そこは転生させろよ~無力な忌み子はご主人様の為に頑張ります?~

七色

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序章(全8話)

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「※※※※※※……汝と我を繋ぎたまえ……」

急に少女が私の知る言語を話し出した。
話す、というより呪文のようだ。

「……どうですか?分かりますか?」
「わ、分かります……でも、どうして?」
「……!びしょ濡れじゃないですか!どんなひどい目にあったんですか?」

少女は私に手をかざす。
叩かれるのかとぎゅっと目を閉じる。
しかしやってきたのは痛みはではなく、暖かさ。
服も髪もあたたかくなって、あっという間に乾いた。
傷は塞がれ、痛みもみるみるうちに引いていった。
さらにちょっと布も綺麗になっている。

「へ?!」

驚く私を見て赤髪の少女は微笑んだ。

「これで良し……!私とあなたの言語が違ったみたいだから……魔法で繋いだの。私のことはクリシュナって呼んで」

私は、初めて少女と目があった。美しい黄金の瞳。

「ま……魔法?!」
「えぇ。あなた、不思議な人ね?」

魔法なんて空想の産物じゃ……?
困惑する私をよそに少女は自己紹介を始めた。

「私はクリシュナ、妖精族よ。あなたの名前、教えてくれない?」
「私はリーシュ……」

妖精族という言葉、初耳。

「ねぇ、あなたはどこの一族なの?こんなに小さな体ですもの!あなたも妖精族かしら?」
「一族……?私は人間です」
「えっ?!」

一気にクリシュナの顔色が変わった。何言ってるんだこの人?そんな顔。
そして取り繕うようにへにゃりと笑った。

「冗談言わないでよ、人間なんてとっくの昔に絶滅したでしょ?」
「……え?」

人間が……絶滅?

「人間がここにいたのはとっくの昔。原因は今も解明されていないけど、氷河期か何かがきて、絶滅。僅かな生き残りから私たちへ進化したじゃない。そんなこと当たり前でしょ?」
「そんな……でも、私……」
「……でも、あなたの特徴は妖精族に伝わる人間の姿そのものね。角も無ければ大きな耳もない……本当に人間みたいね」

クリシュナが言うには、この世界には、人間はいないらしい。
おそらく、この世界の人間は私だけ。
今私がいるのは人間が絶滅したずっと後の世界、らしい。

「私たちにはいろんな種族が混在して暮らしてるの。人間に姿が似た種族もいるわ。ただ、人間とは大きな違いがあるの」
「その違いって……?」

狭い檻の中なのに思わず、身を乗り出して聞いてしまった。

「私たちは魔法が使えるけど、人間には魔法は使えない。たったこれだけ」
「魔法……」

人間が進化して魔法が使えるようになった世界。といったところだろうか。

「気づいたらここにいたんです……ここはどこですか?」
「ここはデルズって国、そしてここは人身売買が行われる場所……このままいけば、私たちそろって売り飛ばされちゃうね」
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