そこは転生させろよ~無力な忌み子はご主人様の為に頑張ります?~

七色

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私、早速重要任務を任されてしまいました(全19話)

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「アナベル……床は拭き終わったのですが、ご主人様にお食事を運ぶ仕事を任されてました」
「……はぁ?!」

アナベルの顔色が変わった。

「あんたそんなことを……?!お食事の仕事はカーリーじゃ……?!」
「カーリー……」

先程私の目の前にごみを捨てたメイド。
これは完全に嫌われているね。
最悪死ぬんでしょ、その仕事。

「どうしたらいいかな……?」
「そうね……飲み物をこぼしたり、クロスを汚すようなこととか、とにかくご主人様に粗相しないこと。いい?あとご主人様がお食事を終えるまで隣で立ってるのよ」
「うん」
「それから、飲み物が減っていたら足すのよ。注ぎ方は今練習しましょう、手伝うから」
「ありがとう……」

ワインを注ぐときは先がぶれないように。
注ぎ終わったら、ワイン瓶の口を白いクロスで押さえて、水滴がこぼれないようにする。

「これくらいできたら上等ね」
「ありがとう。これで大丈夫かも」

「リーシュちゃーん、お料理できたからおいで」

ロストさんが厨房の奥から顔をだす。

「あ、はい!アナベル、ありがとう」
「いいのよ、がんばってね」
「はい」

アナベルに手を振り、ロストさんのもとへ向かった。

カートに乗せられた料理。
その上には透明なドーム状の蓋が被せられている。
ご主人様は昼食は軽食で済ませるらしい。
料理はサンドイッチにコンソメスープだと紹介された。
そしてグラスとワイン。
サンドイッチにはみずみずしいトマトにレタス、ハムにチーズ。コンソメスープは黄金色で、そばに後乗せのクルトンがこれはまた綺麗な器に盛られて置いてある。

「クルトンは、料理をお出しするときにかけるんだぞ」
「はい」
「ワインは最初に注ぐんだぞ、それから、お食事が終わったら食後のコーヒーだ。道具はカートにあるから」
「はい」
「じゃ、頑張ってな!」
「ありがとうございます」

ご主人様の部屋は最上階の角部屋。
厨房は一階、私が今朝掃除したのは二階。私の部屋も二階。
三階には行ったことがない。
角部屋だから見つけやすいだろう、とのこと。

一階から他の階層へ移動するには、階段もあるが、カートがあっては移動できない。
ここにはエレベーターという魔法で動く機械がある。使ったことは無いのだが。
よっぽどの事がない限り、メイドは階段を使わなければならない決まりらしい。

カートを押してエレベーターに乗る。
箱のような空間。スライド式の入り口。
1、2、3とあるボタンの中で、行きたい階層のボタンを押す。
『3』
音もなく床が動き、ゆっくりと上昇している感覚。

扉の上の文字盤が、1、2、3と変化する。
私はそれを黙って見つめていた。


やがてエレベーターが止まり、静かに扉が開く。
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