セックスの快感に溺れる男の子たち【2022年短編】

ゆめゆき

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美少年AV

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 モニターの中の青年が、こちらに微笑みかける。
「かわい…」
 望月は思わず呟いた。
 つやつやした黒髪、涙袋のぷっくりした黒目がちの大きな目、どちらかというと控えめな鼻、さくらんぼみたいな唇。華奢な体つきの青年は大きめの黒いパーカーから鎖骨をのぞかせ、その袖からは指先しか見えない。所謂、萌え袖というもの。ボトムスはカーキ色のカーゴパンツ。
 ソファに座って、インタビューを受けている。
 氏名、年齢、初体験は?経験人数は?男に恋したことは?
 緊張が見えるのに、無理に笑顔を作りながらも、青年は答えていく。
「神崎ひろと、二十二歳です」「十五歳の時…クラスメイトの女の子と…」「四人…」「ドキッとしたことはあります。バイト先の先輩で、優しくて…」
 望月は同居人のいぬ間にいかがわしいDVDを観ている。
 彼は180の高身長で、そこそこ端正な顔立ちをしていた。相手に不自由はしないが、時々、こうした刺激が欲しくなる。
 インタビューの後、イメージシーンが入った。普通のAVならインタビューと一緒に早送りするところだが、そうはしなかった。
 着ているパーカーのフードを被るひろと、フードには犬の耳がついている。またそれを脱いで、乱れた髪を直す。某有名スーパーで安売りされている大きなクマのぬいぐるみと戯れるひろと。二十二歳と言ったが、高校生くらいに見える。
 次のシーンから、エロシーンが始まる。
 ベッドの上で、全裸になり自分の乳首を弄りながら、ペニスを扱くひろと。華奢に見えたが、着やせするタイプらしい。手首や足首はきゅっとしまっているが、ほどほどに筋肉のついた体をしている。
 ああ、ああ、と吐息まじりの喘ぎが続く。緊張しているのかなかなかいけないようだ。一生懸命にペニスを擦る。
「ううん…うん…っ!あ、ああ…っ!」
 ペニスを上下に擦る動きが早くなる。
「あうん!あっ…!いくっいくっ…ああ…っ!」
 ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ…と、ペニスから精液が吐き出される。
「はあ、はあ…」
 達したひろとの顔のアップが映る。疲労と満足感と羞恥とをその顔に浮かべている。
 その色っぽい様子に、望月は生唾を飲んだ。
 更に、映像は続く。オナニーシーンの後は、タチの俳優との絡みだ。メインの相手は、脂ぎった中年男だった。頭髪が薄い。だが、それだけ精力があるということなのかもしれない。
 ひろとは、カッターシャツにスラックスの、高校生風の恰好をさせられていた。
 ぴちゃ…ぴちゃ…と、音を立てながら、二人がキスを始める。ひろとは感じているように見える。悩ましい表情で、中年男と舌を絡め合わせる。ぴちゃぴちゃ…じゅるじゅる…、濃厚な口づけが続く。
「うん…ああん…」
 望月は嫉妬に駆られた。この、モニターに入ることが出来たら!
 キスをしながら、中年男はひろとのシャツのボタンをはずし、胸をはだけさせ、乳首に愛撫を与え始めた。
「うん!ううん…!」
 画面外から別の手が伸びてきて、ひろとの尻をいやらしく触る。ベルトを外し、スラックスを下ろす。そしてグレーのボクサーパンツの上から、立ち上がりかけたペニスを撫でさすり始めた。
「んん…あん…」
「気持ちいい?」
「あん…気持ちいい…」
 パンツを下ろされると、ペニスが勢いよく飛び出す。
 中年男の手がそれを扱きだす。ひろとは指示されて、中年男のペニスをパンツから取り出してたどたどしく扱く。しばらく、そうしていちゃいちゃした後、中年男がひざまずいて、ひろとのペニスを口に含んだ。上ずった声でひろとは喘いだ。
「やあ…んん…あ…あ…はあっ…」
 しゃぶられているペニスと、快感にとらわれるひろとの表情が交互に映される。中年男は心底うまそうにひろとの亀頭をなめしゃぶり、竿を扱く。それをカメラに誇示するように。射精までは至らせず、中年男は傍らにあるベッドにひろとを誘い、仰向けに横たえた。衣服を全てはぎとる。
 ひろとは期待に濡れたような目を中年男に向けている。男が初めてとは思えない淫乱さだった。
「んむ…」
 そんなひろとに中年男が唇を重ね、いやらしい音を立てながら舌を絡め、下唇をなめ、吸った。手は自分のものとひろとのものをくっつけて、ゆるゆると扱いている。
「あ…っ」
 唇が離れた。
「気持ちよくなろうね」
 と、声がかけられると、ひろとはカメラに向かって控えめにうなずいた。唾液に濡れた唇が、照明を受けて、てらてらと光っている。声の主はカメラマンだろう。
 中年男が戻ってきた。ゴム手袋をした手に、ローションを垂らし、四つん這いになったひろとのアナルをマッサージし始める。ひろとの呼吸が荒い。
「エロ過ぎ…やっぱ、これ本気で感じてるよなー…」
 と、望月はひとりごちる。中年男がうらやましかった。
 ひろとの悩ましげな表情が、映し出される。
「ん、はあ…」
「気持ちいい?」
「気持ちいい…」
「指を入れるよ」
「はい…」
 ひろとのアナルが、ゆっくりと中年男の指を飲み込んでいく。指は下向きに、腹の方に入れられていく。
「はあ…ん…はあ…」
「痛くない?」
「痛くない…はあ…」
「気持ちいい?」
「気持ちいい…んん…はあ…」
 ひろとが腰を揺らすのを見て、画面外から「才能ありすぎじゃん」と、からかうような声がかかる。
「どんな感じ?教えて?」
「なんか…お尻に入れられて…はあ…すごくエッチな気分になって…ここでセックスするの…いいかもって…感じ…」
「おちんちん、萎えてないね。偉いよ」
「ん…」
「一回、指抜くね」
 ゆっくりと指が抜かれる。「んん…」とひろとが喘いだ。
 更に、指よりも少し太い振動するおもちゃが挿入され、それにもひろとは「気持ちいい」と感想を言った。
「これで初めてって」
 望月は、モニターの前でぶつぶつと文句を言った。
 いよいよ、本番シーンだ。
 仰向けになり、膝を抱えて大きく足を開いたひろとのアナルに、中年男が慎重に勃起したペニスを入れていく、緊張した面持ちのひろと。
 ゆっくり、ゆっくり、結合が深くなっていく。ひろとはさすがに苦しげに呻くが、それすらいやらしい。
「あ…あ…はあ…はあ…」
「痛くない?」
「少し、苦しい、けど…気持ちいい…」
「動くよ」
「はい…あう…ん」
 中年男が、ひろとのアナルに突き刺したペニスを動かし始める。最初はゆっくり、少しだけ。だんだんと動きが大きく激しくなっていき、肌と肌のぶつかり合う音をさせる。
「はあ…はあ…はあ……すご…い…ううん…」
「気持ちいい?」
「気持ち…いい……んっんっ…こんな…エッチな気持ち…初めて…ああん…」
 中年男は、ひろとのアナルを責めながら、右手でペニスを扱き始めた。
「このままいける?頑張って、いこう」
「はい~んん~…やあ……こんな…すごい…こんなの…」
 ひろとは、激しく身悶える。
 中年男は、「あーいくいく……っいくっ…」と、呟き、いったん腰の動きを止めた。ひろとの中に射精しているのだ。そして、射精を終えたのか、素早くペニスを抜き、カメラに場所をあける。ひろとのアナルのアップが映される。ひくひくと締まったり緩んだりを繰り返しているアナルから、白いどろっとした液体がこぼれている様子が見て取れる。内腿も、びくびく痙攣している。
 休む間はほとんどなく、中年男がヒロトのペニスを扱く。
「あ~…ああん…気持ちいい…ああん…」 
 主役の射精シーンだ。
「んん…いく…いく…」
 ひろとが全身を震わせ、ペニスから何度かに分けて精液を吐き出す。気持ちよさそうだ。
 シーンが変わり、ひろとが男の前にひざまずき、フェラチオを奉仕する。
 ひろとがペニスを口に含もうとするところで、階下からガチャッと玄関のドアが開く音と、「ただいま」と言う男の声が聞こえた。
 まずい、と望月はDVDを止めると、急いで取り出してケースに閉まった。手を洗ったり、冷蔵庫に買ったものをしまっているのだろう。しばらくは、上がってこない。その間に箪笥の衣服の下に隠す。
 それから、とんとんと階段を上がってくる音がして、ブリーチした白い髪の青年が顔を出した。少し大人びた姿の神崎ひろとだった。黒いTシャツに黒いハーフパンツという、黒づくめのラフな格好をしている。
「ただいまって言ってるのに」
「あきら」
 青年の本名はあきらと言う。神崎ひろとは芸名だ。一作だけで引退した。
「おかえり」
「ヨーグルトとプリン買ってきたよ。ねえ、キスして」
 あきらは、壁に寄りかかってベッドの上に座っている望月に布団の上からまたがって首に手を回した。
「風邪がうつるよ」
「じゃあ、セックスしよ…それならうつらないんじゃない?寝てるだけでいいから…」
 かすれた声で、囁くように言われて、了承する。この臨場感、体温、匂い、DVDじゃ、味わえない。
 あきらが布団に潜り込んできた。望月の股間に手を伸ばす。
「えっ」
 あきらが怪訝な顔をした。
「もう、ガチガチじゃん。もしかして、またあのAV観てた?」
「いや、違うよ。つい、オナニーしてて」
「どこに隠してんの?もう、捨てちゃおうかな、あれ…どこ?どこにあんの?」
「だめだって…やっぱ、新鮮だろ。初めてって」
「ホラ、観てたでしょ。サイテー。本物がいるのに」
「観てないって…」
 問答の間中、あきらは望月のペニスを扱いている。あきらの目が欲情に濡れていく。
「おっきい…なめていい?」
「ん」
 あきらは布団の中に頭をもぐりこませた。中でもぞもぞと体勢を整えて、咥えやすい位置に頭を持っていくと、手で支えて口に含んだ。
「おお…」
 さっきまで、うぶな様子でなされるがままだった青年が、巧みに欲情を込めて望月のものをなめしゃぶっている。それがたまらない。
 竿を扱き、裏筋や亀頭を丁寧に舌や唇でなぶる。布団をかぶっているが、いやらしい音が部屋に響いた。
 たっぷりと口で望月のペニスを楽しんで、あきらが布団から、顔を出した。
「入れたい。いい?」
「いいよ…」
 あきらが望月の上にのしかかったまま、服を脱いでいく。下着まで全部脱ぐとローションを準備する。膝立ちで位置を調整して、望月のペニスを手で支えて、自らのアナルにあてがった。
「う…ん…」
 あきらのアナルが望月のペニスをゆっくり飲み込んでいく。
「んん…すごい…感じる…」
「気持ちいい?」
「気持ちいい…」
「おお…すごい…」
「ん…ああん…」
 騎乗位の体勢で、あきらが腰を動かし始めた。望月のものを締め付け、小刻みな動きで刺激してくる。亀頭が中で当たり、具合がいい。
「すごく、いいよ…」
「ああん…いい…いい…好き…」
 望月は手を伸ばして、あきらのペニスを握って扱き始めた。
「んん…気持ちいい…」
「俺もいい…」
「ん…好き…」
 あきらが上半身を倒してきて、望月にしがみつき、結局キスをしてきた。舌を絡め、唇を吸い、互いの唾液を飲んだ。
「風邪が…うつる…」
「俺、あんまり風邪ひかないもん…んん…」
「馬鹿は風邪を…」
 言いかけた望月の頭をあきらがはたいた。
「むかつく!んん…あん…」
「いいけど、も少し…早く動ける?」
「んん…」
 あきらが腰の動きを激しくした。望月もあきらのペニスを扱きながら、それに合わせて下から突き上げる。
「んあっ…すごい…すごい…っ」
「はあ…ね、いきそ…」
 望月が訴えた。
「あん…いいよ…出して…そのまま…んん…」
「う…っん…うう…っ」
 望月のペニスがどくどくと脈打ちながら、あきらの中にたっぷり精液を送り込む。
「あ…あ…んん…あ…」
 あきらは、強く締め付けて、それを受け止め、望月の手に代わって、自分のペニスを扱き始める。
「はあ…はあ…」
 望月は射精の余韻を感じながら、あきらの痴態を見つめた。
「やあ…ん…あ…いく…出ちゃう…!あ…!」
 あきらはシーツや望月の寝間着を汚さないよう、手のひらでうまく精液を受け止めながら、射精した。余韻を味わいながらも、ティッシュを引き寄せ、それで手のひらを拭う。それから、また望月と深いキスをした。
「ん…ん…好き…すごく気持ちよかった…」
「俺もよかった…」
 しつこいぐらいにキスを続ける。快感が長引いて、満足感が高まる。
 ふっと唇を離して、あきらが言った。
「喉渇いちゃった。何か飲む?お茶?ポカリ?」
「…お茶」
「持ってくるね」
 Tシャツと下着だけ身に着けて、あきらは階下に降りて行った。
 
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