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102 パーティ
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ミネルヴァの解呪は、国内に大きな波紋をもたらすことになった。
まずはーー
「だ、誰だ、あの美人?」
「それが…ミネルヴァ姫らしいんだ……」
「嘘だろ!? どんな魔法を使えばあの絶世のブサイクがあんな絶世の美人に化けるんだよ!?」
「俺が聞いた話だと、元々あの容姿だったのが呪いのせいでああ見えてたらしいんだ」
「そうなのか……」
そうやって話が広まるとーー
「ミネルヴァ姫はどこに嫁ぐことになるんだ?」
「まだ正式な申し込みはないみたいだけど、国内だけじゃなくて国外でもかなり噂になってるみたいだな」
「あそこまで美しいと噂が広まるのも早いだろうな」
「ところで、ミネルヴァ姫の呪いを解いたのは誰なんだ?」
「レジーナのシルヴィア姫の連れ合いの召喚勇者って話だな」
「そのシルヴィア姫も呪われてたんだよな?」
「首尾よく呪いを解いて、お姫様のハートもゲットってことだったみたいだな」
「まさか、ミネルヴァ姫も同じことに……」
「さすがにそれはないだろう。あったとしても相手はシルヴィア姫と結婚してるんだから、どうにもならんだろう」
「そりゃそうだ、わはは」
なんていう会話が城のあちこちで交わされているそうだ。ミネルヴァの侍女さんたちが教えてくれた。
やっぱり側室やら重婚やらってのは一般的じゃないよな。
苦笑するしかないが、もう決まった話なのでこのまま突き進む。シルヴィアとミネルヴァの肩身が狭くならないようにだけ気をつけよう。
とは言え、どこぞのお偉いさんから求婚される前にはっきりさせといた方がいいと思うんだが。
と思っていたら、ブライト王子から夕餉の誘いがあった。シルヴィア。ミネルヴァだけでなく、ツブラやカズサさんたちパーティメンバーも一緒にとのことだったので、揃って伺うことになった。
立食でフランクな会だと聞いていたんだが、会場の広さ、参加人数の多さに度肝を抜かれた。
「俺たち、どう見ても場違いだよな」
「なるべく壁際から離れないようにしよう」
ブライト王子に呼ばれているというミネルヴァだけは別行動になったが、他のメンバーは頑なにバックを取られまいとするように壁に張りついた。
とりあえず配られた飲み物に口をつける。程好く冷やされた発泡果実酒が緊張で乾いた喉に心地よく、ついマナーに反して一気に飲み干してしまった。
不作法に恐縮しているところ、正面の演壇にブライト王子が立った。
「皆様、本日は急な招待にも関わらず大勢の方々にお集まりいただき、誠にありがとうございます。王家にとって非常にめでたい話があり、この喜びを分かち合いたいと思い、この席を設けさせていただきました。めでたさの詳細は後ほど発表させていただくとして、まずは食事をお楽しみくださいーー乾杯!」
「乾杯!」
盛大なパーティが始まった。
まずはーー
「だ、誰だ、あの美人?」
「それが…ミネルヴァ姫らしいんだ……」
「嘘だろ!? どんな魔法を使えばあの絶世のブサイクがあんな絶世の美人に化けるんだよ!?」
「俺が聞いた話だと、元々あの容姿だったのが呪いのせいでああ見えてたらしいんだ」
「そうなのか……」
そうやって話が広まるとーー
「ミネルヴァ姫はどこに嫁ぐことになるんだ?」
「まだ正式な申し込みはないみたいだけど、国内だけじゃなくて国外でもかなり噂になってるみたいだな」
「あそこまで美しいと噂が広まるのも早いだろうな」
「ところで、ミネルヴァ姫の呪いを解いたのは誰なんだ?」
「レジーナのシルヴィア姫の連れ合いの召喚勇者って話だな」
「そのシルヴィア姫も呪われてたんだよな?」
「首尾よく呪いを解いて、お姫様のハートもゲットってことだったみたいだな」
「まさか、ミネルヴァ姫も同じことに……」
「さすがにそれはないだろう。あったとしても相手はシルヴィア姫と結婚してるんだから、どうにもならんだろう」
「そりゃそうだ、わはは」
なんていう会話が城のあちこちで交わされているそうだ。ミネルヴァの侍女さんたちが教えてくれた。
やっぱり側室やら重婚やらってのは一般的じゃないよな。
苦笑するしかないが、もう決まった話なのでこのまま突き進む。シルヴィアとミネルヴァの肩身が狭くならないようにだけ気をつけよう。
とは言え、どこぞのお偉いさんから求婚される前にはっきりさせといた方がいいと思うんだが。
と思っていたら、ブライト王子から夕餉の誘いがあった。シルヴィア。ミネルヴァだけでなく、ツブラやカズサさんたちパーティメンバーも一緒にとのことだったので、揃って伺うことになった。
立食でフランクな会だと聞いていたんだが、会場の広さ、参加人数の多さに度肝を抜かれた。
「俺たち、どう見ても場違いだよな」
「なるべく壁際から離れないようにしよう」
ブライト王子に呼ばれているというミネルヴァだけは別行動になったが、他のメンバーは頑なにバックを取られまいとするように壁に張りついた。
とりあえず配られた飲み物に口をつける。程好く冷やされた発泡果実酒が緊張で乾いた喉に心地よく、ついマナーに反して一気に飲み干してしまった。
不作法に恐縮しているところ、正面の演壇にブライト王子が立った。
「皆様、本日は急な招待にも関わらず大勢の方々にお集まりいただき、誠にありがとうございます。王家にとって非常にめでたい話があり、この喜びを分かち合いたいと思い、この席を設けさせていただきました。めでたさの詳細は後ほど発表させていただくとして、まずは食事をお楽しみくださいーー乾杯!」
「乾杯!」
盛大なパーティが始まった。
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