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二章
19話
入浴を終え、エンティーは新しい服へと着替える。
ズボンには三つ編みの飾り結びがあしらわれ、上の服の袖は透ける程薄い生地で作られ裾の幅が広くなっている。首から鍵を下げ、さらにチョーカーを付ける。
誓約者となったΩは、首には金属よりも硬いと称される木材のチョーカーを毎日付けるように、義務付けられている。Ωの媚香の分泌腺はうなじにあり、番となるαがその場所を噛む事で変質し、周囲の者を無差別に誘う事が無くなる。誓約を結んだΩは、基本番を持つことが出来ない為、発情期には無差別に媚香をまき散らしてしまう。抑制剤と誓約の効力があっても万が一を考え、また儀式が完了している目印として、首を傷付けられない様にチョーカーを装着している。
その後、エンティーはリュクに連れられ、朝食が用意されている一階の食堂室へ向かう。食堂室は広く、20席分の椅子と長机が置かれていた。すでにシャングアは席に座り、お茶を飲みながら待っていた。
「俺はどこに座ればいいの?」
思わずエンティーは小声でリュクに聞く。
「今日は二人だから、シャングア様の正面の席に座れば良いと思う。誰かと一緒の時は、シャングア様の隣」
「わ、わかった」
エンティーは机を挟んでシャングアの正面の席へと座る。
「遅くなってごめん」
「僕は少し前に着いたばかりだから、気にしないで」
二人が揃ったのを見計らい、従属のβ達が朝食を机へと並べて行く。
焼き立ての丸いパン、食べやすく切られた色とりどりの果実、温野菜、香ばしい香り漂う厚切りのベーコン、薄く切られたチーズ、卵と薬草のスープ。
「朝食は食べられそう?」
シャングアが問いかけると、エンティーは首を小さく振る。
「ちょっと無理かも。食欲が無い」
いつもならばすぐに手が伸びそうな食事を前に、エンティーは躊躇う。
薬を飲んで改善してきたが、昨晩の宴の食事で胃がまだ疲れてしまったようだ。
「そっか。だったら、せめてスープを飲んだらどう? 胃に優しい薬草を選んで作るように頼んでおいたんだ」
シャングアはそう言いながら、卵と薬草の入った透き通ったスープを勧める。
「……そうする」
体調を考慮しエンティーは頷き、スープの入った器を手に取ると、匙を使って口に運ぶ。青臭さや苦みは殆どなく、鶏と根野菜の出汁で作られた優しい甘さが口に広がった。
これなら大丈夫と思ったエンティーは、なんとなくシャングアを見る。
彼はパンにベーコンとチーズを乗せて食べる。彼は昨晩エンティーの倍以上の量を食べさせられていたが、今も平然としている。屋根や壁をよじ登るような並外れた身体能力をしている彼は、消化機能と代謝がとても高いようだ。
よく噛んではいるが、食べる早さは衰えない。このままだと、エンティーの分も平らげてしまいそうだ。
「エンティー。食事が終わったら、キミの部屋に行くよ」
「何かあるの?」
「誓約のお祝いの品が届いているんだ」
「あっ、そういえば、あの時貰っていないね」
本来であれば儀式の終わりに親族から祝いの品を貰う流れであったが、宴会に代わっていた為にエンティーもすっかり忘れていた。
「皆がエンティーの為に選んだから、喜んでもらえると嬉しいな」
「うん。楽しみ」
二人は談笑しつつ、食事を楽しむ。
ズボンには三つ編みの飾り結びがあしらわれ、上の服の袖は透ける程薄い生地で作られ裾の幅が広くなっている。首から鍵を下げ、さらにチョーカーを付ける。
誓約者となったΩは、首には金属よりも硬いと称される木材のチョーカーを毎日付けるように、義務付けられている。Ωの媚香の分泌腺はうなじにあり、番となるαがその場所を噛む事で変質し、周囲の者を無差別に誘う事が無くなる。誓約を結んだΩは、基本番を持つことが出来ない為、発情期には無差別に媚香をまき散らしてしまう。抑制剤と誓約の効力があっても万が一を考え、また儀式が完了している目印として、首を傷付けられない様にチョーカーを装着している。
その後、エンティーはリュクに連れられ、朝食が用意されている一階の食堂室へ向かう。食堂室は広く、20席分の椅子と長机が置かれていた。すでにシャングアは席に座り、お茶を飲みながら待っていた。
「俺はどこに座ればいいの?」
思わずエンティーは小声でリュクに聞く。
「今日は二人だから、シャングア様の正面の席に座れば良いと思う。誰かと一緒の時は、シャングア様の隣」
「わ、わかった」
エンティーは机を挟んでシャングアの正面の席へと座る。
「遅くなってごめん」
「僕は少し前に着いたばかりだから、気にしないで」
二人が揃ったのを見計らい、従属のβ達が朝食を机へと並べて行く。
焼き立ての丸いパン、食べやすく切られた色とりどりの果実、温野菜、香ばしい香り漂う厚切りのベーコン、薄く切られたチーズ、卵と薬草のスープ。
「朝食は食べられそう?」
シャングアが問いかけると、エンティーは首を小さく振る。
「ちょっと無理かも。食欲が無い」
いつもならばすぐに手が伸びそうな食事を前に、エンティーは躊躇う。
薬を飲んで改善してきたが、昨晩の宴の食事で胃がまだ疲れてしまったようだ。
「そっか。だったら、せめてスープを飲んだらどう? 胃に優しい薬草を選んで作るように頼んでおいたんだ」
シャングアはそう言いながら、卵と薬草の入った透き通ったスープを勧める。
「……そうする」
体調を考慮しエンティーは頷き、スープの入った器を手に取ると、匙を使って口に運ぶ。青臭さや苦みは殆どなく、鶏と根野菜の出汁で作られた優しい甘さが口に広がった。
これなら大丈夫と思ったエンティーは、なんとなくシャングアを見る。
彼はパンにベーコンとチーズを乗せて食べる。彼は昨晩エンティーの倍以上の量を食べさせられていたが、今も平然としている。屋根や壁をよじ登るような並外れた身体能力をしている彼は、消化機能と代謝がとても高いようだ。
よく噛んではいるが、食べる早さは衰えない。このままだと、エンティーの分も平らげてしまいそうだ。
「エンティー。食事が終わったら、キミの部屋に行くよ」
「何かあるの?」
「誓約のお祝いの品が届いているんだ」
「あっ、そういえば、あの時貰っていないね」
本来であれば儀式の終わりに親族から祝いの品を貰う流れであったが、宴会に代わっていた為にエンティーもすっかり忘れていた。
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「うん。楽しみ」
二人は談笑しつつ、食事を楽しむ。
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