スローなライフにしてくれ

soue kitakaze

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第2章 的ななんかそいう感じの章

第49話 白黒抹茶アズキコーヒーユズ桜

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ばちこーん
ばちこーん
ばちこーん わはははははは

「コウイチ、うるさいぞ……なんだそれは?」
「あ、マユ姉、起きたのか。これ、銀玉鉄砲っていうんだ。すごいだろばちこーん」

「あの幼児用だけどたいがいの親が与えるのを拒否するというあれか?」
「なんか引っかかるものがあるけど、まあそうだ。いいだろうばちこーん」
「まあ、好きにしてもらっていいけど。お主にはお似合いだ」

 今回のイベントで、マユ姉が得た七支刀はウルトラレアに相当し、剣としてはこの世界最強の1本である。コウイチが得た銀玉鉄砲は、GR(ゴッドレア)に相当するが、それは他に(アホらし過ぎて)同じものがないという意味合いが強い。

「最強の剣か。私なんかにもったいない」
「なんか俺のだけディスられてね?」

「それはともかくだな、それだけのレア武器がそのままの名前でいいのかっていう問題があるのだ」
「ちひちちちとう、で私は良いと思うが」
「マユ姉、相変わらず言えてないぞ。それに比べて俺の銀玉鉄砲のカッコ良いこと」
「お宝がそんな安っぽい名前でどうする!!」

「「じゃあ、オツが考えてくれ!」」 マユ姉とコウイチの意見が珍しくあった。
「丸投げかよ!」

「それじゃまずはマユ姉のは、両刃だから刀ではなく剣だ。そして魔力を吸収して育つのだから魔剣の仲間であろう」
「「ふむふむふむ」」
「魔剣で7本の枝があり、それぞれ違った特性を持つ」
「「ふむふむふむ」」
「七つというところがミソだな。七つといえば」
「「ふむふむふむ」」

「白黒抹茶アズキコーヒーユズ桜の7つでであろう」
「「ふむふ……む?」」

「だから白黒抹茶アズキコーヒーユズ桜剣でどうだ?」
「それは……まあ良いな」
「良いわけあるかぁ!!! どこの銘菓だよ!!」
「魔剣の名前とは思えないモん」

「マユ姉がシチシトウって言えないから考えてもらったんだろ。文句言うなよ」
「いや、だってそれはあんまりだろ。ちっとも魔剣らしくないし舌かみそうだし」

「マユ姉、シチシトウって言ってみろ」
「ちひちじちしと痛いっ」
「言えてねし、舌かんでるし」
「ぐぐぐっ」

「悔しかったら言ってみな?」
「白黒抹茶アズキコーヒーユズ桜」
「ほら言えた!」
「決まりだな」
「ふぁぁぁぁ!?」

 決まったようである。読みは、しろくろまっちゃあずきこーひーゆずさくら、である。

「まあ、技を出すときはそれぞれの名前を言えばいいわけだから」
「技? なんか出せるんですか?」
「例えば、シロと言って剣をかざしてみろ」
「はい、シロ! あああっ!」

 バビバビバビという音とともに剣の先から電撃が走った。

「あぁびっくりした。なんだいまのは?」
「どうやら一番先端にあるのが電撃を発する枝のようだな」
「1の枝ってことかなもぐもぐ」
「すごい、こんなすごいことができるのですね」

「いまはまだ5メートルほどしか届いてないが、マユ姉がこれから成長するにつれて、その電撃も長くそして強くなってゆくだろう」
「オツ殿、ありがとう!! もうこれだけでこの剣と一生生きてゆく決心が付いた。あんなアホみたいな名前でも我慢する」

「アホとはなんだアホとは。我に考えさせたのはマユ姉であろうが。じゃあ次にクロと言ってみろ」
「2の枝かなはぐはぐ。2の呼吸とかならカッコ良かったのにはぐ」
「誰かいちいちちゃちゃ入れるやつがいるようだがバチコっ」
「痛たたた、マユ姉、ようだがで俺を叩くな。しかも使ったのは魔剣かよ!」
「ちょうど良いところにあったから」
「ちょうど良いところにあった、じゃねぇよ。刃が当たったら切れちゃうだろうが」
「ちゃんと平のほうで殴ったから大丈夫。切れることはない」
「切れなきゃいいという風潮止めて!」

「あと、なんか食べながらしゃべるのは止めろ」
「だって俺に関係ない話だったもので、お食事してていいかなって」
「食べてていいから黙ってろ!」
「へーい。あ、クロだけにブラックホールとか出せないのかなもぐもぐ」
「コウイチは余計なことを言うなと言っておる。そんなもんが出たらこの世が終わってまうわ」
「刃で殴られたくなかったら黙ってろ」
「それ、殴るじゃないから。切るだから」

「クロ!!」

 し~ん。

「なにもでないやんもぐもぐ」
「黒魔術の系統なのだろうな。あれは呪術の素養が必要になるからまだ出ないのであろう。マユ姉が成長するのを待とう。では次」
「は、はい。オツ殿」
「なんかオツが師匠みたいになってんなもぐもぐ」

 それから順番にどんな魔法が発動するかを試した。抹茶は金属に魔法付与ができるようだ。

「呪文を唱えるときに付与したい属性を思い浮かべれば良い」
「はい。では抹茶!!」
「熱っ熱っあっつぅぅぅぅ、なんだ俺の座ってた石が急に熱くなったぞ?」

「炎を思い浮かべて唱えてみました」
「なるほど。石に含まれている鉄分が炎の属性を帯びたのだろう。マユ姉、初回なのによくできたものだ」
「オツ殿のおかげだ、いろいろとテストしてみる必要はあるが、この魔法はいろいろ楽しめそうだ」
「なんでわざわざ俺が座っている石を狙うんだよ。俺の尻という尊い犠牲で楽しまないで」

 アズキは遠視(約100メートル先のネコウサが判別できる)機能だった。

「なんでボクが基準なん?」
「100メートルぐらいなら楽勝で見分けられるでござるが」

 コーヒーはコーヒーが出せた。じょぼじょぼじょぼ。

「あっ、熱っ熱っ。なんで手に掛けるんだ。熱いのは2回目だぞ熱熱熱っ」
「まあ、ご一献」
「それコーヒーの数え方じゃないからな。それより入れ物を用意してから出せよ。いきなり熱湯を手に浴びせるな」

「私だってどうなるか分からんかったのだから仕方ないだろ。ちょっと予想はしてたけど」
「予想してたのなら前準備をしておいて。あと、俺に向かって剣を振らないで」
「コウイチだからまあよいかなって」
「よかねぇよ!!」

「5つ目の枝はコーヒーブレイクということか。一休みできるようにとか、よく気の付く魔剣だこと。ますます好きになったぞ」
「ちょうど食後にありがたかったけど! ちょっと飲みたかったけど! 人の手はコーヒーカップには向かないってことを学習してくれ」

「まあ、休憩も兼ねて、な?」
「な? じゃないから。それにしたってコーヒーが出せるって魔剣が持つような機能じゃないだろ。水ならまだ話は分かるが」
「といったって、出せちゃったものはどうしようもないわな」
「そ、そりゃオツの言う通りだが、なんかさ」

「「なんだ?」」
「この話、いったいどこに向かってるんだ?」
「「それを言ってはならん!!」」
「ほ、ほげほげどぅー」

 大丈夫です。作者でさえ分かっていませんドヤ。

 最後に残ったユズと桜は、なにも反応がなかった。オツ曰く「これらもマユ姉のレベルが上がればいずれ発動するだろう」とのことだ。これで七つの枝のうち、4つになんらかの機能があることが分かった。
 まともなラノベなら使い物になるのはシロの電撃だけなのだが、この話ではそれ以外の機能こそが重要になってくるのである。ネタ的な意味で。

「ずずず、うんうまい。えぐみがまったく感じられないのにほどよい酸味があってさわやかな苦みとフルーティな香りが口の中でほどけるように混在する。まるで焙煎時間を中ぐらいにしたブルーマウンテンに似た」
「知らないくせによくそんなデタラメ蘊蓄が言えるものだな」
「うががっ……オツにはばれてたか」

「いや、多分そうだろうと思って引っかけてみただけだが、案の定だった」
(わ、わ、私はちょっと信じちゃった……が黙っていよう)

「まあうまいのは確かだ。どういうわけは飲みやすい温度で軽く甘みも感じる。万人向けの味だなずずず」
「私のレベルが上がったら、キリマンジャロみたいになるのかな?」
「それは知らん」
「止めてくれ。俺はこのままがいい」
「そうなのか。もっと高級な豆がいいのかと思っていたが」
「ちょうど良いってのがあるんだよ。マユ姉のおっぱいとかぐわっ」
「余計なことを言うな!!!!」
「ほ、ほめ、褒めたのにぃぃぃぃ」

「じゃ、次はお前の鉄砲だが」
「おっ、カッコ良いのを頼むぞ」
「自分で考えろ」
「ふぁぁ!? マユ姉にはあれだけ親身になってたくせに」

「お前は面倒くさいんだよ」
「悪かったな。俺の……なんだっけ? 賑やかし? のくせに偉そうだな」
「誰が賑やかしだ! お前に付いてる貴神だというのに」

 定期的に確認しないと忘れるもので。作者が。

「コウイチが面倒くさいってことには同意するな」
「うぐぐ、マユ姉にまで言われたか。俺は自分に素直なだけなのに」
「「「「「その認識を改めよ!!!」」」」」

「なんかツッコむ人数が多いような気もするが、お主の水鉄砲の名前をちゃちゃっと決めちゃいな」
「銀玉鉄砲な。オツが決めてくれないなら、困ったなぁ。ぱちこーん。ぱちこーん。うむ、良い音だ」

「すごく安っぽい音にしか聞こえんのだが」
「やすっぽ鉄砲、でいいのではないか」
「おもちゃの鉄砲、とかな」
「コウイチだけにム鉄砲でもいいと思うモん」
「いっそ、ぱちこん、も悪くないでござる」
「「「あ、それがいい!」」」

「お前らいい加減にしやがれ!!!!」
「「「「あ、怒った?!」」」」
「言いたい放題言いやがって。こんなかっこいいぱちこーん、ぱちこーん、ぱちこーん……ん?」
「コウイチ、どうした?」
「なあオツ。これ、音はすれども玉が出ないぞ?」
「ほんにお前は屁のような?」
「やかましいよ。玉の出ない鉄砲なんて面白くないだろ」

「当たり前だ。それはお主が玉を入れてないからだ」
「玉を入れる? それもそうか、それはどこで売ってる?」
「この世界に1つしかない鉄砲の玉を売ってる店なんかあるわけないだろ」

「じゃあ、どうすんだよ!」
「勝手に切れるではない。お主には結界魔法というものがあるではないか」
「結界でこれを囲っても玉は出ないと思うが」
「当たり前だ! 結界のひとつひとつが玉になるように作れと言ってるんだ」
「結界が玉になる? なるのか、こんなものが」

「まあやるだけやってみるがいい(できるかどうかは知らん)」
「ん? なんか最後に付け加えなかったか?」
「ぶつくさ言ってないで作ってみろって」

 まあ、やってみるけどさ。結界が玉になんかなるものだろうか、これに入るぐらい小さく作ればいいんだよな、ケツケツケツケツケツケツ。できるもんだな。もっと作ろう。ケツケツ」

「数はそのぐらいでいいだろ。それを装填してみろ」
「ざばざばざばざざざっ、よし入った。これで撃てばいいんだな、ぱちこーんおおおっ!?」

 結界魔法で作られた玉は、銀玉鉄砲の先端から発射されると、それはもう驚くほどの速度ではじき出され、弧を描いてあっという間に地面にめり込んでいったのであった。

「なんでめり込むんだよ!」
「鉄砲から出た瞬間に下に向かって曲がったでござるな」
「飼い主に似てひねくれた玉だモん」
「やかましいよ。しかしまっすぐ飛ばないのは問題だぱちこーん。狙ってもいない眷属とかに向かったら面白いじゃ済まないなぱちこーん」

「うわぁぁお、こっちに飛んできたでござる!」
「ふわわわわ、この距離では避けるなんて無理だモんわわわ」
「うむ、思った通りだ」
「「分かってるなら撃つな!!!」」

 鉄砲から打ち出された玉は上に下に右に左にと、大きく弧を描きながらひん曲がった弾道をたどった。銃口の方向などどこ吹く風である。ただそれは、当然といえば当然であった。

「コウイチの性格がひん曲がっているからモん」
「そんなわけあるかぁ!」
「一応聞いておくが、コウイチ」
「なんだマユ姉?」
「その玉、私には立方体に見えるんだが」
「すごい動体視力だな。その通りだ、俺の結界だからな」

「なんで玉をそんな形状にしたんだ?」
「え? だって、結界を玉にしろってオツが言ったから、俺はその通りにだな」
「我は結界を玉にしてみろと言ったが立方体にしろとは言ってない。鉄砲に円形の穴が空いているのに、なんでわざわざ四角にせにゃならんのだ」
「ああ、そうか。それなら最初からそう言えよ、まったくもう」
「「「「「まったくもはこっちのセリフだ!!」」」」

「またツッコミの人数が多いようだが。玉がひん曲がって飛ぶ原因は分かった……ということはだな、鉄砲の穴を四角に加工すればいいんだな」
「「「「「「違う、そっちじゃない!!!!」」」」」

「いや、だから。ツッコむ人数は制限してくれ」

 というコウイチの哀願とともに、いずれ天下に最強武器として知れ渡ることになるコウイチが唯一扱える武器・ぱちこんの試射は行われたのと同時に、名前も決まったのであった。

「名前がぱちこんで決まってしまったじゃねぇか!!」
「採用、ありがとうでござる」
「ワルサーP38とかそんな感じが良かったのに……」
「それ、ルパンから文句でないか?」
「あちらは三世だからセーフ」
「三世関係ないし。そもそもぱちこーんだし」
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