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48 呪いを破る者
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その音が聞こえたのは俺だけではなく、その場にいた全員に届いたようだ。皆、音の出どころがわからす、キョロキョロしている。
俺も、シルヴィアも、何が起きたのかわからなかった。
最初に異変に気づいたのは、最前列にいた人たちだった。
「え……?」
「…何これ……」
「…シルヴィア、さま……?」
皆シルヴィアを見て、愕然としている。
それだけであれば、何ということもない、よくあると言えばよくある話だった。
ただ、いつもと違うのが、シルヴィアに向けられる視線の「色」だった。
今までシルヴィアに向けられる視線といえば、嫌悪や恐怖といったネガティブなものしかなかった。
しかし、今シルヴィアに向けられている視線は、純粋な驚きと、その中に賞賛や羨望といった、今までになかったものが含まれているように感じられたのだ。
…まさか……
ひとつの可能性が頭をよぎる。ずっと願ってた、最高にハッピーな可能性。
思わず崩れかけた表情を必死に引き締める。
待て待て、慌てるな。決めつけるにはまだ早いぞ。勝手に期待してもし違かったら半端なくガッカリするぞ。落ち着けよ、コータロー。喜ぶのはちゃんと確認してからーー
「…シルヴィア様、綺麗……」
その声が聞こえた瞬間、俺とシルヴィアはお互い食いつかんばかりの勢いで顔を見合わせた。
泣き8笑い2くらいのシルヴィアは、感情も崩壊してしまったようだ。
「…シルヴィアのこと、どう見えてる……?」
おそるおそる訊いてみる。
「綺麗です。とっても」
「やったぁっ!!」
呪いが解けた!
何でかはわからないけど、呪いが解けた!!
思わずシルヴィアを抱きしめ、その場でグルグル回り始める。
「きゃあっ!?」
勢いがよすぎて足が地面を離れてしまったシルヴィアが悲鳴を上げるが、お構いなしに回り続ける。
何十回転したかわからないが、足がふらついてきたので、シルヴィアを下ろす。
それでも、突き抜けてしまったテンションが俺を衝き動かす。
シルヴィアのバックにまわると、ドレスの裾を捲り上げ、脚の間に頭を突っ込む。
「え? え? え?」
戸惑うシルヴィアを肩車で一気に担ぎ上げる。
「きゃああああっ!!」
やる方が初めてならやられる方も初めての肩車。顔を挟む太ももの感触が……幸せ……
「何してるのよ、バカバカァ」
思わずスリスリしてしまったら怒られた。
そ、そうだ。こんなことしてる場合じゃない。
何やってんだこいつら、と周りの目は生温かくなってしまっていたが、へこたれてはいられない。
「どうよ、俺の嫁さん、さいっこーに綺麗だろ!」
彼バカ全開とか揶揄されても、まったく気にならない。全世界に自慢したい気分だ。
どよめきが広場の外に向かっていく。
「シルヴィア、顔隠しちゃダメだよ」
「は、恥ずかしいよ……」
赤くなって照れる姿が可憐さを倍加する。
「マジ可愛い」
「ヤバい。惚れそう……」
惚れたってダメだぞ。シルヴィアは俺の嫁だ。
ともあれ、目の前で呪いが解ける光景は、誰にとっても衝撃的だったようで、みんなしてああでもないこうでもないと興奮冷めやらぬ騒ぎがずっと続くことになった。
俺とシルヴィアにとっても、絶対に忘れられない一日になった。
俺も、シルヴィアも、何が起きたのかわからなかった。
最初に異変に気づいたのは、最前列にいた人たちだった。
「え……?」
「…何これ……」
「…シルヴィア、さま……?」
皆シルヴィアを見て、愕然としている。
それだけであれば、何ということもない、よくあると言えばよくある話だった。
ただ、いつもと違うのが、シルヴィアに向けられる視線の「色」だった。
今までシルヴィアに向けられる視線といえば、嫌悪や恐怖といったネガティブなものしかなかった。
しかし、今シルヴィアに向けられている視線は、純粋な驚きと、その中に賞賛や羨望といった、今までになかったものが含まれているように感じられたのだ。
…まさか……
ひとつの可能性が頭をよぎる。ずっと願ってた、最高にハッピーな可能性。
思わず崩れかけた表情を必死に引き締める。
待て待て、慌てるな。決めつけるにはまだ早いぞ。勝手に期待してもし違かったら半端なくガッカリするぞ。落ち着けよ、コータロー。喜ぶのはちゃんと確認してからーー
「…シルヴィア様、綺麗……」
その声が聞こえた瞬間、俺とシルヴィアはお互い食いつかんばかりの勢いで顔を見合わせた。
泣き8笑い2くらいのシルヴィアは、感情も崩壊してしまったようだ。
「…シルヴィアのこと、どう見えてる……?」
おそるおそる訊いてみる。
「綺麗です。とっても」
「やったぁっ!!」
呪いが解けた!
何でかはわからないけど、呪いが解けた!!
思わずシルヴィアを抱きしめ、その場でグルグル回り始める。
「きゃあっ!?」
勢いがよすぎて足が地面を離れてしまったシルヴィアが悲鳴を上げるが、お構いなしに回り続ける。
何十回転したかわからないが、足がふらついてきたので、シルヴィアを下ろす。
それでも、突き抜けてしまったテンションが俺を衝き動かす。
シルヴィアのバックにまわると、ドレスの裾を捲り上げ、脚の間に頭を突っ込む。
「え? え? え?」
戸惑うシルヴィアを肩車で一気に担ぎ上げる。
「きゃああああっ!!」
やる方が初めてならやられる方も初めての肩車。顔を挟む太ももの感触が……幸せ……
「何してるのよ、バカバカァ」
思わずスリスリしてしまったら怒られた。
そ、そうだ。こんなことしてる場合じゃない。
何やってんだこいつら、と周りの目は生温かくなってしまっていたが、へこたれてはいられない。
「どうよ、俺の嫁さん、さいっこーに綺麗だろ!」
彼バカ全開とか揶揄されても、まったく気にならない。全世界に自慢したい気分だ。
どよめきが広場の外に向かっていく。
「シルヴィア、顔隠しちゃダメだよ」
「は、恥ずかしいよ……」
赤くなって照れる姿が可憐さを倍加する。
「マジ可愛い」
「ヤバい。惚れそう……」
惚れたってダメだぞ。シルヴィアは俺の嫁だ。
ともあれ、目の前で呪いが解ける光景は、誰にとっても衝撃的だったようで、みんなしてああでもないこうでもないと興奮冷めやらぬ騒ぎがずっと続くことになった。
俺とシルヴィアにとっても、絶対に忘れられない一日になった。
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○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
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