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日常
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しおりを挟むヤバ……マジ痛い。
正直さっきロウ君と軽く言葉を交わしたのも立ってるのが精一杯だったんだよね……
人質と入れ違いに入ってくる警察達と、ドクドクと流れる赤を見て、微妙に笑いが込み上げてきた。
麗「ハハッマジ痛…『おねぇちゃん!だいじょうぶ?』……は?何で……」
私の視線の先にいたのは先程泣いていた男の子。
さっきロウ君が誘導したはずじゃ!?
麗「僕、何でここに居るの!?
危ないからママの所に行きなさい!」
『おねえちゃんがいたいいたいしてたからぼく、しんぱいで……ごめんなさい』
麗「いや、怒鳴ってごめ…危ないっ!『パンッ』…痛ぇなコノヤロー」
男の子が話している時、男の子越しに撃たれていない方の腕で銃を構えるボスのテロリンが見えて、咄嗟に男の子を引き寄せて相手に背を向けた。
『おねえちゃん!おねえちゃん!』
『っ麗ちゃん!?麗ちゃん大丈夫か!?
クソッおい!そいつを取り押さえろ!!救急車!!救急車を呼べ!!』
何か晴さんの声が聞こえたと思ったらいつの間にか目の前に居るし(笑)
ってか晴さん暇人かよ……あんた結構お偉いさんだったよね?
お偉いさんにふざけた連絡した私も私だけどww
麗「あー晴さんじゃんwwお久しぶり~
早速だけど、早くこの子を安全な所に連れてってくんない?」
『君も連れていく!』
そんな泣きそうな顔で言わないでよ。
ったく晴さんはダメだなぁ……
『ひっぐ……ごめんなさい、ごめんなさいっ』
麗「君、名前は?」
あ"~クソ痛い……
痛みを堪えてずっと泣いている男の子に笑顔で尋ねる。
このままだとこれから先この子は自分を責めてしまうから……
『ひっく……ぼく…たくと…おねえちゃんごめんなさい』
麗「たくと君ね?オッケー覚えたよww
私は…まぁ正義のヒーローおねえちゃんですw
あのね、たくと君。
私、こう見えて超~強いの(笑)
だからこれも全然痛くないから心配しないで大丈夫だよ?
それに、私は正義のヒーローだからたくと君が泣いてるより笑ってる方が嬉しいなぁ~」
『……うん!わかった!』
麗「いえいえ、正義のヒーローは困ってる人を助けるのがお仕事だもんw
後、たくと君にお願いがあるんだけどね?
私は仕事が少~し残ってるから私の代わりにそこのお兄さんを連れて一緒にママのところに戻ってくれるかな?
たくと君にしかお願い出来ないんだ~」
『ぼくできるよ!』
麗「そっか~ありがとうね!
お礼にこの飴ちゃんプレゼントしちゃうよ~」
『おねえちゃんありがとう!』
麗「ふふっどういたしまして」
『はやくおにいさんいこ!』
『あぁ……』
たくと君に催促されるように腕を引かれてるのに中々動かない晴さん。
本当最後までダメダメだなぁ……
麗「晴さん、早く行ってくれる?
私は大丈夫だから。」
それでも行くのを渋る晴さん。
もうそろそろ限界なんだよ……気付けよバカ。
ここでたくと君の目の前で倒れたらトラウマになるじゃん……
麗「……はぁ…仕方ないな。
ねぇ、おじさん!私怪我してるんで早く連れてって下さ~い!
これで大丈夫でしょ?早く行って!」
『わかった』
ようやくたくと君と行った晴さん。
目の前が霞んできたけど、気力で2人が出ていくのを見届けた。
『嬢ちゃん!大丈夫か!今救急車が到着したからそれまで辛抱してくれ!』
麗「……無理っぽいっすわ~」
おじさんにそう答えた瞬間、身体の力が抜けておじさんに支えられた。
なんかおじさんが叫んでるけど、ぼやけてはっきり聞き取れない。
撃たれたとこは熱いのに身体はどんどん冷えてく。
突然身体が持ち上げられる感覚がしたけど、重くて目が開かない。
このまま……死んじゃうの…かな?
そうだと…したら私……すげー親不孝…者じゃん。
お母…さん…皆…ごめん………
そう思ったのを最後に私の意識はブラックアウトした。
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