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六章
70話
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イルディナータの事件から10日が経つ。
事件は外殻より外へ情報は洩れず、神殿内部で処理される手筈となった。闇に屠るのではない。これから長い時間をかけて、話し合いが重ねられ、整理されていく。
解決への道のりは程遠い。
「これから、その、大変だね」
しばらく黙って歩いていると、エンティーがぽつりと言った。
シャングアが見せたい場所があるとエンティーに伝え、2人は秘密通路を歩いている。風化しながらも綺麗に掃除が行き届いた通路の先から、仄かに潮が香るそよ風が吹いている。
「聖皇健在の状況だからマシだよ」
聖皇バルガディンは番と息子への仕打ちに、抑えきれない程の怒りと憎悪によって身を焦がしながらも、至極冷静に虎視眈々と立ち回った。事件の根源である者達の拘束、そして白呪の再来に備える為だ。仮にシャングアの未完の洗脳を解いたとしても、再度行われてしまう危険が付いて回る。そうなれば取り返しのつかない状況に陥ってしまう。あえて、彼をその状態のままに従属のヴァンジュを監視に付かせ、2人の息子と情報交換を行いつつ、神殿に起きる混乱を最小限にする為に動き続けた。
結果、聖皇の存命は神殿の大きな支えとなり、洗脳を免れていた者を含めて従属達の精神状態は安定し、病院や神殿の運営に支障は出ていない。
「お父さん達と直ぐには暮らせなくて、ごめんね」
白呪との関係は〈初代聖皇の時代に秘薬を求め旅立ったかつての同胞〉と聖皇が公表した。しかし、洗脳された従属や貴族達の治療が完了していない状態では、彼らを神殿に招き入れるのは危険な為、まだ外殻の外で暮らしを続けてもらっている。
「謝らなくていいよ。正直、家族がどういうものかよく分からないし、これから少しずつ話して、距離を縮めるには良い機会だと思う位なんだから」
エンティーは、白呪と聖徒の混血だ。その事実を受け入れるだけでなく、自我を持ってから初めて会う家族とどう付き合うべきなのか、手探りの状態だ。フェルエンデが島にいる番と会う際に使用する面会室を利用し、エンティーは父や白呪の人達と会話し、交流を深め始めている。
「あのさ」
シャングアは思わず止まり、エンティーは隣に立つ。
「エンティーは、これからも僕の傍に居てくれる?」
「もちろんだよ」
まだシャングアと番であるエンティーについて公表はされていない。
神殿が落ち着くまでの間は、センテルシュアーデは今も〈注目〉の的を演じてくれている。
「不安?」
「えっ、いや……うまく言葉に出来ない」
「聞くよ」
「ありがとう」
シャングアはしばらく考えると、深呼吸をする。
「僕達がやった事では無くて、むしろ被害者だけれど……これからも神殿で暮らすからには、悪い歴史も背負っていかないといけない」
「うん」
ルエンカーナとエンディリアムの過去、宗教、戦争、長年続行されてきた人体実験、生産され続けた違法薬物、Ω達への差別。2人が知っている範囲でも、その根は深く、広く神殿に伸びている。それを無かったもののように扱う事は、許されず、王冠を継承する者はそれを記録し続けなければならない。
「君にそれを背負って欲しくはない……と思う」
やや不安げなシャングアに対し、エンティーは彼を見据える。
「俺は、シャングア一人に任せたくは無いな。君は優しいから、なんでも1人でやろうとして無理するでしょ」
「それは……」
口ごもるシャングアにエンティーはため息を着く。
「そういう所、兄弟そっくりだよね。この前、トゥルーザさんが言っていたよ」
「う、うん?」
思わぬ変化球に、シャングアは目を瞬かせる。
「カッコつけたがり。だから放っておけないんだ」
「ええ?」
エンティーは少し眉を顰め、戸惑うシャングアを見つめる。
「俺は白呪の歴史を背負ってるんだから、今更だよ。悪口もずっと言われて来たから、受け流す方法だって心得てる。勉強や教養はまだまだだけど……追いつけるように、努力する」
何でもできる分、1人で多くを抱え込んでしまう。その重みに耐えきれず、心と体は病んで行く。重圧の中で生き続けるエンディリアムを通し、エンティーはシャングアには支えが必要だと考えていた。
「ちょっとは俺を頼って、信じてよ」
その眼差しは真っすぐであり、太陽のように輝いているようにシャングアは思えた。
「エンティー……なんだか、変わったね」
どこか寂し気に笑っていた子は、今は表情も声も生き生きとしている。
「変わるきっかけをくれたのは、君でしょ」
「うん……ありがとう」
「どういたしまして」
2人は再び歩き始め、やがて光が漏れ出る扉を見つける。
「ここ?」
「うん。眩しいから気を付けてね」
シャングアは扉を開錠し、ゆっくりと開ける。
通路の薄暗さに慣れてしまった目にその光は強く、エンティーは思わず目を細める。次第に慣れて行き、扉の先の景色に頬が紅潮する。
「わぁ……! 浜辺だ!」
神殿の隠し通路から行ける小さな浜辺。柔らかな白い砂地に、漂着した色鮮やかな貝殻達。水平線は太陽の光で輝き、澄み渡る青空に雲一つない。
エンティーはシャングアの手を引きながら、砂浜へと足を踏み入れる。
周りを崖で隔てられたこの場所は、かつて戦争が繰り広げられた際に聖徒達が逃げ道として秘密通路を繋げた。今も避難経路として保全され、出入り口に傍らには木製の船が隠されている。
「シャングア行こう!」
「うん」
エンティーは波打ち際まで好奇心の赴くままに、歩みを進める。
「波ってこんな感じに揺れているんだね!」
足へ柔らかく打ち付ける波にエンティーは興味深そうに眺め、水を掬い上げては落としていく。
「来たと思ったら海に帰るなんて、知っていても不思議だ」
飛び散る水飛沫は宝石のように虹色に輝き、服の裾が濡れるのを気にせず、楽しんでいるエンティーの姿に、シャングアは目を細める。
「? これなんだろう?」
おもむろにエンティーは漂流物を手に取る。
それは、砂や波によって削られた白磁の陶器の欠片だ。
「食器か花瓶の破片だね。どこかで破棄されたか、昔沈没した船から流れ着いたのかな」
シャングアも彼の傍まで行き、近くに打ち上げられていた破片を手に取る。
「こんなに綺麗な模様なのに、欠片のままだなんて勿体ないな」
エンティーは破片を見つめながら呟いた。
その横顔を見ながらシャングアは、もうひとつ破片を手に取る。一方は花、一方は蜻蛉と描かれている模様は全く異なり、何であったのか分からない。
「この欠片を使って何か作ってみようか」
「やってみたい!」
手を取り合い作り上げた美しい器は時代に打ち砕かれ、多くのものを失いながら破片となって飛び散った。
時に汚れ、さらに砕け、本来の姿を忘れ、破片は欠片となった。
拾い上げても手の平から零れ落ちる数の欠片は、1人では集めきることは出来ない。
「シャングア、一緒に集めよう!」
「うん」
1つ1つ欠片を集めながら、2人はこれから一緒に何を作るのか語り合う。
事件は外殻より外へ情報は洩れず、神殿内部で処理される手筈となった。闇に屠るのではない。これから長い時間をかけて、話し合いが重ねられ、整理されていく。
解決への道のりは程遠い。
「これから、その、大変だね」
しばらく黙って歩いていると、エンティーがぽつりと言った。
シャングアが見せたい場所があるとエンティーに伝え、2人は秘密通路を歩いている。風化しながらも綺麗に掃除が行き届いた通路の先から、仄かに潮が香るそよ風が吹いている。
「聖皇健在の状況だからマシだよ」
聖皇バルガディンは番と息子への仕打ちに、抑えきれない程の怒りと憎悪によって身を焦がしながらも、至極冷静に虎視眈々と立ち回った。事件の根源である者達の拘束、そして白呪の再来に備える為だ。仮にシャングアの未完の洗脳を解いたとしても、再度行われてしまう危険が付いて回る。そうなれば取り返しのつかない状況に陥ってしまう。あえて、彼をその状態のままに従属のヴァンジュを監視に付かせ、2人の息子と情報交換を行いつつ、神殿に起きる混乱を最小限にする為に動き続けた。
結果、聖皇の存命は神殿の大きな支えとなり、洗脳を免れていた者を含めて従属達の精神状態は安定し、病院や神殿の運営に支障は出ていない。
「お父さん達と直ぐには暮らせなくて、ごめんね」
白呪との関係は〈初代聖皇の時代に秘薬を求め旅立ったかつての同胞〉と聖皇が公表した。しかし、洗脳された従属や貴族達の治療が完了していない状態では、彼らを神殿に招き入れるのは危険な為、まだ外殻の外で暮らしを続けてもらっている。
「謝らなくていいよ。正直、家族がどういうものかよく分からないし、これから少しずつ話して、距離を縮めるには良い機会だと思う位なんだから」
エンティーは、白呪と聖徒の混血だ。その事実を受け入れるだけでなく、自我を持ってから初めて会う家族とどう付き合うべきなのか、手探りの状態だ。フェルエンデが島にいる番と会う際に使用する面会室を利用し、エンティーは父や白呪の人達と会話し、交流を深め始めている。
「あのさ」
シャングアは思わず止まり、エンティーは隣に立つ。
「エンティーは、これからも僕の傍に居てくれる?」
「もちろんだよ」
まだシャングアと番であるエンティーについて公表はされていない。
神殿が落ち着くまでの間は、センテルシュアーデは今も〈注目〉の的を演じてくれている。
「不安?」
「えっ、いや……うまく言葉に出来ない」
「聞くよ」
「ありがとう」
シャングアはしばらく考えると、深呼吸をする。
「僕達がやった事では無くて、むしろ被害者だけれど……これからも神殿で暮らすからには、悪い歴史も背負っていかないといけない」
「うん」
ルエンカーナとエンディリアムの過去、宗教、戦争、長年続行されてきた人体実験、生産され続けた違法薬物、Ω達への差別。2人が知っている範囲でも、その根は深く、広く神殿に伸びている。それを無かったもののように扱う事は、許されず、王冠を継承する者はそれを記録し続けなければならない。
「君にそれを背負って欲しくはない……と思う」
やや不安げなシャングアに対し、エンティーは彼を見据える。
「俺は、シャングア一人に任せたくは無いな。君は優しいから、なんでも1人でやろうとして無理するでしょ」
「それは……」
口ごもるシャングアにエンティーはため息を着く。
「そういう所、兄弟そっくりだよね。この前、トゥルーザさんが言っていたよ」
「う、うん?」
思わぬ変化球に、シャングアは目を瞬かせる。
「カッコつけたがり。だから放っておけないんだ」
「ええ?」
エンティーは少し眉を顰め、戸惑うシャングアを見つめる。
「俺は白呪の歴史を背負ってるんだから、今更だよ。悪口もずっと言われて来たから、受け流す方法だって心得てる。勉強や教養はまだまだだけど……追いつけるように、努力する」
何でもできる分、1人で多くを抱え込んでしまう。その重みに耐えきれず、心と体は病んで行く。重圧の中で生き続けるエンディリアムを通し、エンティーはシャングアには支えが必要だと考えていた。
「ちょっとは俺を頼って、信じてよ」
その眼差しは真っすぐであり、太陽のように輝いているようにシャングアは思えた。
「エンティー……なんだか、変わったね」
どこか寂し気に笑っていた子は、今は表情も声も生き生きとしている。
「変わるきっかけをくれたのは、君でしょ」
「うん……ありがとう」
「どういたしまして」
2人は再び歩き始め、やがて光が漏れ出る扉を見つける。
「ここ?」
「うん。眩しいから気を付けてね」
シャングアは扉を開錠し、ゆっくりと開ける。
通路の薄暗さに慣れてしまった目にその光は強く、エンティーは思わず目を細める。次第に慣れて行き、扉の先の景色に頬が紅潮する。
「わぁ……! 浜辺だ!」
神殿の隠し通路から行ける小さな浜辺。柔らかな白い砂地に、漂着した色鮮やかな貝殻達。水平線は太陽の光で輝き、澄み渡る青空に雲一つない。
エンティーはシャングアの手を引きながら、砂浜へと足を踏み入れる。
周りを崖で隔てられたこの場所は、かつて戦争が繰り広げられた際に聖徒達が逃げ道として秘密通路を繋げた。今も避難経路として保全され、出入り口に傍らには木製の船が隠されている。
「シャングア行こう!」
「うん」
エンティーは波打ち際まで好奇心の赴くままに、歩みを進める。
「波ってこんな感じに揺れているんだね!」
足へ柔らかく打ち付ける波にエンティーは興味深そうに眺め、水を掬い上げては落としていく。
「来たと思ったら海に帰るなんて、知っていても不思議だ」
飛び散る水飛沫は宝石のように虹色に輝き、服の裾が濡れるのを気にせず、楽しんでいるエンティーの姿に、シャングアは目を細める。
「? これなんだろう?」
おもむろにエンティーは漂流物を手に取る。
それは、砂や波によって削られた白磁の陶器の欠片だ。
「食器か花瓶の破片だね。どこかで破棄されたか、昔沈没した船から流れ着いたのかな」
シャングアも彼の傍まで行き、近くに打ち上げられていた破片を手に取る。
「こんなに綺麗な模様なのに、欠片のままだなんて勿体ないな」
エンティーは破片を見つめながら呟いた。
その横顔を見ながらシャングアは、もうひとつ破片を手に取る。一方は花、一方は蜻蛉と描かれている模様は全く異なり、何であったのか分からない。
「この欠片を使って何か作ってみようか」
「やってみたい!」
手を取り合い作り上げた美しい器は時代に打ち砕かれ、多くのものを失いながら破片となって飛び散った。
時に汚れ、さらに砕け、本来の姿を忘れ、破片は欠片となった。
拾い上げても手の平から零れ落ちる数の欠片は、1人では集めきることは出来ない。
「シャングア、一緒に集めよう!」
「うん」
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