。
この布はルリが作った麻とは違い、かなり丈夫な物だ。
そして、結構な大きさもある。
これなら俺が床で寝る時に使うタオルケットとして最適だ。
洗って乾かせば二、三日で使えそうだし、二、三日の我慢だな。
「れ、錬金術、ですか?」
「錬金術?」
家に戻るとルリは首を傾げて俺にそう訊ねるが、肝心の俺はルリが何を言っているのか分からず、オウム返しする形になる。
「れ、錬金釜を使って、そ、素材と素材を合わせて全く違うものを作ることです」
「ふむ。ルリが言うならそうかもしれない。どうしてそのことを知ってるんだ?」
俺がやろうとしているのはその全く違う……まではいかないけれど、素材を合わせて作ることに違いはない。
どうしてルリはそのことを知っているのだろうか。
もしや、人の心が読める?
「お、おばあちゃんが昔、れ、錬金術のお仕事をしてました。こ、このアトリエは、その名残なんです」
なるほどな。ずっとルリのおはあさんは何をしていたのか聞けていなかったが、錬金術と言うのを生業にしていたらしい。
俺の心を読んだ訳ではないようだ。
「そうだったんだな。少し釜の周りを掃除をしたいのだけど」
「は、はい。き、昨日、ツバサお兄ちゃんが着ていたものですけど」
俺の着ていた服、だったものを手渡される。
今や服だと言う影もなく、紛うことなき雑巾になっていた。
「助かるよ。それとさっきの薪とみかんの実を使ってもいいか?」
「も、もちろんです。あ、後お水もですよね?」
「あぁ、出来れば掃除し終わってから頼む」
おばあさんが錬金術を使っていたからか、俺が何をしたいか大体のことは理解しているようで、水を要るかどうかも訊ねられる。
その姿は生き生きとしていて嬉しそうだ。
「わ、分かりました。わ、私もお掃除手伝います」
そうして二人で釜とその周りを掃除し始める。
使うことがなかったからか、掃除はここだけあまり行き届いてはおらず、長年付着していた頑固なホコリを取るのには一苦労だったが、何とかピカピカになる。
「よし、こんなもんかな」
「は、はい。お水です」
バケツに沢山の水を持ってきてくれて、釜の近くに置いてくれた。
「ありがとう。まずは空焚きかな」
長年使っていなかったから取り切れていない余分なホコリを焼き払いたい。
釜の下にある竈に薪と火種の元になる乾燥した草を入れると、要領が分かっているルリはそのままそこに火打ち石を打ち、火を起こしてくれる。
「そんなに手際がいいのにどうしてルリは錬金術をやらないんだ?」
「ざ、残念ながら私には……さ、才能がありませんでした」
「え゛、才能とかあるのこれ!? お、俺も錬金術とやらが出来なかったらどうしよう!?」
本当に残念そうに下を俯きながら錬金術は才能が居ることを喋っていた。
そうとはつゆ知らず、俺に才能がなかったらどうしようかと焦ることしか出来ない。
「つ、ツバサお兄ちゃんは大丈夫だと、お、思います」
「その根拠は如何に!?」
「な、何となくおばあちゃんに、似てますから」
俺がルリのおばあさんに似ているだと!?
無意識に身体の匂いを嗅ぐ。
「に、匂いではありません。ら、楽観的と言いますか、な、何も考えていなそうな?」
「そ、そうか……」
加齢臭かと思ったが違うようで、俺が似ているのはこの持ち前のポジティブシンキングだったらしい。
そうこう話しているうちに竈の火はどんとん火力を増し、今釜に飛び込んでしまえばこんがりとなるのは目に見えていた。
「薪に雑巾を括り付けてって……と。それでフキフキ~」
ジュウジュウと言う音を上げ、取り残した焼けたホコリは雑巾で拭き取られていく。
だいぶ綺麗になったし、そろそろ水を入れても大丈夫そうだ。
「い、入れますね」
「頼む」
ルリはバケツを持ち、釜の中に水を入れていく。
水が入っただけで何かが出来る訳では無い。
フツフツと湧き上がるまで待つのみだ。
「と、ところで何を作ろうとしてるんです?」
「軟膏?」
何を作ろうとしているのか自分でもよく分かってはいなかったので、疑問形で返してしまう。
レシピらしきものと、完成図を見てそう推測している。
あるととても便利だし、出先で怪我をしても応急処置だが対処も出来る。
「な、軟膏ですか。お、おばあちゃんもよく作ってくれました」
「おばあさんみたいに上手く作れれば良いんだけどな」
慣れない島の中を歩いているもんだから腰丈で生い茂る草が俺の手足を攻撃してくる。
ささくれもそうだが、地味にチクチクして痛い切り傷ほど厄介なものは無い。
だから今作っているのが軟膏であって欲しい。
「お、おばあちゃんも失敗してたので、だ、大事なのは根気だと思います」
「そっか。それを聞いて少し安心したよ。そろそろ錬金術に取り掛かろうかな」
釜の水もグツグツと煮えてきて、お湯に変わっていた。
まず初めに今日採ってきた、みかんの実を鷲掴み、釜の上で握りつぶし果汁を釜の中に入れて絞りカスのみかんの実も入れる。
透明だったお湯はあっという間に紫色の液体へと変貌した。
「次は薬草か……上手くいきますように!」
パンパン、と手を叩いて祈ると薬草を放り投げ、テーブルまで急ぎ木の棒を手にして、それで釜の中をかき混ぜる。
「まーぜまーぜ~」
何だか楽しくなってきちゃって気付けば鼻歌なんか歌いながら釜の中をかき混ぜていた。
すると紫色だったものは段々と濃い緑になっていく。
同時になんとも言えない強烈な臭いが鼻を襲う。
湿布を何倍にも濃縮させたような臭い……。
「う、うげ、臭い」
「こ、この匂いです! お、おばあちゃんがよく作ってくれた物の匂いに似てます!」
隣で興奮気味に大声を出している。
効きそうな臭いがするし、かき混ぜづらくなってきた。
「完成かな」
火を止め無事、軟膏を作ることが出来た。
ちょっと量を間違えてしまって大量に作りすぎてしまう茶目っ気を見せてしまったのは初めてだから許して欲しい。
「ぜ、全部軟膏にするんですか?」
「そのつもりだけど。他に利用方法があったりするのか?」
「は、はい。お、おばあちゃんは、う、薄く伸ばして湿布を作ってました」
ふむ。なるほど。
それならわざわざ軟膏を何かに詰め込んだりしなくても済む。
軟膏が冷めて手でも持てるようになってから、外でルリと二人で大きな葉っぱの上に軟膏を塗りたくり、それを陽の当たる場所に置いた。
雨が降らない限り明日には手作り湿布の完成だ。
とりあえず俺に錬金術の才能があることに安堵したし、ルリのおばあさんとの思い出が軟膏地獄を助けてくれた。
錬金術とやらをもっと極めてルリに恩返しが出来るかもしれない。
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