元花乙女は幸せを求めて家出する 〜悪役令嬢みたいな人生なんて、もう結構ですわっ!〜

由岐

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第5章 闇夜に羽ばたく不穏な影

6.仄暗い白

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 大森林というだけあって、どこまでも広がっているのではないかと錯覚する程の自然に満ち溢れたこの森。
 私とウォルグさんはカナリア副団長の隊に参加し、順調に魔物を倒して回っていた。その戦闘中に意外な発見があった。
 なんと、カナリアさんは回復魔法の使い手であったのだ。
 彼女は騎士として剣を振るうのは勿論の事、傷付いた者が居れば励ましながら治療をしている。
 その魔法は見事な腕前で、素早く傷を治す魔力コントロールは素晴らしいものだった。

「ほーら、もうこれで大丈夫! まだいけるよね?」
「ええ、やれます!」
「よっし、じゃあ今度は怪我しないように頑張りなよ?」
「はい!」

 魔物の群れから離れた木の陰に隠れて治療されていた騎士は、勢い良く駆け出してゆく。
 それを満足そうに見送ったカナリアさんと、視線が絡んだ。

「すみません、カナリアさん。私の防御魔法が、もっと多くの騎士にかけられれば良かったのですけれど……」

 いくら私でも、百人を超える人数に継続して防御魔法を使うには、かなりの魔力を消費してしまう。
 それではどれだけポーションを飲んで回復し続けたとしても、無理をしすぎて私が倒れてしまうかもしれない。
 そうなってしまっては魔法が解除されてしまうし、足手纏いになる。だから私は、可能な範囲で防御を展開していた。

「気にしないで良いよ。いつもは防御魔法なんて滅多に使ってないし、これぐらいの魔物相手だったら余裕余裕! 何てったって、アタシらは王国騎士だからね。簡単にやられるかってんだ!」

 ニカッと笑ったカナリアさんは、先程から私の近くで警戒を続けてくれている。
 私が後方支援を中心としているから、彼女も一緒にサポートに回りながら、いざという時は私を護ってくれるのだという。
 一方、ウォルグさんの槍捌きは騎士達の中にあっても輝いていた。
 普段から魔物や盗賊と戦う事の多い騎士達を圧倒する気迫と、弾丸のように戦場を駆け抜け敵を刺し貫く正確さ。初めて彼が魔物と戦っている場面を目にした時は、その苛烈かれつさに恐れを抱きもした。
 でも、今ではそれが頼もしいと感じられるようになっている。彼の戦い方に慣れてきた証拠だろう。

 そんなウォルグさんの動きに、騎士達から驚きの声が上がっていたのは数十分前の事。
 しかし騎士達は、今はもう彼と張り合わんばかりに、剣や様々な魔法で魔物を打ち倒していた。
 この近くの魔物もそろそろ狩り尽くせる頃か──そう思っていた矢先、ついさっきまで暴れ回っていたウォルグさんの動きが止まった。

「……魔物の様子がおかしい」

 彼のその発言から数秒置いて、私もその異変を理解した。
 私達に取り囲まれるような形で戦闘していた魔物達が、手薄になっていた場所から何匹か逃げ出していったのだ。
 鳥型の魔物は空を飛び、狼型のものは一目散にここから離れていく。
 そして、逃げ損ねたものは騎士達に倒され、黒い煙となって消滅する。
 急に終わった戦闘に呆然としていると、ウォルグさんがくるりと身をひるがえした。

「何か来るぞ!」

 騎士達も何かを感じ取っていたのだろう。ウォルグさんが叫ぶのとほぼ同時に、全員がある方向に剣を構えた。
 すると、木々の向こうから白いもやのようなものが溢れ出してきた。それはあっという間に周囲に拡がり、霧のように私達を包み込んでいく。
 ほとんど視界を塞がれて、まるで雲の中に飛び込んでいるような、不思議な世界に作り変えられたようだった。

「……見付けた」

 見知らぬ男性の声が、私の耳元で囁いた。
 背後にある殺気とも敵意ともつかない奇妙な気配に、全身がひどく震え上がる。
 すぐさまその男から離れようとしたのだけれど、私が反応するよりも早く腕を掴まれてしまった。
 それを振りほどけなかった私は、力に任せて無理矢理男と向き合う体勢にさせられる。
 この方、どなたか知りませんけれど女性の扱いがなっていませんわね。不愉快極まりないですわ!
 真っ白な霧の中でも、流石にこの距離ならば相手の顔がよく見えた。

「その手、離して頂けます? 私、貴方のような礼儀知らずの殿方には触れられたくありませんの」

 くすんだ長い金髪が片目を隠し、血のように赤い切れ長の瞳が私を見下ろす。
 普通に見れば整った顔なのでしょうけれど、こんなロマンチックさの欠片も無い出会いは求めてはいません。第一印象は最悪ですわね。

「自分は、離したくはないのだけれど。貴女に流れるその芳しい血の香りが、白く美しい肌の下から、自分に早く吸ってほしいと囁くようだ……」
「……貴方、何を仰っておりますの?」
「自分の欲望を、ありのままに伝えた。ただそれだけ。……自分は、貴女の血が欲しい。今すぐにでもその肌に噛み付き、衝動のままにそれを味わってしまいたい」

 血を味わうだなんて、どんな趣味をしておりますの!?
 あまりにも予想のつかない言葉を返され、私はどう反応すれば良いのか分からなくなってしまった。
 されるがままで気を良くしたのか、趣味が危ない男性は私の腰に腕を回し、もう片方の手で顎を軽く持ち上げる。

「……けれど、ここには邪魔者が多すぎる。場所を変えよう」
「私は貴方に用事はありませんので、そのまま貴方一人でお家に帰って下さいます?」
「……貴女を連れて、帰りたい」
「出会って何分も経たずにお持ち帰り宣言されるとは思いませんでしたわ……」

 何だか頭の痛くなる人ですわね。いえ、頭が痛いのは彼の方なのかしら。

「ちょっとちょっと、誰なのアンタ! アタシの可愛い後輩に手ぇ出して、タダで済むと思わないでよね!」
「カナリアさん……!」

 剣に魔力を纏わせたカナリアさんが駆け付け、謎の男性はじとりと彼女を睨み付ける。

「今すぐその手を離せ! さもないと、アタシのこの愛剣でアンタを斬っちゃうんだから!」
「……この状況で、よくもまあそんな台詞を吐けたものだ。自分がその気になれば、今すぐ彼女に危害を加える事も可能であるのに」
「ぐっ……そ、そういえばそうだった!」

 正義感が前に出すぎて、冷静な判断が下せなくなっているのだろうか。
 すると、カナリアさんの怒声に気付いた近くの騎士達が走って来る足音が聞こえて来た。

「レティシア、何があった!?」

 ウォルグさんも駆け付け、濃霧の中で私達を中心に新たな包囲網が形成される。
 私の状況を見て、ウォルグは下手に手を出せないと気付いたらしい。射殺すかのような強い殺気を孕んだ眼光が、ぼんやりと青から緑色に変化していく。

「……許さん。許さんぞ……俺の女に、手を出すなぁぁぁぁっ!!」

 今までに無い咆哮をあげたウォルグ。
 同時に木々が激しくざわめき、大嵐でも来たのかという程に、ガサガサと葉が擦れる音があちらこちらから聞こえて来る。
 彼のエルフの血が暴走しているのだろうか。
 ハーフエルフであるウォルグさんは闘争本能が強い。それが私を引き金にして、彼の魔力を狂わせてしまっているのかもしれない。

「ハーフエルフ……面倒だな。森の中はエルフの領域。まともに相手にすれば分が悪い……」

 男が吐き出した言葉の通り、その表情からは諦めに似た感情が見て取れた。

「……やれるだけ、やってみよう」

 小さく呟いたその声は、私にだけははっきりと聞こえていた。
 彼は私の目を手の平で覆ったかと思うと、聞いた事も無い呪文を唱えた。

『夢を見よ。夢から醒めし乙女は、また新たな夢を見るであろう』

 その声には、抗いようの無い強烈な魔力が込められていた。
 私はみるみるうちに気が遠くなり、彼に支えられていなければ立っている事も出来ない眠気に襲われる。

「……お休み。後でゆっくり、その美味しそうな血を楽しませてほしい」

 彼に掛けられた言葉を……聞き届けたかどうかも分からない。
 底無し沼に呑まれていくように、私はずぶりと深い眠りに落ちていった──



 ******



「うおぉぉぉぉぉッ!!」

 ウォルグの絶叫。
 そして、霧に混じったヴァンパイア特有の魔力。
 狂ったように暴れ回る木の間を潜り抜け、ボクはようやく追い付いた。
 霧を見通す魔眼を発動し、着地と共にレティシアを見付けた。
 やっぱりあのヴァンパイアの狙いはレティシアだった。カノジョはヴァンパイアの手で眠らされ、その近くに居た副団長も地面に伏している。
 ヴァンパイア──吸血鬼は、異性に対して強い効果を発揮する眠りの魔法を扱える。だから二人はあの騒ぎの中でピクリともせずに眠り続けているんだ。

「落ち着いてウォルグ! そのまま暴れたらレティシア達も傷付ける!」
「……っ、黙れぇぇ!!」

 レティシア以外何も見えていないのか、刃物のような鋭さで空気を切り裂く木の葉がボクの頬を掠めた。
 こうなったハーフエルフはそう簡単には止められない。
 アイツを元に戻せる可能性があるのは、レティシアだけなんだろうけど……。

「あーもう! ボクはキミ達を助けに来てあげてるっていうのに、なんて酷い扱いなのさ!」

 カノジョはヴァンパイアに抱きかかえられているから、攻撃を加えてしまってはレティシアの身が危険に晒される。
 かといって、このままでは状況が良くなるはずもない。不完全なボクの魔法がどこまで通用するかは分からない。
 けれど、ボクにしかこの状況が変えられないのは間違いないんだ。
 ボクは一定の距離を取り、ヴァンパイアを見る。

「念の為質問させてもらうよ。キミはどこのダレなんだい?」

 腰のあたりまで伸びた、暗めの金髪のヴァンパイア。
 その男は、ボクが投げ掛けた問いに、ぼそりと答えた。

「……自分の名はクリストフ。彼女のような、素晴らしい血と魔力を持った乙女を探し求めていた。そして、これから彼女と共に帰るところだ」
「随分答えてくれるんだね。ダメ元だったんどけど、訊いてみて良かったよ」
「そういう貴方は、自分と同族であると見受けられるが……自分と共に生きる者ではないようだ」
「分かってるじゃない。そうだよ、ボクはアンタなんかとは違う。光と共に歩んでいくと決めたんだから」

 ボクにも分かるんだから、向こうもボクの正体に気付くのは当然だ。

「ウォルグ、ちゃんとボクの声聞こえてる?」
「それが、どうした……!」

 獣の如く、荒い呼吸を繰り返すウォルグ。
 それでもまだ理性が飛びきっていないのは、不幸中の幸いなのか。

「多少無茶する事になるだろうけど、ボクらでアイツを倒すよ。その辺でビビってる騎士達も協力してよ? 学生ばっかにイイトコ持ってかれたら恥ずかしいからねー」

 ボクの方がアイツより格上なんだけど、今じゃ全力の半分も出せないだろう。

「覚悟してよねクリストフ。キミを無事返すワケにはいかないんだ」

 鈍った魔力を解き放つついでに、錆び付いた呪いを吹き飛ばせたら最高なんだけど……そこまで上手く事は運ばないかな?

「カルサノーラ・ルーク・フェルマリエ・エリオール……キミもヴァンパイアなら、この名前ぐらい聞き覚えがあるでしょ?」

 ヴァンパイアという単語に、騎士達がざわつく。
 種族を言い当てられたクリストフはというと、特に慌てる様子も無く至って平然としていた。
 まあ、ボクの事もバラしちゃったようなものなんだけどね。

「伝説級の男と戦えるんだ、光栄に思いなよ──若造」

 この身体で出来る最善を尽くそう。
 『ヴァンパイア同士』の戦いなんて千年振りだ。
 あの若い吸血鬼には、これぐらいが丁度良いハンデになるだろう。
 対魔族戦の練習台として、ボクらに倒されてもらおうか。これから先、もっと手を焼く連中を相手にしなくちゃいけなくなりそうだしね。
 ボクに掛けられたこんな呪いなんかよりも、辛く悲惨な未来の到来を防ぐ為の戦いが幕を開ける。

 さあ、見ていてくれよエルーレ。
 キミとの約束を果たす戦いを始めよう!
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